太田猛彦先生が「みどりの文化賞」を受賞されます

2025年4月11日( カテゴリー: 本部発 )

 吉田です。太田猛彦先生(オイスカ顧問・東京大学名誉教授)が、国土緑化推進機構の「みどりの文化賞」を受賞すると聞き、また、この受賞の紹介文が素晴らしいと思って、お祝いの電話をさせていただきました。

「今年は(5年ぶりに)名取に行ってみたい。ボランティアの作業を見てみたい。(同い年の)大槻さんにも会いたいし、ボランティアの皆さんと食事したい」と言っておられました。実現するようお膳立てします!ぜひ、奥様といらしてください。

 先生と初めてお話しさせていただいたのは、震災直後の2011年5月、宮城県庁で開催された林野庁「東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会」(第1回)を傍聴させていただいたときでした。まさに情報戦幕開けの頃でした。私は最新の情報・資料が得られる本当に重要な会合と考え、緊張しながら事務局の方たちが受付を準備する頃に会場入りし、即資料をいただいて会議前に一気に目を通しました。「傍聴は最大80名まで」と記憶していますが、満席でした。白熱した議論の中心は、座長の太田先生。単なる進行役とはまったく違う「気迫」を感じました。会議の後、なんとか名刺交換だけでもと思って待機しました。委員の皆さんたちの輪が薄くなったのを見計らい、恐る恐る先生のもとに駆け付けると、「僕は昔、オイスカの内モンゴルの沙漠化防止プロジェクトを見させていただいたことがあります。オイスカが発足した時のことも覚えています」と思わぬ会話に。海のものともわからぬ、私のような者に温かい言葉で・・・感激しました。以来、「平成の森林三大論争」の一つと呼ばれる東北の海岸林再生で、先生も、私たちオイスカも、その渦中に立つことになりました。

 そして6月9日のオイスカ中野良子会長の現場視察にご一緒いただけないか相談し、その場で快諾いただき驚きました。その視察の際、先生は車を停めるとすぐ、カメラを手にどんどん歩いて行ってしまいました。案内なんぞ、まったく待ってません。登っちゃいけない復旧工事の砂山にも登ってしまい(笑)清藤城博 緑化技術顧問もそうでしたが、本物の方たちはこういう動きなんだなと感心しました。

 その後、ありがたいことにオイスカの「顧問」にご就任いただきました。いよいよ海岸林での植栽開始を前にしたときは、オイスカ本部職員に対して90分×3ラウンドの講義をしていただいたこともあります。名著「森林飽和」のライブ版でした。全国各支部などで幾度となくご講演いただきましたが、昨年11月のトークイベントと、今年1月の講演会は、Youtubeに残すことが出来ました。

 この15年、何度ご自宅にお電話させていただいたか、わかりません。まさに「秘書」のような仕事の中身がわかる奥様が、いつも確実に伝言くださり、本当にお世話になりました。私にも幾度となくお電話いただきました。いつも先生が知りたがっていたのは、現場最前線や行政当局の最新の動向。埼玉の喫茶店で「抹茶ラテ」を飲みながら、情報交換したことも幾度か。我々の会合にも必ずご出席いただき、去年の海岸林支援企業・団体の情報交換会では、予告なく飛び入り参加してビックリ(笑)長年第一線で活躍する秘訣は、幅広い人脈との対話姿勢だったと思います。今回の「みどりの文化賞」の紹介の文章は、まさにそのような先生の人となりや、歩みを感じる見事な紹介文と思いました。とくに先日、オイスカで企画したご講演を聞いた方には、なお一層ご理解いただけると思います。(冒頭の「国土緑化推進機構HP」に記載あり)

 できれば今年度、「名取の海岸林再生発足から15年」「太田先生を囲む会」などと称して、ボランティアや支援者の皆さんに、フルバージョン講演を聞いていただく場を作れたら・・・と自分勝手に妄想しています。先生、本当におめでとうございました!

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