吉田です。浅野さんとともに長野県支部を担当することになり、10月15・16日に松本・上田・佐久にお住いの役員さんを訪ねてきました。道中、松くい虫病激甚被害地を通りました。その恐ろしさを知ってもらうために写真報告します。

 まずは松本市から。「日本の森林の1割は松林」と言われています。松くい虫防除はコストが高く、すべての松林を病害から守るのは不可能です。目下、県・市町村が重点地域(高度公益機能森林・地区保全森林)を指定し、「選択と集中」戦略で対策にあたっています。ですが、薬剤散布に反対する住民の存在がある地域では、行政は難しい立場に立たされています。また、その行政担当者の専門性も大きな課題の一つとよく聞きます。

 そういうことも絡んでなのか、以下は想像に過ぎませんが、70年か80年前?に造林されただろうこのアカマツ林は、重点地域の指定外とし、敢えて防除(薬剤空中散布)せず、自然枯死を待って「樹種転換」を図ろうとしているのか・・・。

 人家に近いところは伐採されていました(2月に通った時はまだ立ち木のままでしたが)。浅野さんが言いました。「またマツが生えてしまってますね・・・」。まず遠目が効く。そのうえ、目の付け所が流石です。樹種転換ではない・・・またいつかやられてしまうかもしれません。でも、枯れ松で放置する間に林床に光が差し、天然下種更新が進み、植えるよりもコスト安で、危険な裸地状態から早く回復し、土砂流出防備機能を果たします。行政が考えに考えた「苦肉の策」と思いました。(松しか生えない、栄養分が少ない岩山なのかもしれません)

 あわせて次は、JR篠ノ井線「聖高原」駅周辺の写真。電車の種中から延々・・・この周辺では、こういう山は一つ二つじゃありませんでした。

 名取では葛刈りが終わりましたが、東京で電車通勤するときは、「松保護士の手引き」という分厚い本をもう一度読んでいます。ほぼ松くい虫病に関する本です。ですから、松くい虫病のことが一日たりとも頭から離れません。10月23日(木)~25日(土)、生長モニタリング調査とその準備、広葉樹毎木調査と合わせ、マツクイの被害調査もします。

 今後も時々、この15年訪ねてきた全国の被害地や対策を紹介しながら、過去教わったことを自分なりに振り返るきっかけにするつもりです。

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