『松がつなぐあした』 読書レポート
本部・広報室の林です。
昨日、吉田が報告していた通り、小林さんが上梓された本
『松がつなぐあした』が届きました。私も吉田同様、
編集段階で一切目にしていませんでした。
老眼鏡がないと本が読めなくなってから、
平日の夜に自宅で読書をすることはほぼありません。
それでも週末まで待てず、早速読んでみることに。
週末の引っ越しに備え、机や椅子、ライトなどは
他の部屋にまとめてしまっていたのですが、
何となくちゃんと机に向かって読みたく、
椅子とライトだけ部屋に戻し、空になった押し入れを
机がわりにして読書スタート。
手元には本にも登場する「名取市海岸林再生の会」会長
鈴木英二さんからいただいた赤ワインを置いて。
本に親しんでいないからか、頭の悪さか、
人や数字、聞いたことがない言葉がたくさん出てきたり、
時系列でないストーリー展開だったりすると
何度もページを行ったり来たりしてしまう私ですが、
この本は、ワインが半分減ったあたりで読了。
自分も関わってきた現場の話だし、
本のベースになっている「よみがえれ! 海岸林」を読んでいたこともあり
私にとっては「復習」で、すらすらと読み進めることができました。
もちろん「よみがえれ! 海岸林」にはなかった部分も
大きく加筆されていて、「あの人からこんな話も聞いていたんだ~」という
おもしろさもたくさんありましたし、
付録部分の松くい虫に関する解説もあらためて勉強になりました。
学生時代、オイスカの現場の取材にきた新聞記者から
「事実ではなく真実を伝えるのが仕事」と聞き、
事実と真実は何がどう違うのかがよく分からなかったけれど
当時の私にとって、とても印象に残る言葉でした。
ふと、そのことを思い出しました。
この本に綴られていることが真実で、
そしてそこにたどり着くには、人の感情や心情を理解しながら
(あるいはしようと努めながら)その人たちの話を聞くという
とてつもない膨大な作業があったことを、私は小林さんを見て知っていたし、
それをこの本から感じ取ったからだと思います。
まったくプロジェクトのこと、名取市のことを知らない人は
どのように感じるのだろうかというのが気になります。
そして、プロジェクトに関わってきた方々がどう感じたのかも聞いてみたい。
早く書店に並び、多くの人が読んでくれることを期待しています。