【インターン】広葉樹は今いかに‥?

こんにちは、インターンの柚原です。
10月24、25日は広葉樹毎木調査と松枯れ調査を行いました。

吉田さんより、海岸林中のマツクイムシ病の実態やキノコや動物の話をして頂いておりますので、私からは広葉樹毎木調査に焦点を当ててお伝えします!

私たちの現場で海岸林といえばもちろんクロマツですが、実は広葉樹を植林した場所が2ヶ所あるのはご存知でしょうか。
今回は5年ぶりにその広葉樹植林地において毎木調査を行いました!

広葉樹が植えられた列(手前の赤テープの木は生き残りのコナラ)

一ヶ所目はこちらです。クロマツ林の外側に2列植えられた場所です。
一見見た感じ、ポツポツとある感じでしょうか‥早速調べてみると、ほとんどが枯死しているか弱々しい状況でした。全体の生存率は24%でした。

そして生き残り樹種は、圧倒的に“コナラ”。

実はこの場所には、コナラ、サクラ、ケヤキ、エノキ、クリなど9種の広葉樹が植林されたようですが、樹種によってかなり生存に差が出ていました。(例えば、コナラは59%、サクラ10%、ケヤキ4%)

生存率の高いコナラですが、葉や枝が奇形している帯化した個体や病気と思われる斑点が葉にある個体、塩害の症状と思われる先端部からの枯れが見られる個体も複数あり、なかなかに厳しい状況であると感じました。

この場所は現場の中では内陸側ですが、やはり塩の影響は広葉樹にとって大きいのか。そして、盛土の質(粘土質、砂質)も影響しているのでしょう。
また、自生している植物(自然に生えてきた萩やタブノキ)も印象的でした。明らかに植林した木よりも生育も状態も良かったです。

隣のクロマツを見ると、当然ではありますが広葉樹と比較してかなり成長が良いと感じました。クロマツの“強さ”が伺えます。
広葉樹の厳しさ、海岸林としてクロマツがいかにして選ばれたのかを考えさせられるのです‥
当たり前ですが、こんなにも植物に差があるとは。適材適所と言いますが、本当にそれを体感しました。

2ヶ所目の広葉樹植林地は、広葉樹の外側に一列クロマツが植えられてしまった場所で、かなり周囲が繁った場所でしたが、1ヶ所目よりも生存率は体感かなり高かったです。
コナラに加えて、クリやサクラもかなり生き残っており、樹高は高いもので4〜5mのものもありました。
ここは植林地の中でも末端域であり、将来混合林として、広葉樹が自生するのを期待して母樹として植林したそうです。

これからどうなっていくのか、興味深いです。
広葉樹は海岸林の現場では影の薄い存在かもしれませんが、この観察は様々な考察に繋がっていくと思います。引き続き見守っていきたいと思います。

2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
月別アーカイブ

ページトップへ