7月3日、アメリカの高校生20名が、合羽を着て1時間半、ツルマメと戦いました。
MUFG主催の日米交流事業で、海岸林としては初めての受け入れ。
ロス近郊200名から選考されたとのこと。
今日は雨。憂鬱だろうな・・・
訪日の途中で風邪ひかせちゃかわいそうだなあ・・・
「私、晴れ男なんですよー」と宮城テレビのディレクター。
女性のGアナウンサー、アシスタントの方も、憂鬱そうな顔など微塵も見せない。
佐々木勝義さんや大槻さんたちともすでに顔見知り。意気投合。気合満点。
でも、今朝まで仙台で日本の高校生宅でホームステイをしていたとのこと。
涙の別れの後で、気持ち切り替えられるのかな・・・
育苗場で説明開始。というより、いつもの3倍クイズ連発。反応を伺う。上々だ。
ボランティアの目的、受け入れる考え方を説明。目の色が変わったのがわかった。
うん、申し分ない。これはいける。日本の単語で返してくる生徒も何人かいた。
雨の可能性も考え、名取市海岸林再生の会会長で、オイスカ宮城県支部副会長の鈴木英二さんが、
旧ご自宅前で説明に助太刀。トモダチ作戦への感謝も伝えてくださった。
オイスカボランティアの鈴木昭さん、フィリピン人職員のグラゼンさんの説明がイイ。
仕事開始。ツルマメ抜き取り・つぼ刈り。心配の一切は杞憂。
オイスカ職員の中で指折り外国語ができない私も、なぜかノリで話しかけていました。
「前田健太知ってる?」→「ハイ、名前だけは知っています」
「じゃあ、野茂英雄は?」→「イイエ、わかりません」
「じゃあ、この歌知ってる?」→野茂の英語の応援歌を歌う。歌詞がウケた。
「サンディエゴとロスはどっちがいい街ですか?」→意見分かれる
「こういう仕事好き?」→「ハイ大好きです。野外での震災復興ボランティア楽しみでした。
すごく長い仕事なんですね~」
「私の仕事ちゃんとできてますか?」→「いい仕事だよ」
20人1時間半で10m×70m、0.07ha。
実によく頑張りました。というか、我々も楽しかったです。
次は日本の高校生と一緒に来ては?
「今日はどうなることかと思ったよ~」と若者に溶け込んでいた佐々木勝義さん。
(そんなに心配しているように見えませんでしたけど)
「アメリカの高校生なかなかやるね~」と大槻さん。
休日。
であっても、朝から弁当持ちで現場に行ってしまう。
今日は「丸ごとバナナ」とか持参で、気分を変えて。
空港に近い2015年の植栽地に、二組の人が。
一人は仙台の方。「震災以来初めてだけど、懐かしくて来てしまった」と。
ひとしきり説明。
そしてもう一組はご夫婦。
ん?? お互いにすぐ察した。
「吉田さんですか?」「小宮さんですか?」と。
記憶では2014年2月以来?の再会。
国内外で鳴らした、バリバリの林野庁技術者の方。
ブログも読んでくださって、メールでも、お手紙でも、郵便振替用紙の
コメント記入欄でも激励いただいている。ご寄附もずっと。
「えーまた来てくださったのですか!?」短時間だったけど、話は尽きない。
「佐々木統括の『森林技術』の執筆も読んだよ。よく書いてもらったね。
彼の性格よく知ってるから~~。あれは素晴らしい記録だよ」
(*海岸林HPインフォメーションに掲載しています)
「東先生(北海道大学名誉教授)にも現場の様子伝えておくから~」
あとから聞いたのですが、私にとって指折りの価値があった2013年の襟裳岬調査の際、
ブログを読んでいた小宮さんと東先生が、お膳立てしてくださっていたのです。
乾燥地造林、海岸林造林にも精通したプロからの一言一言、
技術のみならず、チームプレーを評価してくださっていた。
現場の人ですから、見なくても大きなチーム海岸林が見えるのだと思います。
数日宮城に滞在とのこと。
ちょちょっと位置を説明しただけで、あとはご自身で見に行ってくれるはず。
いつか、鍵付き工事ゲートを開けなくても、誰もが見たい時に見ていただける、
開かれた海岸林になる時が来ます。その一方、ボヤだの、不法投棄だの、
なんだのの心配は尽きませんが。
別れ際、メロンのゼリーをお裾分けいただきました。
今日は丸ごとバナナに、果実100%のような風味たっぷりのゼリー。
糖分でパワーがついて、夕方まで歩きました。
【観察日記】2日見ない間に
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
観察日記を楽しみにしているという声を耳にして、俄然やる気になっています。
土日明け、2日間見ない間に緑がぐーんと濃くなっていてびっくりしました。
あれ?写真でみるとあまり変化がないですね・・・
中心部分の葉の長さが伸びたために、緑が濃く見えるようになったようです。たったの4日でこんなに伸びるのですね。
でも、背丈は発芽7日目に計測した6.5㎝からほとんど伸びていません。
中心から伸びている葉はほとんど同じ場所から八方に伸びているようなので、背丈が伸びません。
クロマツは頂芽が伸びることで背丈が伸びていきます(詳しくはこちらのブログ)
頂芽が伸びる時期は春先から初夏にかけてです。中には秋に伸びるものもあります(詳しくはこちらのブログ)
ということは、育てている幼苗は9月ごろになったら頂芽を伸ばして背丈が伸びるのだろうか??
またまた観察する楽しみが増えました!
ひょろっとしていて成長を心配している6本葉のクロマツですが、他に比べると葉の数は少なくて心もとない感じはしますが、元気に成長しています。
あれっ??随分と寝坊助のクロマツです。
6月ボランティア合計375人、7月も絶好調ですが・・・
6月は本当にボランティアに恵まれました。その数375人。
7月もその勢い変わらず、6月に迫る人数になる見込みです。
一般募集ボランティアの日は両月とも130人。
「人もお金もこれから数年が大変なのだから頑張らねば」という声をよく聞きます。
心豊かですね。本当にありがたいことです。
リピーターのシェア率も驚くばかり。
3回以上来訪は白腕章、10回以上は緑腕章。
腕章組が増え、力をつけ、仕事は確実に質が上がっています。
2017年植栽地のツルマメの海は相当解消しました。
今年も2度3度と、執拗に抜き取るつもりです。
2014年、2015年、2016年の植栽地について、、
植付当年はツルマメ、イヌビエ、メヒシバが繁茂しましたが、あの頃が嘘のように根絶。
部分的に出ている場所があっても、全体としては、目くじらを立てるほどではありません。
植栽地合計約50haは、宮城中央森林組合と松島森林総合の2社で、場所によっては
2回の下草刈りに着手済みです。葛はクズコロン、ニセアカシアはグリホエースの塗布も
行います。
ボランティアは、2017年・2016年の約25haの、中でも草の繁茂がひどい場所に
戦力を集中投下します。まだ何とかしたい場所がたくさん残っていますから。
課題はやはり地元市民の参加。若者の参加。
名取市外からは来てくださるのですが(笑)、まったく私たちの力不足です。
6月30日までJR名取駅連絡通路で写真展をやって、ボランティア参加を呼び掛けてみましたが、
どうもまったく効果なし・・・乗降客数1日2万人とのことですが。
地元の参加。これは本当に難しいですね。一人づつ増えてゆけば良しとします。
まったくいないという訳ではないし、粘り強く、辛抱強く。
7月15日は、個人参加の地元高校生が数名来てくれます。楽しみです。
広報室の林です。
先週、本部事務所にボランティアに来てくれていた大学生が活動最終日に
「お世話になりました」と小さなプレゼントをくれました。
わかりますか?
ビーズでつくった飛行機。
「飛行機が大好きなんです。ANAが大好きで……。ANAで働きたいと思うようになってから
もともとの進学の希望を変えて、今の大学には一浪して入ったんです」と。
確かに飛行機もANAカラーになっています!
フライトアテンダントになるには身長が足らないから、グランドスタッフとして働きたいと話してくれました。
ANA愛にあふれる話があれこれ出てくるので、こちらも負けじと、オイスカとANAとの関わりをゾウを運んでもらった話から、ボーイング787の話などあれこれ話をしてしまいました。
ANAつながりでなんだかぐっと距離が縮まったような気がしました。
なんだかうれしくなってしまい、ANAすか隊の皆さんが、飛行機の塗料でつくったANAカラーマツを1つあげました。事務所のデスクに2つ飾ってあったのですが、彼女はずっと「ANAカラーだなぁ」と気になっていたのだそうです。
「ガラスケースに入れて飾っておきます!」と喜んでくれました。
そして最後に「絶対ANAに入って、名取のボランティアに行きますから!」と宣言。
実現したらいいなぁ。
楽しみに待っているからね!
【観察日記】葉の数
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
6/1に種をまいたクロマツ、6/30で発芽から20日になりました。
ずっと見ていても飽きなくて、
だんだん緑が濃くなってきたな~
茎もしっかりしてきたな~
一つの穴に2本では窮屈そうだな~
などと、一人で眺めているのでした。
ひとつ、かなり細身で弱そうに見えるクロマツがあります。葉の数は6本・・・あれ?他のクロマツは?と数えてみると、他はほとんどが8本です。
どおりでか弱そうに見えるはず
緑化技術顧問の清藤先生に伺ったところ、6~8本が標準なのだそうです。
弱そうに見えるものほど、ガンバレ!と応援したくなります。
心配なのが下のクロマツです。
ずっと提灯状態のままで、上でキュッと結ばれているようで葉が広がらないのです。
このままどうなってしまうのだろう?
キュッと結ばれている所を取ってあげればいいのかもしれませんが、このまま観察してみたくてそのままにしています。

マツと言えば、2本の葉が寄り添い、夫婦に形容される2本の松葉ですが、クロマツは発芽からどのくらいの歳月で2本が寄り添う姿になるのだろう?
観察を続けていると面白いですね
【観察日記】殺鼠剤まき
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
6月1日に東京の事務所で種まきしたクロマツですが、6/29付ブログで発芽から9日目までのかわいい姿を紹介しました。
かわいいクロマツ苗がネズミに食べられたら大変!!
と吉田が、名取事務所から殺鼠剤(さっそざい)を持ってきました。
この辺りにネズミがいるの??? ぜったい居るって!!!
とのやり取りがあり、殺鼠剤をコンテナのまわりにまくことになりました。
殺鼠剤は口に入れても、素手で触ってもいけないもののようです。
スーパーの袋に入った殺鼠剤を持ち、クロマツのコンテナの前まで来た途端、
吉田が殺鼠剤をばらまいてしまいました・・・あらららら
オイスカの東京事務所の建物の1階はこの春から保育園に改装され、0歳から5歳までの園児が通っています。
クロマツ苗を置いてある場所は園児が行き来する場所です。
園児が触ってしまったら、ましてや口に入れたら大変!と慌ててほうきで掃いて寒冷紗の中に収まる場所に入れました。
クロマツコンテナを指さし「これなぁに?」
と園児が先生にたびたび聞くとの事で、先生から「何の苗ですか?」と聞かれることが数回
ということで、急ごしらえで小さな看板を立てました

他の植物は「これはなぁに?」と聞くことはないのに、苗には興味があるのですね。
まだ生まれたての小さいものには、手を掛けてあげなければという本能が働くのでしょうか?
クロマツの成長を楽しみにしてくれる人が増えて嬉しい限りです
クロマツは、浅植えもダメ、深植えもダメ
心の中ではまったく別の、私の指導不足、責任を感じています。
概して名取市民は、植えるのが早くて上手ですが、中には・・・
今年の植樹祭開催地では「深植え」が目立ちます。
残念ながら、同じ人が同じことをずっと続けたようです。
19歳の大学生が、我々の次に気付いてくれました。
若くても感性があれば、わかる人はわかりますね。
正しい位置に植えたのに、最後に心を込めながら余計なことをしてしまう人も・・・
根元に手で「盛った」感じ。それならまだご愛敬。修正が利きますから。

しかし、完全に深植えの場合は、救出すると根元の周りに穴ができる。
根元周りに「水たまり」をつくるようなもの・・・クロマツは多湿に弱いのです。
これは修正が利きません。手間がかかります。
生き物ですから、カラダ全体で生きています。
力枝まで土で覆われてしまうと、窒息のような状態になっています。
救出したら、すでに大切な力枝がすでに枯れていました。
現に植樹祭植栽苗はそういう苗が多かった・・・
また、浅植えの場合は、根元の培養土が風でえぐり取られ、
根の上部が空気に触れ、風に晒され枯れてゆきます。

いずれも、培養土上部から3cm、植えた後は平らにと、
1枚ものの植栽マニュアルを郵便で届け、当日も説明したのですが。
「マツは投げてでも根付く」と聞いたことがありますが、
少なくとも海の話ではないです。
木を植えるのは難しいですね。指導はなお難しい。
来年は、「苗を育てている人の気持ちになって、木の気持ちになって
植えていただけるような開会式」をしなければならないと思っています。
型通りの指導ではダメですね。自分の責任です。もっと工夫しないと。
【観察日記】クロマツ発芽9日
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
6月1日に東京の本部で種まきをしたクロマツが無事に発芽しました。
とはいえ、1台のコンテナに24個の穴があり、すべての穴に種をまいたのですが、20個しか発芽しませんでした。
発芽率83%です。
名取の育苗場で、再生の会のみなさんが手掛けている今年のクロマツの発芽率は96%ですので、それには遠く及びませんが・・・
6月1日に種まきをし、発芽は13日ごろだろうと吉田からアドバイスがありました。
やりすぎに気を付けながら水やりをし、発芽を心待ちにしていました。
12日、出勤して一番にクロマツを見に行くと、なんとすでに発芽していました!!
11日に同じく発芽を心待ちにしていた職員が確認したところ、すでに発芽していたとのこと。
種まきから10日での発芽
今年の名取での種まきが4月27日、発芽確認が5月16日なので20日での発芽に比べると随分早い発芽でした。
毎日観察しているのですが、毎日見ていても飽きない魅力があります。
再生の会のみなさんが、発芽したばかりの芽を見て「めんこいなぁ」と言う気持ちがよくわかります
と思っていましたが、6月13日、初めて女王バチと思われる、
すごく大きなスズメバチを海岸林と農地が接するあたりで見ました。
(三和ゲート西側)
私たち、ハチとか、雷とか、危ない系にはアンテナ張ります。
即、「女王バチ誘引トラップ」の作製を決めました。
兵隊バチを狙うのではなく、女王バチを狙って巣をつくらせない。
本当は、4月ぐらいから始めるのがイイのですが。今ならまだ間に合うと。
ANAの廣瀬君、久保君も一緒に、名取市海岸林の南部に4か所、内陸防風林に2か所を設置。
作り方は、2リットルの空ペットボトルに日本酒360ml、酢180ml、砂糖を少々。
「ハチ誘引剤」などとネットで検索すると山ほど出てきます。流儀もいろいろ。
前に勤めていた林業会社では、扉を内側にする派と外側派の
両方の意見がありました。高級なお酒のほうがイイという人も。
(そういうことはないと思いますが)
もし見事に捕殺したら、「してやったり?」
落ちているのがいいのか?、落ちていないのがいいのか?
どうなんでしょうね。
話は少し変わりますが、17日、虫取り網を持ったおじさんを見かけました。
「生物多様性の調査員?」と思って聞いてみると、「昔からの趣味」だと。
「樹木・草340種以上、昆虫270種以上、鳥類54種・・・という数字どう思いますか?」
と聞くと、ほとんど疑惑のまなざしで、「もっといる」とぶっきらぼうな答え。
「いる」という言葉。
その方は、草木より生き物を思ったから「いる」と言ったのかもしれません。