こんにちは、インターンの柚原です。
今回は10月5日に開催された「育林交流集会」についてお伝えします。

概要や重要な情報は既に吉田さん寺田さんが報告して下さっているので、私からは少し焦点をずらした個人的な感想をお伝えします。

はじめに、集会のオープニングを務めた宮城県農業高校・科学部の方達は本当に圧巻でした。
研究内容はもちろんですが、プレゼンテーションが非常に印象的でした。

おそらくこれまで何度も発表する機会があったとは思われますが、スライドの作り、喋り方、聞き手へのアプローチ、至る所に工夫がなされていました。

そしてまた、個人的に気になったのは、有機酸による植物耐塩性と乾燥耐性の向上。
実は、ウズベキスタン砂漠化防止プロジェクトの冨樫先生からも伺ったことがありました。
プロジェクトに限らずとも、カラカルパクスタンで活動する中で切っても切り離せない現地の課題が、深刻な塩害です。

ということで、有機酸の持つ力に着目して、少々調べました。

酢酸を植物に付与すると、傷害応答に関わる植物ホルモンの一種であるジャスモン酸が合成され、ストレス耐性に関与する下流遺伝子ネットワークが活性化されることで、乾燥耐性が上昇するとのことです(https://www.jst.go.jp/seika/bt2019-08.html)。
さらに、酢酸やクエン酸などの有機酸は土壌中の栄養分を可溶化させたり、植物の根を強化したり‥と実は色々な側面からの力を持っているようです。

今後何かに繋がりそうな重要な情報を知ることが出来、非常にワクワクしました。

そして、集会のプレゼンターである、小西美術工藝社の福田氏、日本建築家協会の齋藤氏、オイスカの吉田部長による講演とパネルディスカッション。
3人とも一見別分野であり、話の内容も焦点もかなり異なっていました。
そんな中で繋がっていたのが、地域、現場の人とのつながりを重視する姿勢です。

小西美術工藝社の福田さんは、漆の原木のある岩手県二戸市を生産の拠点として活動を行なってきました。その話の中で、地域の方との関わり方が印象的でした。
福田さんは地域の方との関係性作りを大切にされていて、仲を深める機会を作ったり、挨拶を意識して社内の人に指導されたりしているとのことでした。

オイスカの吉田さんは、海岸林プロジェクトを宮城県名取市で始めました。
いつも私が感じていることですが、なんと言っても吉田さんや浅野さんは名取の方やボランティアリピーター達と圧倒的に仲が良いのです。
それは、プロジェクトを共に進める仲間であり、お互いの力を尊重して高めあう関係であり、たわいなく笑い合える友達であり‥
そういった姿を見ていると、吉田さんや浅野さん達がどのようにプロジェクトを進めていたのか、そしてプロジェクトの人としての魅力がよく分かります。

何十年と続く森作りの基盤には人がいて、実はそこをどれだけ深め、繋げて強くしていくかが必然的に重要となるのです。そこに住んでいるわけでも、直接的な関係性があるわけでもなかった、厳しく言えば他所者という立場から現場で動き出し継続するには‥

これは、私も留学を通してとても考えさせられたテーマの1つでした。
そのことを改めて今回考えることができました。

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