思い出したら……

2017年3月10日( カテゴリー: 本部発 )

広報室の林です。
3.11を前にさまざまなメディアで東日本大震災のことが取り上げられています。
6年も前のことですし、特に東北から遠い地域の方たちにとってはこうして
メディアで取り上げられるこの時期にしか思い出す機会はないかもしれません。
もし3.11を前に、まだ復興の途上にある被災地の姿を知る機会があったら、
もし3.11を過ぎて、テレビや新聞で目にした被災地の様子に心が動いたら、
小さなアクションを起こしてください。
 
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「海岸林再生プロジェクト」では、西友の協力で全国341店舗で募金を受け付けています。レジに設置されたこのカードをスタッフに手渡し、希望金額を伝えるだけで、買い物の清算と同じ要領で募金ができます。
レジ募金の素晴らしい点は、1円からでも募金ができること。金融機関に行ったり書類を書いたりする手間がかからないこと。そして西友が皆さんからの募金と同額を上乗せして「海岸林再生プロジェクト」に寄附をしてくださること。
seiyu1こんなふうにレジに設置されています→
 
 
 
 
 
どうか皆さんご協力ください。
よろしくお願いいたします。

今年の現場ボランティアの開幕戦。

3月7日、1年間の研修を終えて帰国前のオイスカ西日本研修センター海外研修生12人と
廣瀬所長、指導員の榮さん、スヤディさんが名取に来訪。地元の大槻さんとともに、
現場南端の一番水捌けが悪い0.01haの「溝切り」を行いました。

4月末ごろ、クロマツを植えるための準備です。
ここには広葉樹を植えましたが、2度の補植の甲斐もなく、生き残ったのは10本。
夏場は20cm掘ると水が沸いてきます。
重機で砂を入れること等々も検討してみたのですが。

クロマツは多湿に弱いので、今まで以上の大型の溝切りをしました。
大きな「剣スコ」(先のとがったスコップ)3つ入れるぐらいのイメージで。
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1時間半で11本の大溝が完成。さすがオイスカ農業研修生。
さすがの出来栄え。仕事がキレイ。女性もツルハシを使うし、タフです。
帰国前なのに、仙台空港到着直後からいきなり土方。
申し訳ないので休憩を多くいれたら、所長からブーイング。
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「ここの土、とっても固いですねー、先生。すごーく悪いねー」
でも、これでクロマツ植付にチャレンジできます。
いい場所にイイ溝の見本ができました。
やっぱりココは、このぐらいやらなきゃダメだろうな。
それでもダメかもしれないし・・・

木々は動き始めています

2017年3月8日( カテゴリー: 現場レポート )

今年は暖冬。
木々の動き始めが早いと見ています。

そんな中、雨はぜんぜん降らない。
動きだしても土は乾ききっています。
吸い上げる水分はないのも同然。

我々がまず考えねばならないのは育苗場。苗は一番弱いですから。
「よすだくん、散水2日かけてやったよ」と再生の会の櫻井勝征さん。
ご自身の畑で奥さんとご一緒のところで会いました。

散水後の育苗場を、首都圏にお勤めのニコンの方が見に来てくれました

散水後の育苗場を、首都圏にお勤めのニコンの方が見に来てくれました

今日(3/7)は最高気温6度と天気予報。
現場には帰国前のオイスカ海外研修生が来訪。
今ごろきっと、福岡空港の飛行機に搭乗直前。
現場では、大型溝切り作業を用意しています。
重機はとても入れられないので、人力でやるしかない。
「剣スコ3つ入ることを目標に頼むな。一度に完璧目指さなくていい」と統括。

仙台空港に最も近い2015年の植栽地です。
いままで広葉樹を3回植えて完膚なきまで枯れた0.01haの小さな場所。
風当たりも強いですが、20cm掘っただけで水が沸いてくる。
大きな溝を5mおきに作って、クロマツを植えます。
それでも厳しいかもしれませんが、放置できません。

今年の開幕戦は溝切り。

ちなみに、昨日、他の広葉樹を浅野さんと見に行ったら、
グングン育ってました。幹の色がイイ。新芽が力強い。
春の乾燥と多湿の繰り返しはこれから、淘汰されるのもこれからですが。

タヌキのNew溜め糞

タヌキのNew溜め糞


671本の広葉樹も頑張ってました

671本の広葉樹も頑張ってました

名取市内の学校訪問など

2017年3月7日( カテゴリー: 現場レポート )

3/6は植樹祭を名取市内に告知。
いつも通り、宮城県全域に告知するより遥か先にまず市内最優先。
「今年は申し込みの出足が早いでしょう。もう4年目ですから。先着順で、
定員に達したら締切ります」と一言添えて。
慣れてますから、行くべきところの大半を4時間で終わり。
行列を避けて「いぶし」で旨いラーメンにありつきました。

ラグビーで有名な国立仙台高専、ボクシングで有名な県立農業高校、
県立看護学校、農業大学校、JA宮城学園、尚絅学院大学など20カ所ぐらい。
渡された人が看過できないセールストークも夫々添えました。

国立仙台高専

国立仙台高専


県立看護学校

県立看護学校

こうやって回ると、浸透度とかいろいろなことが分かります。
まだまだですねー。チラシ置くだけじゃダメなので、もう一手繰り出さないと。
でも、案外、知られていることも分かりました。

駅で写真展見た。先週河北新報に出てたよね。鈴木英二さんにヨロシクね。
寄附金のチラシも一緒に配るわよ。などなど。女性の反応が多かった。
仮設住宅の方や、ロータリークラブの方などは、よく理解してくださっていて。

「この絵は閖上出身のicoさんが描いてくれたんです」
「なとラジに出てる人ー?」icoさんも知られてますねー。
「昨日、icoさんからチラシいただいてます!」という人もあり。

でも我々、チラシ配るの早すぎ? 開催2ヵ月半前。
毎年連休明けまでは、なかなか申し込みがなくヤキモキするのが実情。
今年は播種・植付・施肥などと名取事務所引っ越しが重なるかもしれない・・・
(すぐ近くです。直線距離120m先)
申し込みがなかなか来なくても、先手先手で進めなきゃならないのです。

まず、1の矢は放ちました。
10代20代にターゲットを広げました。
去年より少しでも多くの若い人に来てほしいです。
2の矢はもう少し先に。
自力だけでなく、他力の手も、繰り出されることになってます。
しばらくドンと構えて、現場の通常業務に集中します。

2016年の植栽木モニタリング調査の報告書・写真報告を公開しました。
http://www.oisca.org/kaiganrin/3667
東京本部3人でチェックし、最終として佐々木統括に目を通してもらいました。
9月に空中断根を終えて根おろししてから約2ヵ月、(窒素の多い液肥の)住友一号で
(根元直径を)太らせるんだけど、その年その年違うんだよな~。雨が多いか少ないか
だけでもぜんぜん違う。同じという年はない。そこなんだよ~。そういうキモの部分は
言葉では説明できないんだよな~。液肥のかけ方も、ちょっと違うだけで、隣なのに
太かったり細かったり。
こういう細かい(けど大事な)部分は端折ってます。キリがないので。
3県全体の海岸防災林の再生は、これからが本番です。福島では600ha、宮城は750haが全体計画。
これは宮城県HPで毎月更新されている「復興の進捗」。海岸防災林の項目もあります。
http://www.pref.miyagi.jp/site/ej-earthquake/shintyoku.html

いまの名取の上空写真。報道は震災後、地盤沈下ののち、いまは土壌隆起のため、 これから計画される各地の防潮堤は引き下げの方向とのこと (3月1日NHK)

いまの名取の上空写真。報道は震災後、地盤沈下ののち
いまは土壌隆起のため、これから計画される各地の
防潮堤は引き下げの方向とのこと (3月1日NHK)


例年通り、報告書は公共工事や他のNPOの実務者の参考にしていただくことも意識しているので、
関係者の目に届くようアナウンスもしたいと思います。研究者が視察に来ることも多いし。
すでに論文の対象にもなっているし。
今年の植付では、種不足のため宮城県に提供された岡山県産・香川県産のマツノザイセンチュウ
抵抗性クロマツ、宮城県網地島産のかなり抵抗性があると考えられているクロマツの植栽も
ありますので、最低数ヵ所は調査地を増やすことになります。
汀線から400mの最内陸部に植えた広葉樹の調査も行います。
被災地全体においての今後の研究材料は少しでも多いほうがイイ。
その一助になればと思います。
調査にあたっては、今年もボランティアの協力を得ることになります。
皆さま、どうぞよろしくお願いします。

2月28日、卒業式前日の宮城県立名取北高校で講演の機会をいただいた。
今年楽天ゴールデンイーグルスに入団し、開幕投手に決まっている岸孝之投手の母校。
2011年3月、私の長男は小学校卒業式、いまは高3。娘は小4だったのがいまは高1。
今日は宮城の同い年の子たち、全校生徒833人と、先生を前にする。
2月は仕事が立て込み、ほぼ徹夜の日が続いた。その大詰め。
名取市出身のイラストレーターicoさんの手による植樹祭募集チラシが前日に届いた。
「配布1枚目は北高」というスケジュールで本部の和代さんも、icoさんも
「去年のように、また今年も現場に来てほしい」と思いながら準備を進めてくれた。
ずっと想っていると実現するものだ。
グランドで部活の練習をしている生徒さんを眺め、彼らといつか一緒にと何度も想っていた。
去年春、あるマスコミの方の仲立ちで、校長先生と教頭先生とご縁ができた。
そして、植樹祭に自分で手を上げてきた生徒さんが30名が参加。
閉会式の時、その30人の存在感は大きく、雰囲気を作った。
プロジェクト自体の、究極の雰囲気ってこういうことなんだろうなと感じた。
あの日の一瞬、なにかの力が働いたのかもしれない。
初めての植樹祭の閉会式で、虹が出て全員で見た時のように。
今日の私の講演自体は、上手く話しできたとはまったく思わない。
ですが、ギリギリで仕事してきた2月、最後の最後まで精一杯準備して臨んだ。
高校1,2年生

高校1,2年生


高校3年生

高校3年生


まず知ってほしい。そして、1年に1回でもいい、3年に1回でもいい、
そしていつか、行きたいと自分で思った時に、力を貸してほしいと言いたかった。
一人の力は小さいけど、それでも自分の力を活かそうと言う人を増やしたい。
プロジェクトの意義はこういう処にある。
今日は教育現場のナマの雰囲気、学校全体の一面を体で感じた。
先生やマスコミの方から様々なことも教わった。
喰らいついて聞いてくれる生徒さんの顔が見えて嬉しかった。
東京の息子、娘に届けたい気持ちもあった。
私のほうがお世話になった気がして、なにか申し訳ない。
若い人と一瞬だけでも接することができて途方もなく嬉しい。
今日は地震で電車が止まって、帰宅はならなかったが。

2月16日(木)、名取市海岸林再生の会の研修会に出席してきました。
今年度の振り返りとこれからの活動スケジュールの確認、育苗場の視察と植栽地の視察でした。
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2016度は約10ha、5万本でしたが、2017年度は14ha、7万本を植栽予定です。
植栽開始は4月17日ごろ。職人さんたち、よろしくお願いします。
播種の量は、2016年度と比べてほぼ半分の54,000粒。
これはGW前の4月28日、29日を予定。ゆっくりとGWを過ごすために皆さん頑張りましょう!
播種のための準備となるコンテナの土詰めは3月20日ごろから。
今年も本格的に現場が動き出す時期ですね。
久々に集まった再生の会の皆さんもあと1、2回しか播種をすることがないと聞き、
「ちゃんと心を込めてまかないといけないねぇ」とおっしゃっていました。
植栽地に移動してからは、同じ時期に植えた苗でも相当の差があること、
1年見ない間に2mを越すマツがでてきていたこと、2016年度に植えた箇所の
水はけの悪さなどをご自身の目で確認。
話に聞くだけでなく、元気に成長したマツを実際に見て皆さん驚きと喜びの混じった顔を浮かべていました。
DSCN1073
研修会後の新年会では、久々にいろいろな話を聞かせてもらいました。
「再生の会ってもののお陰で普通だったら会わない人と会えた」
「最初はこの人だれ?って感じだったけど、いまは会って話すのが楽しい」
「あと少しで終わっちゃうし、しっかりやらなきゃねー」
「ボランティアの人のおかげで二足のわらじを履けるんだよね」といった苗作り、再生の会の話や
「震災の時はどうなるかと思ったけど、孫がいてくれたから今がある。
震災後から自分が育てたようなもんなんだぁ」など。
やっぱりたまに会うと新鮮ですね。今年の活動も頑張りたいと思います。

プロ中のプロ

2017年2月28日( カテゴリー: 現場レポート )

2月はゆったり勤務、「働き方改革」「プレミアムフライデーを」なんてまったく甘かった…
いつも以上の仕事量。宴会は長大幅削減、20日以上名取に出張しないのも2年ぶり。
それも2月だからできること。目下、臨戦態勢目前。1つずつ各個撃破で解決しました。
2月27日、久々の名取事務所。3週間ぶり。
再生の会の菅野さん、相変わらずどこまでも明るい。
「ねぇ~吉田君、どうするとイイと思う?(全国苗木品評会で天皇賞を取ったら)」
(ご自分のデスクに宮城県品評会の写真データを貼ってある…、それを手に取って眺めてる)
「そりゃぁ、1泊旅行、行けばいいじゃないですか。恐山でも、八甲田山でも」
(っていうか、そもそも天皇賞っていうの、そういうのナイんですよね~)
(この前、浅野ちゃんから農林水産賞の資料渡したじゃないですか)
(1ヵ月前も同じこと聞きましたよね~)
「そうじゃないのよ~、早く何かやらなきゃ~」
(みんなでオべべ買ってパーティーやればいいじゃないですか~)
(中締めの後はその場でカラオケで、再生の会らしくていいじゃないですか)
「やっぱり、今回はいつものあの店じゃないのよね~」
(それって、植付・出荷の、クソ忙しいど真ん中でやるってこと?)
(ってゆうか、1ヵ月、ずーーーっとそれ考えてません?)
まだ写真眺めてる・・・
「やっぱり、この真ん中のマツがイイと思うんだよね~」
(もう完全に独り言)
「写真撮ってイイっすか?」
(ポーズ取ってますよね。嫌がりもしない・・・)
DSC_0001
でも、そういう菅野さんこそ、いつのまにか完全にプロの世界の人。
6年前、仕事も家も津波で完全に失ったのに。クロマツにもまったく縁がなかったのに。
佐々木統括:「樹液が動きだす。水遣りどうしようか・・・」
吉田:「明後日、雨ですね」
佐々木統括:「10㎜は降ってくれないとな」
名取は過去5年の2月、2月後半だけを比べてみて、極端に降水量が少ない。
27日夜、「今年の東北は暖冬」とニュースで流れた。
佐々木統括と菅野さんと仙台空港測候所のデータと睨めっこの季節到来。
菅野さん:「やー、今日も静かだ~」
(臨戦態勢目前を楽しんでる。そのセリフ、今日2回です)
あと1時間したら、「ねぇ~吉田君、今日のおかず何がいいと思う?」って始まるんだろうな。
いつも通り、一番菅野さんがやらなそうな「酢豚」って何度でも言います。今年も。
それにしても、本当に一生懸命、松に向き合ってくださるプロだなあと思います。
このプロジェクトに不可欠な存在だと、いつも思うんです。

「宮城(オラホ)の野菜(シゴト)にハズレなし」(新しいJA名取岩沼の看板)

「宮城(オラホ)の野菜(シゴト)にハズレなし」
(新しいJA名取岩沼の看板)

こんにちは。四国支部の池田です。海岸林再生プロジェクトのブログには久々の登場です。
さて、先月末に四国支部内(高松市・徳島市・四国研修センター)の3ヵ所で報告会を開催したことは
浅野さんのブログで紹介されています(☞ http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/?p=16587 )が、
その報告会に参加して下さった香川県森林センターの方のお取り計らいにより、14日から
26日まで、香川県立文書館で開催中の「創る 守る 香川の森林」という治山事業や防災の視点
から森づくりを考える催しで、パネルやパンフレットなど展示させていただいております。
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株式会社ニコン様に制作いただいた美しい写真パネルですが、今回はガラスケース内に並べられ
更に立派な展示となっています。(通常は写真撮影不可。今回は特別に許可いただき撮影。)
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採種の様子を解り易く紹介した展示もあり、多くの方に是非ご覧いただきたい内容です。
(香川県立文書館はコチラ☞http://www.pref.kagawa.jp/bunshokan/use/index.html#s03 ※月曜休)

写真展 終了しました!

2017年2月17日( カテゴリー: 本部発 )

2月1日~2月15日まで名取駅で行っていた写真展が終了しました!

今回は「クロマツと1,900人の汗」というテーマで人をメインに写真を展示しました。
毎日見に行っていたわけではないので、どの程度の方が見てくれたか分かりませんが…
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こちらは名取市在住のイラストレーターのico.さんからメール。

“昨日名取駅行って参りました。
ノベルティはがきもディスプレイされていましたね!
数人がじいっとパネルを読んでいて、関心の高さが伺えました。嬉しいですね。”

息子さんと見に行ってくれたスーパーボランティアK氏からは

“名取駅自由通路行ってきたです。息子大喜び。”

という連絡をいただき、さらに 写真展最終日には

“夕べ、写真展が明日で終わっちゃうんだよと
息子に言ったところ
「もう一回連れてって!写真撮って!」
とのことだったんでもう一回行ってきました。”

と息子さんの写真を送ってくださいました。

こうやってわざわざ見に行ってくださる方がいるというのはうれしいですねー
設置の際も撤去の際も立ち止まってみてくださっている方がいて、
こうやって少しずつでも広まっていってくれるといいなぁ…
またやりますので、今回行けなかったという方も次回はぜひ!!

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