広報室の林です。
今日はプロジェクトのまじめな報告ではありません。
お休みの日バージョンの話題にお付き合いください。
植樹祭後、関係者が高所作業車に乗り、20mの高さから植栽地を見学しました。
その順番待ちをしている時のこと。
三世代で参加していたSさんファミリーを見て「名取市海岸林再生の会」の
女性メンバーが「お孫ちゃん、かわいいね~」などと盛り上がっていました。
しかし、一緒にいた松男君ファミリーのことをご存じない様子の
女性メンバー Kさん、Sさんに「あのご夫婦は、プロジェクトのボランティアで出会って
それがご縁で結婚されたんですよ~」と説明すると
いきなりKさんにバシッと腕を叩かれ
「あれ~、久美ちゃん、なんで毎月ボランティアに来てんのに、
誰とも出会わねぇかなぁ~」と。
横にいたSさんも「んだ、んだ」。
「よ~し、わかった。男の人が寄ってくるように、酒と砂糖と混ぜたもん
ここに私が塗っといてやっから」と、今度はうれしそうに腕をなでるKさん。
う~ん、それってハチが寄ってくるだけかも……。
こんなふうに「再生の会」のメンバーの皆さんは、東京から行った私たちを
しずる(からかう)のが楽しいようです。
今回はとんだヤブヘビでしたが、元気なメンバーの皆さんに
しずられながら、わいわいお話するのは私にとっても大きな楽しみなのです。
6月10日に全国植樹祭が福島県南相馬市の海岸林で開催されます。
その際、名取海岸林にも50本植えた皇居産の広葉樹「エノキ」も植えられます。
https://www.sankei.com/life/news/180509/lif1805090032-n1.html(産経ニュース)
5月10日の開葉確認調査の際は、まだ完全に開葉には至っていなかったので、
再生の会の大友淑子さんとエノキの毎木調査に行きました。
http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/?p=20876(5月10日開葉確認調査)
1本も枯れていない。葉の数もたくさん。樹勢はどう見ても旺盛。
今のところ順調。ホッとしました。
過酷な沿岸部ゆえ、2016年10月の植栽まで2年半の育苗期間を要しましたが、
波打ち際から400m以上離れているし、防風柵の際に植えて風からキッチリ
守っているし、将来にわたって日当たりが望める林縁部ですし、万全の立地。
虫も鳥も好む木です。生物多様性配慮ゾーン沿いでもあります。
今年も来週には施肥をしますので、植えてから2年目となるこの夏は、
ようやく環境にも慣れて、相当伸びることでしょう。
【観察日記】えっ??まさか??
海岸林担当の鈴木です。
しばらく観察日記をサボっていましたが、サボっている間に大変な事態が発生しました(-_-;)
3月下旬から穂(正式には頂芽というようですが)を伸ばし始めました。
1週間たつとまたぐーんと大きくなりました
大きく成長したことに満足して、何枚か写真を撮影。あれっ?こんなところに幼虫がいる・・・何の幼虫かわからないけれど、松葉なんて固くておいしくないだろうに~ と何も考えずに翌日また観察してみました。
が、
事は大事でした(・_・;)
あっちにもこっちにも10匹は確認しました。慌てて写真をとり、名取に出張している吉田に送ったところ、すぐに草花用の殺虫剤駆除するようにとの指示・・・殺虫剤???この辺りで売っているお店は思いつかない
仕方がないので1匹ずつ取ることにしました。
割り箸で取り始めると、いるわいるわ
取った幼虫をまとめて写真に撮ろうと思ったのですが、30匹くらいとったところで幼虫が逃げ始めたので、仕方がないので1匹ずつ殺してしまうことにしました。
一緒に駆除を手伝ってくれた職員のS君、
「絶対殺せないですよ~ ボク嫌ですよ」
というので、私が割り箸で取ったはしからつぶしていきました。
途中までは何匹か数えたのですが、あまりの多さに諦めました。
30までは数え、その後30匹は駆除したので、60匹はいたでしょう
この幼虫に食べられた葉はかわいそうな姿に・・・

葉の中央部分が茶色に変色しているところも食べられた後
名取にいる吉田から連絡がきました。
吉田が調べたところ、この幼虫はマツノミドリハバチ とのこと
「5~8月には旧年葉を食害し、8~11月には当年葉を食害・・・葉を失ったマツは冬季に枯死する・・・」
えっ??? まだ被害が小さいうちに気づいてよかった。最悪、枯れてしまうところでした。

休日に近所の西友の園芸品売り場で殺虫剤を購入
何種類かあり、成分を見てみてもよくわからず、似た様な感じだったので、
「住友化学」という会社名で選びました。物を選ぶ基準が、支援企業であるかどうかになってます(^^;)
殺虫剤をまき、翌日以降、幼虫は発生していません。
さすが住友化学!効果抜群!!
幼虫に食べられてしまった葉の影響がないことを祈るばかりです
スズメバチはやはり脅威です。
私たちはボランティアも、林業のプロも守らねばなりません。
盛土工事の人も大勢来ますし。
去年6月、初めてスズメバチを見ました。
すなわち、捕食する生き物がたくさんいるという事。
すでにブログで紹介した通り、今年も抜本的対策を打ちました。
要するに巣をつくらせない。根本を断つのが狙い。
日本酒と砂糖と酢を混ぜた「ハチ誘引液」を連休前に仕掛けました。
1ヵ所設置=半径1㎞以上に効果あり。全長5㎞の名取海岸林に8ヵ所。
先週、あっさり女王バチを仕留めました。設置以来2週間で4匹。
6月第1週までに液体を継ぎ足しておきます。
皆さんに安心して来てもらうために。
ちなみに、震災以来まだヘビは一度も見ていません。
名取市海岸林全長5㎞は再びクロマツでつながりました
名取を含む宮城南部の海岸林全長約50㎞は、その大半が震災前から保安林に
指定されており、必ず復旧させねばならないという位置づけです。
そして、被害の大きさから国有林だけではなく県有林・市有林・共有林も含めて
林野庁が復旧に乗り出す「民有地直轄治山事業」、その名取工区の約97%は植栽完了し、
名取市海岸林全長5㎞は再びクロマツでつながりました。
その接続は、5月19日の植樹祭。地元市民の手で。
これまでの累計実績は
協定面積:96.62ha、植付面積:66.71ha、植付本数:348,522本
雇用:6,087人、ボランティア:7,214人、報告会聴講:30,687人・191回
植栽作業はまだ若干続きがあります。残るは、空港横の残存林内の林間植栽約2haと、
旧宅地・乗馬クラブ等約6haに対する県が盛土する追加事業で、その工事の関係から
完全な植栽完了は2020年度となる見込みです。協定面積も加算され100haを超えます。
つながったと言っても、何かが終わったわけではなく、むしろ始まりとしか思えず、
我々にこれといった高揚感はないのですが、他市町に先駆けて元の海岸林のほぼすべてを
植え尽くしたわけですので、林野庁本庁など各方面にも節目の報告させていただきました。
ちなみに、宮城県の海岸林再生計画は約750ha。そのうち約20%の134haは当プロジェクトを
含む31団体が担っています。仙台市など他市町での公共工事での植付も今年と来年がピーク。
2020年度には「民有地直轄治山事業」全長50㎞全体も完了する見通しです。
また、名取市では、国・県を交えて植栽完了後に関する2回目の協議をしたところです。
その協議は今後他市町で起こりえる各種課題が話題になっており、当プロジェクトでは
あらゆる意味において切り込み役を果たせるよう努力いたします。
5月31日、住友化学・労組のボランティアを皮切りに、プロと並行して
今期の保育作業が本格的に始まります。無事故で目標の作業を貫徹できるよう、
現場一同、心して頑張ります。
植樹祭に参加できなかった人のこと
植樹祭の進行の中ではお伝えしなかったのですが、100人以上お断りして
実施することになりました。140人が自主参加した名取北高校は、
「参加できなかった一般市民がいることを忘れないで作業するように」という
指導があったと小耳に挟んでいます。私も同じ気持ちでした。
5月19日植樹祭の日の午後、定員オーバー、申込締切で参加できなかった、
IBEXと、西友仙台地区の社員さん合計42名が「溝切り」を。
まさか午後来ている人がいるとは誰も思っていないでしょう。
仙台空港を拠点とする航空会社IBEXさんは、毎月欠かさず、
ボランティアに来てくれます。なのに、植樹祭はつい忘れていたようで。
「植えなくてもいいから、できれば何か手伝いたい」と両社から提案いただき、
私自身も午後の2時間ぐらいなら、もうひと踏ん張りできると即断。
さすがに士気高く、見事な「溝切り」作業をしてくださりました。
土木作業員レベルの完成度の人も。
「溝切り」
昨日の国・県・市・再生の会との定期協議、森林組合との会話の中でも、
名取で生まれたこの造語、この作業が日常化しつつあります。
その効果は明白と会議でも話題になりました。
厳しい仕事ですが、思った以上に楽しく出来ています。
年間2,100人のボランティアの多くは、植樹祭に参加したことがない、
名取でクロマツを植えたことがない県内外の方です。
今年はボランティア希望者・支援者の輪が、さらに広がる兆しも手応えもあります。
ツルマメとの格闘だけでなく、溝切りyearとなりますが、それに伴って
ボランティアの「戦力」としての力量も、もっと評価されることになるでしょう。


3世代で植樹祭に参加!
広報室の林です。
昨日はステキなご夫婦&お子さんを紹介しましたが、
こちらもステキなご家族、しかも3世代。
緑のビブスを着たお父さん、お母さんは「名取市海岸林再生の会」のメンバーとしてクロマツの育苗に携わっています。
息子さんはプロジェクトの支援をしてくださっているANAの社員。震災の年に入社した彼は、新入社員ながら会社と社員ボランティアグループとをつなぐ大事な役割を果たしてくれました。今もANAグループ社員のボランティア活動では、リーダー役として活躍してくれます。
今、このSファミリーが立っているほんの少し内陸側に彼らの自宅がありましたが、津波で流されてしまいました。今はここから少し離れたところに家を建てて、かつてこの地で取り組んでいた農業を再開しています。
息子さんが子どもさんを連れて現場に来たのは今回が初めて。
普段のボランティアはこの年齢のお子さんにはハードすぎますが、
植樹祭は楽しく参加してもらえたようです。
もう少し大きくなったらボランティアにも参加してくださいね!
松男君、海岸林デビュー!
広報室の林です。
植樹祭にこんな小さなお子さんを連れたご夫婦が参加してくれました!子どもの名前はなんと、「松男」君!!
…といっても、私が心の中で勝手に呼んでいるだけなのですが。
なぜならこのご夫婦、「海岸林再生プロジェクト」がご縁で結婚されたお二人だからです。結婚式には吉田と一緒に呼んでいただきました。お二人は律儀にプロジェクトへの寄附も欠かさず続けてくださっています。
こんなご夫婦ですから、子どもの名前は「松男」と私は勝手に決めていましたが、実際の名前は「ま」だけ合っている全然違う名前でした……残念。
まだこんな小さいのに、お天気もどうなるか分からなかったのに、関東から車でやってきてくれ、松男君は海岸林デビューを果たしました!
10年、20年が過ぎてプロジェクトのマツが大きく育つ頃、松男君がご両親の出会いのきっかけとなったこのプロジェクトの海岸林に親しみを感じてくれていたらいいなぁ。そして松子ちゃんの誕生も楽しみにしています!!
出た出た芽が!育苗場より
海岸林担当の鈴木です。
このところ【観察日記】をサボっているのですが、観察は続けていて写真は撮りためています。
近々まとめて報告します。
植樹祭の日に育苗場を見てきました。
ちょうど1年経った苗が力強く天に向かって、お隣さんと争うように上へ上へと穂(頂芽)を伸ばしています。
春は植物の生命力を感じる時期ですね。
しばらくすると穂から新しい葉が出てきます。
東京で育てている苗より緑が濃いような・・・活力があるような・・・再生の会のみなさんの愛情をたっぷりうけているからかな??
4月26日に種まきをしたクロマツ、めんこい姿になっていました。
おそらく4~5日前に発芽したのだろうと思います。
まだ弱々しいけれど、帽子をつけたまままっすぐ天に向かって伸びて伸びています。
発芽して7日ごろの折り紙で作る七夕飾りの提灯のような姿がいちばんかわいいなぁと個人的に思っています。
もう今頃はぼんぼりの姿から帽子が取れて葉が広がっているのだろうと思います。

名取事務所の菅野さんが
「頭がちょんぎれている苗があんだ~」と
え~とどこにあったかな?あったあったここ!
見ると無残な姿に

2週間ちょっと土の中でもぞもぞして、皮をやぶってやっと出てきたのに、皮の少し下でかみ切られ、その下の柔らかい葉だけを食べられてしまいました。
100本に1本くらいの割合で被害にあっています。
「せっかく芽が出てきたのになぁ。かわいそうだよなぁ
これに泣いている顔を書いてブログに載せといて!」
と、菅野さんの発想が微笑ましくもありました。
(どこかパイナップルみたいに見えますね)

ico.さんチャリティアート展
海岸林担当の鈴木です。
植樹祭が終わり、名取事務所で片付けを少しだけ手伝い、帰路につくには少し時間に余裕があったので
ico.さんのチャリティーアート展に行ってきました。
これまで何度かご案内をいただいていたのですが、なかなか行く機会に恵まれずにいました。
プロジェクトでico.さんに描いていただいた絵はもう何点になっただろう??
ico.さんが描き出す柔らかい雰囲気が好きなので、ワクワクしながら会場へ向かいました。
会場に入ると、なんとico.さんがいらっしゃるではないですか!
植樹祭に参加した後に来られたそうで、一緒に参加したご友人2人もいらっしゃいました。
今回のアート展でコラボしたというお花の先生もいらっしゃり、とてもいいタイミングだったようです。
今回は「花と絵とことば展」とのことでしたので、どんな絵が展示されているのかと楽しみにしていたところ、ico.さんにお話を伺うと、お花の先生とライターさんとのコラボした企画展とのこと。
お二人ともプロジェクトの趣旨に賛同してくださり実現した今回のアート展だったようです。
見えないところで一生懸命に賛同者を増やしてくださっていて本当にありがたいなぁ・・・きっと全国にはico.さんのように賛同者を増やしてくださっているたくさんの方がいてプロジェクトが成り立っているんだなぁと本当にありがたい気持ちになりました。
チャリティーアート展であたたかい気持ちになり、仙台駅にもどり、子どもと約束していたお土産を買い新幹線に乗り込みました。
お昼を食べ損ねていたので、お弁当を食べ、やっとお腹が落ち着き車窓を眺めると、西に傾いた夕陽を受けたきれいな光景がひろがっていました。延々と続くその光景、新緑の緑の山々、田植えを終えたばかりのきらきら輝く田んぼ、少しピンク色に染まった雲・・・ずっとこの景色を眺めていました。


いつもの変わらない景色なのかもしれませんが、この日はあたたかい気持ちになった後で清らかな心になっていたおかげできれいに見えたのかな?
人をあたたかい気持ちにさせてくれる仕事っていいですね!
チャリティーアート展は28日までですので、足を運んでみてくださいね