ここまでのコロナ禍の影響
吉田です。今週は在宅勤務で、あっという間に毎日が過ぎてゆきます。
タイトルに対する結論として、今年必ずやると計画したことはやり終え、今年も結果を出せたと考えています。東京本部が動けなくても、名取事務所の佐々木統括を筆頭に、盤石の体制で雇用を維持し、名取市海岸林再生の会、宮城中央森林組合、松島森林総合の実行力が炸裂したと思います。そして、追加工事分を含め、海岸林再生プロジェクトとしての植栽は完全に終了し、確実な育林作業を継続しています。
残念だったのは、ボランティアの受け入れが例年比の15%程しか出来なかったこと。再開した後、今まで1度に100人以上受け入れるなどしていましたが、定員50人に減らしました。雨にも祟られ、初の雨天中止もありました。残念そうに帰っていく女子高校生のことが、忘れられません。
今年は明らかに少雨でした。上半期のボランティアが中止となっても、その少雨のせいか、ツルマメの生長が異常に遅く助けられました。最高レベルのツルマメ繁茂500m×10mの集中地帯を引き抜きに行ったのは、ボランティアを再開していた10月上旬でした。まだ来年、予断を許しませんが、これまでのボランティアの努力でツルマメを駆逐しつつあるのかもしれません。
もし、コロナがなければ、排水溝LLサイズ(上100㎝×下50㎝×深70㎝)を最低でも1,500mは掘っていたことでしょう。11月のボランティアで50m、香川県立高松北高校の生徒さんで250mは掘りましたが。こればかりはやり残した感があります。でも、また来年やればいい。
これまで10年で270回、約35,000人に聞いていただいた活動報告会のチャンスも相当失いました。ですが、マルエツ労組60名や、オイスカ高校50名をはじめ、林野庁主催の第58回治山シンポジウムで話題提供の機会ををいただき、700名の専門家に情報をお届けできたのは光栄でした。
そもそも10年前、このプロジェクトを立ち上げた直後、様々な方にアドバイスを求めて歩きました。その中で、今もオイスカ本部でボランティアをして下さっている河野さん(元国際協力銀行理事)から、「吉田さんにとって、このプロジェクトの危機って何ですか?」と聞かれました。「考えられる危機を念頭に置いて、仕事を進めてゆくのがよい」と助言いただきました。その時考えた4パターンを常に忘れず、危険の芽は未然に防ぐのが私の仕事でもあったと思います。4パターンとは、①吉田の不祥事・不測の事態、求心力喪失など吉田ネタ、②チームの空中分解・仲違い、③オイスカそのものの危機、④火山噴火やまた津波が来るなどの天変地異。かなり、重要なアドバイスですから、かなり真剣に受け止めました。
その一環で、私がいなくなることもあり得るということを前提に防御網を敷きました。つまりは人材育成です。私の後釜という「点」だけでなく、取り巻く外部の皆さんを「面」的に考えて実行してきました。気が付いたら、多士済々、想像以上の大きなチームになっていました。
さすがに、ウイルスなどイメージできませんでしたが、当初から危機管理を「面的」にも考えたのは良かったと思っています。つまり、私がいなくても仕事は進むということです。また、とくに支援者など、関わる皆様にとって「オーナーシップ」を感じられること、つまり「自分事」と考えてもらえるよう工夫し、一同で努力しました。
今年はさすがに、収入も落ち込み、補正予算を組まねばならないか・・・とこの前まで思っていました。ですが、その必要はないかもしれません。総じて言うと、今のところ、影響を最低限に食い止めることが出来ていると思います。多くの皆様にあらためて御礼を申し上げます。引き続き、抜かりなく頑張ります。
第2次10ヵ年計画では「本数調整伐」という未知の難関が待っています。ですから、第1次の達成感や感慨は一切ありません。