本部・広報室の林です。
7月3日、ボランティアの日を前に震災遺構などを訪問。
仙台市荒浜小学校は、近くに県の海岸林植栽地があり、
以前そこを視察した時に小学校が見え、
その際に聞いた話をブログに書いたことがありましたが、
見学したのは初めてのことでした。
津波の恐ろしさや避難された方の当時の様子など
多くを知り、多くを学べる場所です。
その中でも私があらためて感じたのは、地域の人にとって
松林、クロマツは本当に身近だったのだということ。
展示の中にあった「ハッピーあらはま」の中にも
それが感じられるものが多くありました。
写真のA~Dを拡大し、紹介していきます。
まずAから。このハッピーあらはまの説明があります。
2014年度に荒浜小学校の5年生が荒浜の復興のために
アイディアを出し合って作ったものだそう。
C:こちらは松林アスレチック。
私にはない発想!! 楽しそう!!
子どもって頭が柔軟だなぁ~。
そして、自分たちで独り占めしない精神。
「子供も大人も遊べます」と書いてくれました。
大人も遊んでいいんだね、うれしいなぁ。
D:松林の機能についても書いてくれてありました。
「きのこを取ったり、海からの風や波を防ぎます」
子どもたちにとっても、「かつてあったもの」ではなく、
「これからの未来にもあり続けてもらいたいもの」なんだと嬉しく思いました。
それから、こんな展示も。
「夏の海水浴のにぎわい」
「美しい松林の風景」
拡大しても見えにくいのですが
「いつまでも残そう この松林」
と書いてあるようです。
子ども会の歌がありました。
「朝日をあびた 荒浜の 松の緑の 美しさ」
歌詞にも「松」が出てきますし、
そもそも会の名前に「若松」とついています!
昔の荒浜の様子を紹介した展示の中にもありました!
「松林の思い出」
地元の人からは必ず聞く「キノコとり」!
キンタケ、アミッコ(アミタケ)は特によく聞きます。
震災前の写真がありました。
荒浜のまちの部分を拡大してみます。
こんなに海の近くまで家が並んでいること、
そして家があるところは松林の幅が狭いことに驚きました。
海側から撮影した写真を見ても住宅のところは
海岸林が薄くなっているのが分かります。
それでもやっぱり松林に親しみを持って生活していたこと、
そして、地域の復興のためには欠かせない存在だと思っていることが
展示の中から感じられました。
私たちは海岸林の再生に取り組んでいますが、
コロナ禍の中、「再生」について考えさせられます。
コロナが落ち着いても、アフターコロナの社会は
変容を求められ「元の生活」にはきっと戻れないし、
もっとよくしていかなければいけないのだと思います。
海岸林の再生も「元の状態」にするのではなく
より強靭にしていかなければならないし、
そのためには地域の人たちの松林との付き合い方も
変容が求められるのかもしれない。
「再生」は「元通り」よりもっといい状態にすること。
さらには新しい価値観を創造することも必要なのかもしれないと
そんなことを考えさせられた震災遺構見学でした。