海岸林担当の鈴木です。
海岸林の担当ですが、植樹祭に初めて参加しました。
これまで4回の植樹祭の写真を繰り返し繰り返し見てきました。
写真で見ていたので、その光景に新鮮さはなかったのですが、写真では伝わらない風の薫り、雨があがったばかりの少しもやっとした空気、やはり現場に来るのはひとあじもふたあじも違います!
何より、こちらから「おはようございます」と声を掛けると返事が返ってくる、
これが何より嬉しいです。
名取北高校の生徒さんが140人参加という話題は何度かブログにも紹介しているのですが、
どうしてもお伝えしたいことがあるので、今日のブログは名北高生の話にお付き合いください。
生徒が本当に楽しそうに植樹をしている横で、北高の教頭先生にお話を伺いました。
ある時、
「先生!どうしても言いたい事があるんです」と2人の生徒が教頭先生のところへ来たので、
少し身構えて話を聞くと
「マツを植えるだけじゃだめなんです!140人も参加しているけれど、それだけじゃだめなんです。
本当に必要なのはその後の草刈りなどの管理なんです!」
と力を込めて話しをしてくれたそうです。
生徒の行いに心を動かされ鳥肌がたちました。
そこで、教頭先生が2人にインタビューする形で、5月22日発行の「名北の風」という名取北高校だよりにA4誌面の3分の2を使い生徒の熱意を紹介しているとのこと。
5月19日の植樹祭が終わった直後の22日発行の誌面での掲載という、こちらの意向を100%汲んでくださっているようでありがたく思います。
教頭先生からお話を伺った後、2人のうちの1人に声をかけてみました。
「ボランティアに行ってきました~と教頭先生に言いに行っただけです~」
と照れくさそうに話してくれました。
ちょっとしたことでも気軽に話せるあたたかい雰囲気の学校なのだろうな
生徒のひと言の裏にある想いまでしっかり聞き出してくれる生徒を大事にする学校なんだろうなと感心しました。
救急箱や飲料水、AEDなどを設置してある救護本部の前を通った名高生、よっぽど喉が渇いていたのでしょうね。通り過ぎたものの、水飲めますか?と数歩後戻り。
一緒に歩いてきた校長先生が、「持ってあげようか?」と、生徒が手に持っていた鍬を持ち、生徒は「先生、水飲みますか?」との気遣い
本当にいい学校だなぁと
生徒と校長先生や教頭先生との気持ちのいいやり取りに、これまた感動しました。

童心に返って泥遊びを楽しんでいるようでした。みんな本当に楽しそうでした。この姿に、この班を担当した森林組合の指導員のお兄ちゃんも嬉しそうでした!

童心に返って泥遊びを楽しんでいるようでした。みんな本当に楽しそうでした。この姿に、この班を担当した森林組合の指導員のお兄ちゃんも嬉しそうでした!


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植樹祭には宮城県立仙台南高校放送部で活動する2年生の女子生徒ら3人が先生とともにはじめて参加しました。昨年夏、名取市で開かれた全国トンボ市民サミットで名取市海岸林再生の会の鈴木英二会長に会ったのをきっかけに、オイスカの活動に関心を持ったといいます。今回は植樹体験だけでなく、秋の県の新人大会に向けての番組づくりも目的。植樹祭の様子を、写真とナレーションを組み合わせた「オーディオピクチャー」という5分の作品にまとめるそうです。
会場では、お互いに写真を取り合うだけでなく、名取北高の生徒ら参加者たちにもカメラや録音機を向けて「参加したきっかけは?」「感想はどうでしたか?」などと質問をぶつけていました。追加取材もしたうえで仕上げた番組は、出来がよければ全国大会(総合文化祭)に進めます。応援しています!
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名取北高校の生徒さんに取材中

名取北高校の生徒さんに取材中


では、と、こちらも植えつけ作業の感想を取材してみました。みんな、小中学校時代に農業体験の時間があり、農家に行ってクワを使った農作業や焼畑などを経験したことがあるそうです。「でも、その時はやることが全部準備されていたから……」。農家からすれば、簡単なことをちょこっと手伝ってもらえば、という程度の「お客様あつかい」だったのでしょう。
では、きょうは? 「クワで土を掘るのが大変で難しかったよね」「そう、大きな石もけっこうあったしね」とうなずきあっています。農業体験よりも大きなインパクトが彼女たちには残ったようでした。

天気をも変えてしまう……

2018年5月20日( カテゴリー: 現場レポート )

広報室の林です。
植樹祭に参加してきました!
IMG_1300いつもボランティアに来てくださる方や初めて来たという方。たくさんの方が青空の下で楽しく活動に参加してくださいました。
 
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活動をよく知るSさんが「天気予報では、絶対雨だと思ったのに、この天気……。
天気まで変えてしまう吉田さんの執念がちょっと怖い」と笑っていました。

雨の中の作業では、こんな笑顔の写真も撮れなかったことでしょう。
晴れ男、晴れ女の皆さん、ありがとうございました。

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当日のあれこれ、また少しずつ報告していきます!

こんにちは、浅野です。
5月19日(土)、第5回植樹祭を開催しました。
前日、前々日は雨。当日の明け方に土砂降りの予報。
心配しながら寝て起きると…快晴!!とはいきませんでしたが、
雨は降っていませんでした。よかったー。
参加者はスタッフを含めて530名、そのうちの75%が名取市民(在勤・在学含む)でした。
今までの中で一番市民率が高く、地元への広がりを感じました。
雨の影響で足元が悪い個所もありましたが、皆さん頑張って植え付けをしてくれました。
地元の名取北高校の生徒さんたちの班が一番ぬかるんでいて中には裸足で植え付けをしている姿も…。

ぬかるみの中、頑張ってくれた名取北高生

ぬかるみの中、頑張ってくれた名取北高生


おかげさまで約9,000本のクロマツが無事、現場に植えられました。
参加してくれた皆さん、お疲れさまでした。そして、ありがとうございました!
ぜひ、植えた後の管理をしにボランティアの日にご参加ください!!
皆さん、ありがとうございました!

皆さん、ありがとうございました!

明日は植樹祭!

2018年5月18日( カテゴリー: 本部発 )

こんにちは、オイスカの浅野です。
いよいよ明日は第5回植樹祭の日です!
今年は申し込みが多く、お断りさせていただいた方もたくさんいました。
せっかくお申込みいただいたのにすみません…。
昨日今日の名取は雨。明日の明け方まで降るみたいです。
植樹祭時は晴れの予報ですが、足元が悪いことが予想されるので
長靴か汚れてもいい靴をおすすめします!
明日、参加される皆さんは今一度お送りした「植え付け方式」を確認し、
しっかりと指導員の指示に従って植え付けをしてください。
クロマツがしっかりと根付くように丁寧に植付けをお願いします!!

5/17の名取の夕暮れ

5/17の名取の夕暮れ

一気に伸び始めました

2018年5月17日( カテゴリー: 現場レポート )

1年ぶりに来た森林組合の作業班の大ベテランに「よく育ってるね」と言われました。
「楽しみにしてきた」と。この一言は私にとっては本当に嬉しい一言です。
目の肥えたプロが言うのですから。5年連続植え付けに加わっている方です。
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冬の間、白く小さかった頂芽が、連休明けには、長い穂になって一気に伸びてきます。
造園では「みどり」というそうですが、我々は見たまま「穂」などと呼んでいます。
今週末、東京本部海岸林チームに見せるのが楽しみです。
2016年の今頃は、初植栽後2年が経ったマツの穂が数10㎝も
伸びたのを見て、本当に感動したものです。
その後、防風垣の高さを大きく超えた2017年などは
「台風で折れるんじゃないか」とか、
正月には「門松泥棒に伐られるんじゃないか」などと心配しました。
おかげさまで、春の突風にも耐え、みな無事です。
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19日に植樹祭に裏方含め530人が来てくれます。
最寄りの2015年植栽地を、皆さんに見ていただけると思います。
3月のボランティアで「根踏み」「溝切り」をした結果、バッチリです。

5月上旬のいきもの

2018年5月16日( カテゴリー: いきもの, 現場レポート )

「この時期ってトビは巣作りなんですかねえ~」
森林組合の中堅に聞くと「そう」だと。そうなのかな~~??
「(頭上の)あそこ、巣あるんですよ。盛土作ってた工事の人、アタマ削られたんですよ」
そういうネタはこの業界は事欠かない。
協定区域の別の場所で新しい巣が出来た。親鳥が居たのでわかった。
巣が小さいうちは見えなかったが。いつも親がいるので、気にしていた。
日没前帰り際、動くものが・・・ カラスだ。
まだトビは卵を産んでいないのか、それとも食べられしまったのか。
僕の見立ては、まだ巣を作っただけに見えた。

旅鳥チュウシャクシギ 今日は数えられないぐらい見ました

旅鳥チュウシャクシギ
今日は数えられないぐらい見ました


「巡視」「現場管理」「調査」と言って、本部女子や再生の会、森林組合を仕事させて、
鳥ばかり見てる?と言われてもおかしくないぐらい、どうしても生き物に目が行く。
小さくても動くものは目に入るんだから、仕方ない。
ゲートに来た途端、「生き物の気配」を本部女子に速報。
勢力を拡大したいのか、ミツバチに自己を主張する何種類もの「黄色」の花。
今まであまり見てない、少々縦に伸びる小さな紫の花のつる植物。
仕掛けた「ハチ誘引液」はスズメバチの落下はなかった。(それはそれで良いこと)
まだスズメバチの女王バチの捕獲ナシ

まだスズメバチの女王バチの捕獲ナシ


思うに、基本に忠実に海岸防災林を整備すると、クロマツ純林を目標にしていても、
細部を見れば多様な生き物が見られる。
余計なことまでする「潔癖造林」とは対照的な、「野趣」溢れる姿があります。
名取ではそういう意味で秋から冬も見どころ。一人で胸を張りたくなる。
林業は彫刻のようなもの。
荒削りすべき時から丁寧にやりすぎて、最後は結局お粗末という仕事をしたくない。
単純な「人工盛土工法批判」もたくさん聞きましたが、簡単に組したくない。
人間の努力と自然の回復力・治癒力で、将来どういう姿になりますかね。
この草を売っている店もあるとか・・・現場では巨大になるので困りますが

この草を売っている店もあるとか・・・
現場では巨大になるので困りますが

溝切りその後のその後

2018年5月15日( カテゴリー: 現場レポート )

4月16日の植付が始まって以来、断続的に81㎜の降雨がありました。
よく降ったというほどではないのですが。普通です。
3月・4月のボランティア総勢200人以上で「溝切り」(排水路づくり)
をした場所、巡視の度に必ず見ています。気になって仕方がないので。
でも、そのたびに「感激」というか、ほとんど「快感」。
よく水が流れた。その跡がくっきり。うっとりします。
出来は上々!200人の皆さんの奮闘にただお礼を言いたいです。

2015年植栽地南西端。0.7HAに無数の溝を設けました。一番作業が厳しいタイプの土壌。まだ完成ではありません。今春ようやくしっかりした穂をつけ、改善の兆しを感じました

2015年植栽地南西端。0.7HAに無数の溝を設けました
一番作業が厳しいタイプの土壌。まだ完成ではありません
今春ようやくしっかりした穂をつけ、改善の兆しを感じました


今日もUAゼンセン参加者でクラレ労組岡山支部の方に言われました。
「今までで一番きつかったけど、また必ず行きます」と。
これからまだまだ、徐々に、より良い仕上がりにしなくては。
高低差があまい箇所があるので。
今後はどういう手順で、どこをどう取り掛かるかどうか、どう溝を切るか、
行政のプロや、森林組合の現場代理人、松島森林総合と一緒に思案中です。
1年前と比べて土壌の緊密度が増しているように見える場所もあり、
毎年微妙に違うようにも見えます。
2016年植栽地。今まで5年で一番長い40Mの手作り排水路。これを何本でも作るつもりです

2016年植栽地。今まで5年で一番長い40Mの手作り排水路。これを何本でも作るつもりです


溝切りは同じ場所を何年もやるわけではないです。
ある程度マツが育てば「卒業」出来ます。そこまでは辛抱。
2014・2015年植栽地は、ほぼすべて卒業です。
今後のターゲットは主に2018年と2016年植栽地。
ツルマメ抜き取り、下草刈りに全神経を注いだ去年と違い、
今年は溝切りにも力を注ぎます。
昨日のブログで触れた「穂」の伸びが悪い場所を見ると、
いまに見ていろ、必ず何とかすると思ってしまいます。
ボランティアの方に奮闘をお願いすることになります。
6月は満席になってしまいましたが、7月以降はまだ大丈夫です。
ぜひご協力ください。

道で卵を産むなって!

2018年5月14日( カテゴリー: いきもの, 現場レポート )

巡視で現場を一周。当プロジェクト内約100haには全長約12㎞の
作業道があります。昨日の運転距離は38㎞。

連休が明けると鳥の産卵の季節到来です。
私にとってはスピードを落として運転する時期です。
理由は、砂利の作業道で卵を産む「コチドリ」夫婦がいてもおかしくないから。
ヒバリ・キジ・カモは草むらの中に産むはずですが。

ダメだって言ったじゃん・・・
DSCN5713
そういう夫婦必ずいると思ってました。道のド真ん中に。
コチドリは名取海岸林の北半分で見ることが多く、とくに注意していました。
卵を温めているので、車でギリギリまで接近しても逃げない。
真横に止めてやっと逃げたが、10m先で振り返ってコチラを見ている。
DSCN5705
現場にはキツネもタヌキも野良猫もいます。猛禽類・カラスはもちろん。
それでも毎年、親が子を守るために「擬態」をする様子を見ます。
舞台はいつも作業道で。

イイか悪いかわかりませんが、せめて森林組合とオイスカで踏まないように
ちょっとした目印を付けました。今回の場所はしばらくあまり車が通りません。
まずは無事ヒヨコになれますように。

目印

目印


離れたら数秒で戻って抱卵します

離れたら数秒で戻って抱卵します


コチドリのヒヨコは、これがまたホントにかわいいんです。

2014年に植栽が始まって以来、協定区域最内陸部全長約1㎞に限り、
クロマツと「混植」せず、1.8m間隔で2列、10種類の広葉樹苗を植え、
補植も2度繰り返し、2016年10月現在で671本を植栽完了しました。
幅約200mの海岸林の最内陸部は「生物多様性配慮ゾーン」と指定され、
津波前のもとの地盤が維持され、そこは協定区域外。植付は行いません。
しかし、津波で裸地化したその場所は、樹木が自然に生育するには厳しい場所
であり、そこに種子が拡散するための母樹となり、防災林としての幅を拡幅
されることを期待しています。また、クロマツ林最内陸部も拡散された埋土種子が
本数調整伐後に発芽し、最高木がクロマツ、その下が広葉樹という複層林となる
ことを期待し、より強固な防災林となるようデザインしました。
5月10日、毎年この時期恒例の「開葉確認」調査を行い、
最終補植から2年後の生育率95%という結果でした。
国有林(山砂)10種 植付470本中 442本生育
市有林(粘土) 6種 植付201本中 196本生育
合計 植付671本中 638本生育

市有林部分。クロマツ同様、植栽後2年は「我慢」の時期でしたが

市有林部分。クロマツ同様、植栽後2年は「我慢」の時期でしたが


国有林部分。防風柵の右側が「生物多様性配慮ゾーン」

国有林部分。防風柵の右側が「生物多様性配慮ゾーン」


2度の補植を含め植付は、過去合計3回。
最初は5月に植えましたが結果は散々。3ヵ月後の生育率25%。
2度の補植は秋に切り替え、諸々工夫し、成績が上がりました。
植付樹種
サクラ類(ヤマ・ウワミズ・オオシマ)230、コナラ202、ケヤキ168、
クリ6、以下は皇居産エノキ50、タブノキ6、スダジイ6、アカガシ3
*皇居産の4種のうちエノキは100%生育。ほか3種は生育20%。
今月末からは、除草と合わせ「施肥」を行います。
1本1本、どこに施肥するかは、木を見て判断しなければなりません。
昨年は80g/本でしたが、今年はその量を増やすと思います。
とくに山砂の国有林部分は成長が悪く、辛うじて生きているというものが
少なくありません。5月31日から、肥料メーカーでもある住友化学&労組が
ボランティアで来てくれるので、彼らに仕事をお願いしようと思っています。
タブノキ。辛うじて新芽だけはあるが今年生きられるか・・・50㎝の穴を掘り、液肥と給水ポリマーを混ぜた良い土をたっぷり入れて最適期に植えたが

タブノキ。辛うじて新芽だけはあるが今年生きられるか・・・50㎝の穴を掘り、液肥と給水ポリマーを混ぜた良い土をたっぷり入れて最適期に植えたが

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