本部・啓発普及部の林です。

連日「危険な暑さ」が続いている中、この日のボランティアはいつもと違う流れに。
午前中は見学、作業は午後のみに。

午前中の見学に参加したのは、東京など関東からのメンバーと仙台を中心とした東京海上日動火災保険の皆さん、そして初参加の名取北高校生を含む数名。

最初は北釜防災公園から。いつもは家族で賑わっている公園も、この暑さでは人の姿もなく……。
この地が震災前、どのような場所だったのかを説明する写真などを見ながらしばし散策。
参加者の中にはお子さんを連れて来られた方もいらっしゃり、東日本大震災を知らない小学生や中学生にとっては「震災を学ぶ」機会になったのではないかと思います。

続いて、ゲートから海岸林に入り、まずは防潮堤に上って吉田のレクチャー。いつもの「あそこに見えるマツの木は何歳でしょうか」クイズも。正解者はごくわずかでした。
海岸林の規模の大きさに驚く人もいましたが、海を見て「わぁ~海だ~~」という反応の方が大きかったでしょうか。

今年石灰をまいた、成長の悪いエリアを見学。周囲のクロマツに比べ、このエリアだけ成長が悪いことは一目瞭然。水はけの悪さ、酸性度の高さ、土の硬さなど、クロマツの成長に悪影響を与える条件などについて解説。

2014年の植栽地では健全に育つクロマツの様子、またクズが繁茂するエリアも見学しました。
先ほどの成長の悪い場所と比較をしながらの見学となりました。

そして、ここからはさらにいつもと違うパターン。一旦海岸林を出て、閖上のサイクルスポーツセンターに移動。施設の方にお願いして、屋上からの見学をさせてもらいました。
地元の参加者からも「スポーツセンターは知ってたけど初めて来た」「来たことあったけど、こんなに充実した(温泉もある! 宿泊施設もある!!)ところだとは知らなかった」といった声も聞かれました。青い空、青い海、そして青々と育つ海岸林を見学し、午後からの作業の場所を確認して午前の部は終了。

ここでの見学も初めてなので、当然なのですが、サイクルスポーツセンターのレストランのソフトクリームで涼をとりはじめ……ボランティア中にソフトクリームだなんて初めて!
このまま事務所に戻り、お昼休憩。

午後からはいつものリピーターの皆さんや初参加の名取北高校の生徒さんたちも合流。
出発前には育苗場で苗の解説。根に菌根菌がついている様子をみたり、クロマツとアカマツの違いを実際に触って感じてみたり。

この日の現場はここのところ、集中的に作業をしている閖上のクズ地帯。午前中はあまり風のない状態でしたが、午後からは少し風が出てきていて、できるだけ暑さを避けるため、あまり中には入らず、(防風林ですから、中に入ると完全に無風状態。皆さん防風効果の高さを感じてくださいます)すぐに外に出られる場所で作業を進めました。そしてこまめに休憩。
皆さん、吉田の指示通り「四つん這い」でクズの根元を刈り取ってくださいました。

ありがたかったのは、防風垣の中で縦横無尽にツルを伸ばし、そこかしこに根を下ろしているクズを、身のこなしの軽い中学生君が中に入ってやっつけてくれたこと。ハチの巣も見つけましたが、騒ぐことなく冷静に対処し、ハチ刺されも回避。ほかの男性ボランティアの皆さんも中に入って、刈りにくいクズの根を徹底的に刈り取ってくださいました。


暑い中での作業となりましたが、皆さん無事作業終了(1名ハチ刺されがありましたが)。

そして恒例の終わりの会。今回はこんな感想が共有されました
■ボランティアの参加は初めてで緊張したが皆さんが優しくいろんなことを教えてくれてよかった
■参加前はプロジェクトの活動を知らなかった。クロマツの重要性を知ることができてよかった
■体力勝負で暑い中、みんなで協力して活動できたことがよかった。クロマツのためになったという実感はないが、今日の作業がクロマツの成長につながったらうれしい
以上、名取北高生のコメントです。

ハチの巣を見つけたものの刺されることなく最後まで作業を続けてくれた中学生は
■怪我なく無事に終わらせられてよかった
とコメント。

ここからは東京海上の皆さんの感想。
■体力勝負のベストメンバーで臨んだ。ツルが繁茂する様子は、自然豊かでいいと思っていたが、クロマツなど樹木の成長を阻害するものだと知ることができた。今日は若手を中心に、職場のメンバーと一緒に活動できてよかった
■仕事であまり関わることのない職場の人たちとコミュニケーションを取りながら作業ができてよかった。ジョギングが好きで、海岸を走ることもあり海岸林は目にしていたものの、今まで興味をもって見ることはなかったが、今日は理解を深めることができた
■初めての参加だった。会社としての取り組みをウェブサイトなどで見てきていたが、土によって成長が違うことなども実際現場に来て、自分で見て実感しながら学ぶことができてよかった。海岸林になるまでには長い年月がかかることも分かったので、これからも会社として息の長い支援をしていきたい

最後はインターン生として2年前に活躍してくれた畑君のコメント
■インターンとして関わっていた時は、コロナ禍で小規模のボランティアだった。今回、大人数でのボランティアに参加して、勢いよく作業が進められて気持ちよかった。また、今日は高校生の指導役を任されたことで感じたのは、先ほど浅野さんから、今日やった場所を、来週次のボランティアさんが来て作業をしてくれるリレーが続いていくという話があったが、年代のリレーもあるということ。これからも長く関わっていきたい

皆さん、暑い中、本当にどうもありがとうございました。緊張しながらも「参加しよう」と決めて、大人に混じって活動してくれた高校生の皆さんの頑張りにも感激しました! 説明会で、一歩踏み出すことの大切さを、大学生の和泉君が伝えてくれたことが響いたのかもしれませんね。またの参加、お待ちしています!

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