海岸林で鳥見ing「野鳥情報 コアジサシのその後」(2020/7/17)
2020年7月17日( カテゴリー: いきもの )
地元のボランティアの三浦隆です。
ボランティア全国から再開が一転中止とても残念です。一日でも早く再開できるよう個人レベルでできるることをやっていきます。名取市の海岸林で観察した生き物、主に野鳥を中心とした情報、話題の4回目を発信したいと思います。今回は前回6/26に「旬な鳥」で紹介した「コアジサシ」のその後です。場所は、海岸林の隣接地の、港湾関連工事現場。工事が終了し、整地がなされた??
結果を先に言いますと、この地では繁殖を放棄してしまいました.
7/4のボランティアの日にどうしているか見れると楽しみに、さらには望遠鏡をセットして、皆さんに作業の合間に陰ながら見ていただこうと思っていました。6/20のボランティアの日には20羽以上乱舞し、知人情報では一部孵化まで確認されていたそうなのですが、1週間後の6/27には1羽も見ることができませんでした。何かの原因で繁殖放棄した模様です。
6/30繁殖現場に入って見てきましたが、決め手になる原因は見つかりませんでした。確認できたことと放棄原因を推測してみます。
鳥がいた6/20と鳥がいない6/27の現地の港湾工事盛土の状態を比較した結果・・・
→盛土の状態は写真の比較で6/20と6/27で変化なし。現地の輪郭にあたる周辺に工事の為の目印か杭が数本打ち込まれていました。作業時の足跡も杭周りについていました。
→杭打ちの現地への立ち入りも影響はあるかもしれませんが、現地の端の部分、一時的なものなので決め手ではなさそう。いつの物かはわかりませんが、現地には車の轍が数か所にありました。
→推測:卵のかけら(写真)は数個ありましたが、踏みつぶされた形跡なしの為決め手ではなさそう。付近にはキツネがいますが。
→推測:足跡らしきものが見当たらない為決め手ではなさそう。但し現地は固目の地盤の為キツネの足跡が付くか疑問。付近にはカラスも多数います。鳥が巣を襲うことは十分考えられますが未確認。観察者も現地に入って近接から写真を撮っているのを見ています。危害を加えるつもりはないことはわかるのですが、繰り返しすると鳥にとってはストレスになると思います。他にはシロチドリは継続し数羽繁殖している様です。人との距離が近い場所もありかなりの警戒感を感じます。
はっきりとした原因はわかりませんが、世界レベルで絶滅危惧種に指定されている種だけに、繁殖環境に非常に敏感な所があるのではと思っています。昨今は海岸線等は恒久的な安住の地は、ほとんどないも同然です。以前東京などで成功した事例も聞いていますが、人の手で繁殖地を確保し保護する方策も必要なのかと思う所です。この地から離れたコアジサシが他の地で繁殖成功をすることを願います。