本部・啓発普及部の林です。
今回話題にするのは、フィリピンのマニラ事務所で
事務局長を務めるマベさん。
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私が静岡県内の高校に通っていた時、彼女は私の自宅から自転車で
10分程度の場所にあったオイスカ開発教育専門学校で
研修生として勉強していました。その当時からお世話になっているお姉さんです。
今回そのマベお姉さんが息子君たち3人を連れて名取に来てくれました。
とっても仲良しの3兄弟。
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20歳から27歳の男子たち。
そして、そのママはたくましい! と感心しました。
この日の作業は例によってクズ刈り。
チクチクするマツの葉を避け、盛り土の法面ばかりを作業していた息子3人でしたが、
ママが率先してマツ林の中に切り込み、ベテランボランティアさんと作業をしていると、
彼らも突入し、「最初はちょっと大変だったけど、だんだん楽しくなってきた」と。
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生物学を学ぶ大学2年生の三男は「日頃、机上での学びばかりだけど、
今日はフィールドで実際に作業を体験できて貴重な経験になった」と話してくれました。
30年前日本で研修し、それ以来日本語も学び続け、日本人との付き合いを深めてきたママは、
「息子たちが日本の皆さんと一緒に作業できて本当によかった。
手を抜かずに頑張る日本人の姿を間近で息子たちに見せることができたのが一番の収穫」と
終始笑顔でした。一方で、私もたくさんの刺激を受けました。
フィリピンの天然環境資源省に勤務している長男君は、
林業に関する知識や経験も豊富で、質問も鋭い視点で切り込んできます。
「マツの苗の根に菌根菌がついているとの説明だったけど、どうやって菌を苗木につけているの?」
「盛り土をしていない植栽地もあったけど、あれはどうして?」
「フィリピンでは官民の連携もだし、NGOと民間セクターの連携も難しいけど、オイスカはどうやってこんなにたくさんのステークホルダーと協力することができたの?」
「堤防は海側と内陸側と作りに違いがあるけどどういう理由があるの?」
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そして、それを見守るお母さん
特に彼はモニタリング調査に関心を持っていたようです。本数調整伐採の調査地では、
①全く伐採しない
②1伐3残(1列切って3列残す=25%伐採)
③1伐2残(1列切って2列残す=33%伐採)
④1伐1残(1列切って1列残す=50%伐採)
の4対象地で樹高、胸高直径を計測。
こうして比較調査をしたデータを活用する取り組みをオイスカの現場で
行っていることに関心を示していました。「これって論文書けるレベルだよね」と。
100年以上先の森の完成形をイメージしながら今なすべきことをするという
森づくりの基本的な考え方を理解している人だからこそ、
一つひとつの作業の意味を考えながら活動をしてくれていたように思います。
何か得ることがあり、フィリピンに持ち帰ってくれたらうれしいです。
彼らと片言の日本語、英語でコミュニケーションをとりながら
一緒に活動をしてくれたボランティアの皆さんにも感謝!
マベお姉さんと息子君たち、そしてボランティアの皆さん、どうもありがとうございました。
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