今年は緊急対応という面でもボランティアの力量を上げたい
3月18日ボランティアの日、普通救急救命講習を名取市消防本部で
ご指導いただきました。当プロジェクトにとって重要な一日となりました。
これで万が一の時も瞬時に対応できる確率が上がりますから。
まだ、AEDをリースするなどの手続きが残っていますが。
これまでもボランティアを受け入れ前日に必ず消防本部に電話を入れています。
そして119番の時は、救急車誘導のための車両をオイスカが「北釜大橋」まで
出迎えることを毎回確認として連携しています。
(まだ、「オイスカ=なんだか海で木を植えてる」程度の反応で残念なカンジですが)
林業会社在籍時代、緊急対応訓練を社員にしてくれました。
「現場は広い、目印はない、救急車は林道にすら来られず迷うかもしれない。
全員道具を置いて緊急体制に入れ。一目散で走れ。指示された者は山を駆け下りて
救急車を迎える場所まで走れ。救急隊を最短の時間で現場まで案内するんだ」
これは初動の基本中の基本。海岸林でも同じです。
現実の場面がありました。
あの時、私より10歳以上若い、仕事のできる元不良とペアでしたが、その時の彼の速いこと。
ペアになることが多く、いろんな面で尊敬していましたが、危機に強い見事な行動でした。
遥か先の怪我人のもとに直行しながら、「もし救急車なら二人で山を降りましょう」と。
「お前は何をしてくれ」と言われる前に、言われることを予想。
大怪我ではなく、救急車を呼ぶには至りませんでしたが、救急車との連携、
最短距離を行くという訓練が同僚皆の体にストンと落ちていて、
ものすごく一体感がありました。
先日の講習の際、AEDを使った心肺蘇生法のお手本を救急救命士の方が見せてくださった際、
倒れている人を前に、「誰か助けてください」と我々受講者に大きな声で呼び掛けました。
真っ先に手を挙げたのは地元ボランティアの三浦さん。実はその時、とても感動しました。
今日講習に来てくれた11人みんなにも。本当に素晴らしい仲間だなあと。
実は昨年の植樹祭の時、てんかん持ちの方が倒れて、近くにいた名取市の総務課長さんが
猛ダッシュで本部まで通報してくれました。私が駆けつけた時、周りの人は奥さん含め
誰も何もせず茫然として、木を植えている人すらいたことに青ざめました。
真っ青で、痙攣して意識がなく、ダメだと思いましたが、すぐ119番。
しかし、待ち合わせ場所の農業法人事務所を救急隊が間違えて到着が遅れました。
名取市の場合、平均到着時間は8分半とのことですが、海岸林ではさすがに遠く20分。
再生の会の菅野さんが「大丈夫ですか?!!」という意識確認をものすごく大きな声で。
我々の中では「あれは大殊勲」と言われています。
そして、車が入って来られない防風垣を挟んだ約60mを運ぶために、再生の会の勝征さんが
木の板をタンカ代わりに持ってきました。これにも驚きました。機転です。
ご本人は救急車が来る前に意識は正常に。再生の会の底力を私は見ました。
自分が責任者の行事で意識を失った人が出てどの程度焦るか、自覚もしました。
今年も安全意識、緊急対応の面でも、肝を据えてかかりたいと思います。
ボランティアの底力もまた一段と上がるはずです。
講習を1回受けたぐらいで安心しませんから。
いつか企業担当者向け講習として企画しても良いかと。
名取以外でも応用できますし。
地味だけど応援を続けています
川崎市早野聖地公園里山ボランティアの井上文雄さんから
恒例の早野聖地公園お彼岸バザーと写真パネル展の報告が届きました。
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3月20日川崎市早野聖地公園で恒例のお彼岸バザーが開催されました。近所の農家は野菜、里山ボランティアは木炭、木酢液、手作り竹とんぼに加えて私の育てた庭木の苗、桜草などを出品しました。友人知人からいただいたマロー(薄紅葵)、カモミールが新登場、里山の畑からはキンセンカ、ビオラなど出品。ハーブと花が人気でした。6コンテナ100鉢ほどが出ました。海岸林再生支援の実生苗バザーは通算13回目です。

写真パネルは、2017年分は植栽地の広さを強調しました。高さ20mの高所作業車から撮った植栽地写真「北方向・閖上方面」「南方向・北釜方面」の2枚をそれぞれA2版に拡大、残りのスペースにA3に拡大した「最大樹高2.2mのクロマツ」「名取北高校全校講演会の3年生」「5月植樹祭参加要請のため名取市の学校訪問」をいれました。全校の教職員・生徒さんに海岸林再生の話ができることは嬉しい限りです。私の勝手で「名取市教育界に変化の兆し」と銘打ちました。
植栽地の写真を見て、現地訪問したことのある里山ボランティアも含めて「こんなに広いのか」「こんなに大きくなっているんだ。」「50haまできたか、すごいね。」と感嘆の声があがりました。里山ボランティア自身が特に注目していたのは播種から出荷までの苗木の生産工程と最初の4年でつくったシステムの組み写真でした。どんぐりから苗木を育てて植林を毎年実施している里山ボランティアならではと思います。この写真パネル展は通算47回目となりました。
「バザーはこのためにやっています。」と寄付金パンフを手渡し、写真パネルを指差します。「そうか支援なんだね。苗木は買えないけど寄付はさせてもらいます。」「仙台に住んでいた。揺れがすごかった。」「福島県の相馬市に住んでいた。まだ帰れない。」被災地出身の方々とも出会います。「これは良い取組だ。現場はどこ?」という質問も結構あります。身内のボランティアにも、墓参の大勢の方々にも写真パネル展示は意味があると毎回感じます。
バザー全体の寄付金の中から少しですがお届けします。
寄付金パンフは132部手渡しました。
3月18日(土) ボランティア報告 消防署にて その3
創造的復興という大きな宿題
3月7日、オイスカ西日本研修センターの海外研修生と職員15名と、
宮城県支部松島の会との交流会がありました。
会員を長年続けていただいている佐藤さんが音頭を取って開催。
松島周辺に会員が30人程に増えました。宮城全体でも会員は増加。
世界にも目を向けながら、海岸林の仕事を成功させねばなりません。
宮城では、オイスカ=海岸林
福岡では、オイスカ=海外研修生
両地区ともにオイスカの一大基幹事業が展開されている地元一般市民にとって
こういうイメージになるのは無理はありませんし、私自身も当面は宮城で
手一杯ですし、寄り道や集中力散漫は排除せねばなりません。
そうは言っても、宮城ならではの世界に対する協力、我々のこの復興最前線の
経験を次にどう展開するかは、大きなテーマです。海岸防災林のみならず、
宮城の農業技術を自然体で、世界に役立てることができないかとも
しばしば考えています。
世界の大半の農家は「小規模」であり、将来の食糧危機予測は想像以上に
深刻でもあります。カンボジアやモンゴルの研修生と話しました。
彼らは知りませんでしたが、FAOによるこの2か国の食糧自給シュミレーションは
アジアでも指折りの悪さ。どんなに事態が好転しても危機的な両国です。
話は変わりますが、3.11前後、宮城・福島の被災地を車で2往復しました。
確かに農地の大半は復旧を終えています。その上、従来の小区画から大区画
(100m×100m)にされているのは、法人・グループ化、大規模化、集約化が
進んでいる証しとも言えます。しかし、目を凝らして定点観測すると、
稼働率・回転率、手が回っていない姿も見えてきます。
名取では明るいニュースも聞いています。
海岸林の横のビニールハウスで、「北釜クイーン」(メロン)の栽培が復活します。
NHK仙台のニュースには、名取市海岸林再生の会の櫻井勝征さんが、メロンの熟練技術者
として珍しくメガネをかけて画面に登場しました。
震災後4月に立ちあがった北釜耕人会は、来月株式会社になります。
3夫婦で38棟の大きなビニールハウスでチンゲン菜と小松菜を育てています。
手堅く経営を進める姿を6年見てきました。どう見ても黒字です。
復興の一端を担うものとして「創造的復興」という言葉は寝ても覚めても
頭からいつも離れません。小さいことでも、何か一つでも新しいものを目指したい。
3月18日(土) ボランティア報告 悲しかったこと
ウェストポーチ、パソコンのマザーボード、
陶器のカケラにガラスのカケラ。ついでに鉄筋も。
これって何だと思いますか??
驚いたことに今年の植栽予定地の盛土(の一部)から出てきたものたち。
こんな鉄筋もゴロゴロゴロゴロしていました。
左が昨年の植栽地脇の道の写真。右は今年の植栽地。
私には同じにように見えてしまいました。
土が足りない中、植栽地に使う土がないのも分かります。
誰かを非難するつもりは全くありませんが、
ただただ悲しく感じました。
命あるものが息づいていくその基盤がこれかと思うと
今考えてもクロマツがかわいそうで涙がこぼれます。
私が勝手にそう思うだけで、もしかしたら当のクロマツは
実は全く気にしていないのかもしれません。
どんなものでも栄養にして成長していくのかも。
あれだけ強いクロマツですから。
環境を理由にやる気をなくしたり、それを言い訳に
力を発揮できなかったりするのは人間の弱さかもしれません。
だから、風が吹いても寒くても乾燥していても文句も言わず
ただすくすくと伸びていくクロマツに感動させられるのでしょうか。
私にはクロマツの本当の気持ちは分からないけど、
針金やガラスの破片など危ないものがたくさんある現場で
植栽作業にあたる皆さんにケガのないように祈るばかりです。
3月18日(土) ボランティア報告 消防署にて その2
救命講習が始まる前、各自申請書類への記入を行いました。
浅野が「なかなか見ない風景」と笑ったのは、おじさん3人が机に向かう姿。
現場ではきびきびとした動きを見せるボランティアのOさん(中央)と
いつも車で栃木から通って来てくださるMさん(左)と吉田でした。
「今日何日でしたっけ?」
「平成29年3月18日です」(やさしく教えてくれました)
(吉田)「オレ、自分ちの住所忘れた……」
(それはあなたにしか分かりません)
学校で、悪ガキ3人を先生が優しく面倒を見ているような感じでした。
確かに現場では見られない、めずらしい光景(笑)
先生の監視の下、試験を受けている学生のようにも見え ちょっぴりほほえましく感じました。
3月18日(土) ボランティア報告 クロマツの今
久しぶりに見たクロマツはだいぶ葉が黄色くなっていました。
頂芽が真っ白なモコモコ(に見えるだけで実はカタイ!)の防寒着を
まとっているのもこの季節ならではの姿ですね~。
吉田の話ではしばらく乾燥していたところにまとまった雨が降り、
これでも少し葉が青々として来ている状態なのだそう。
少し水はけの悪いところはまだ土に水を含んでいました。
恐らくここは常時このような状態なのだと思います。
この一帯は成長が芳しくありません。
下の写真を見てください。防風柵の右側の一列がとっても青々としています。
やはり風の影響を受けないと元気に成長するのでしょうね。
佐々木統括が言う「寒風」と「乾風」がいかにクロマツにとって
ストレスなのかということを、こうした成長の差から感じます。
こんな成長の差もありました。
左の写真の手前にある小さなクロマツの背丈はボールペンとほどんとかわりません。
でもその奥にあるクロマツはずいぶん成長しています。そのマツが右の写真。
枝もたくさん出ていますし、背丈もボールペン4~5本分ぐらいでしょうか。
それからこんな成長も目にしました。
左は2014年7月に撮影されたもの。三角の防風柵の中に閉じ込められてしまった
苗をかわいそうに思ったものです(手前に小さく頭だけ見えているのが分かりますか?
草場刈りが目立って苗があるのが分かりにくいかもしれませんが……)。
でも成長は抜群。日当たりが悪くても風から守られているのが要因かもしれません。
こんなふうに柵からニョキニョキと頭を出しているのを見て
「ここのところ、柵切っちゃおうか」(ナイスアイデア!)
「柵ごと盛土の下に転がしちゃったら?」(それもいいかも)
などとボランティアの皆さんもあれこれ意見を出していました。
どうするのがいいのか……?
クロマツの成長は本当にさまざま。
どの子を見てもとってもかわいくて、いつまでたっても飽きません。
ボランティアの皆さんが愛着を持ってくれているのも本当にうれしいことです。
3月18日(土) ボランティア報告 大出血!?
活動中、自分の手を見てびっくり!
手が血だらけ。
午前中救命講習で習った止血方法が早速役に立つ……
……という訳ではなく、この作業でついてしまった水性ペンキです
↓
分かっていても、見るとギョッとしてしまうのです。
しかも洗ってもなかなか取れず、帰りの新幹線の中で
ウェットティッシュでぬぐい取るようにゴシゴシゴシゴシ。
やっときれいになりました!
今回はさすがリピーターの皆さん! と感心する
工夫が飛び出しました。一番初めはラーメン屋さんからもらってきた
割り箸を洗うところから始めていたことを考えると、年々効率よく
作業ができるようになってきています。
分かりますか??
早く乾くように、また段ボールにペッタリとペンキが
つかないように、棒の上に割り箸を斜めに置いて隙間をつくっています。
せっかく50本ずつまとめて並んでいたものが
全部崩れてしまうのです。何人が蹴りましたかねぇ……?
でも無事に作業は完了。
植樹祭で植える1万本分の目印が完成しました。
(この日は半分だけ。昨年11月のボランティアの日に半分終えていました)
3月18日(土) ボランティア報告
広報室の林です。
4ヵ月ぶりに現場に行ってきました。
冬の間、静かだった現場が動き出します。
18日は4月以降のボランティア活動に向け、リピーターの皆さんに
お集まりいただき、名取市の消防本部で救急講習に参加しました。
キビキビとした若い講師の先生たちに心肺蘇生法を中心にご指導いただきました。
詳細はまたあらためてご報告しますが、3度目の受講となった今回、
一番勉強になったことをご紹介。オイスカの本部事務所の近くにAEDを
設置している事業所があり、「何かあったらここで借りられる」と思う反面、
夜間はどうしたらいいのだろう、人命救助のためなんだから、
ガラスのドアを割ってAEDを拝借してもいいのだろうかと
疑問に思っていたことをぶつけてみました。すると心肺蘇生のための行為中に起きたこと、
例えば、肋骨を折ってしまったとかいうことに対しては罪に問われないよう法で守られているが、
AEDを借りるための器物破損は別問題だということ、そしてたいていの「パチンコ屋」には
AEDが設置されているということを教えていただきました。
永福町商店街のパチンコ屋、遅くまで営業していたなぁと、ちょっと安心しました。
3時間の講習を終え、先生たちと記念撮影。
お昼休憩をはさみ、作業開始。
植樹祭に向けた準備がメインです。
皆さんご存知、割り箸の色塗り。
今年はなぜかオレンジ色が新登場!
さすがリピーターの皆さん。5000本があっという間に着色されていきました。
(これについても後日詳細を報告します)
↓ 配布資料の挟み込み作業も
割り箸を乾かしている間、植栽地に向かい、地震発生時の避難経路確認などを行いました。
また、これまでの植栽地、今年の植栽予定地などを視察。
以前との大きな変化はゴミが多く投棄されていること。
吉田が皆さんに説明をしている間、浅野がゴミ拾いをはじめ、森さん(右)がお手伝いをしてくださっていました。ゴミは肉のパッケージやもやしの袋、卵の殻や割り箸など……どうやら鍋を楽しんだ後のゴミが捨てられていたようです。どうしてこんなところに??
森の中に不法投棄されたテレビなどの家電製品をはじめとする粗大ゴミをこれまでたくさん見てきました。処分に困って人目につかないところに捨てていく心理は想像がつきますが、通常のゴミとして処分ができるものをどうしてこのように捨てていくのか理解に苦しみます。
勝手に侵入してきていたずらをしたり、枝を切っていったり(お正月飾り用に業者が切っていく事例があるそうです)するような輩が出てこないよう対策を考えなければならないのはとても悲しいことです。
そんな中、リピーターの皆さんはこれまでお世話をしてきたマツが大きくなっているのを確認し、喜んでくださっていました。2メートルを超える成長を見せるマツもある中、あえて自分と同じくらいの背丈のマツを探して写真を撮ってみたり……。
写真のHさんはANAグループの社員さん。仙台空港のすぐ近くにある現場では、着陸間近の飛行機が見られるのですが、海側から飛んでくる飛行機を見て「あれはどこの?」と聞かれると、かなり遠くからでも識別して「あれはピーチですね」「あれはエバーです。台北からのフライトです」等々、すらすらと答えていました。さすがです!!
野鳥博士のMさんは「(上空を指さして)あそこでヒバリが鳴いてる」とか「あ、ミサゴが何か加えて飛んでる」等、教えてくださり、これまた鳥を見かけては「あれは何?」と質問されるたびに「アオサギです」「あれはノスリ」と答えてくださっていました。さすがです!!
作業は少なかったものの、こじんまりとして皆さんと交流できた
楽しいボランティアの日でした。
来月のボランティアの日から、本格的な作業が始まります。
皆さんのご参加、お待ちしています。