新人駆け出しのころ、フィリピン・マニラから車で10時間の最北部アブラ州、
オイスカアブラ農林業研修センターのデルフィン・テソロ所長との出会いがありました。
オイスカタイの元事務局長、故見原アイサさんと並び、self-reliance(自助努力)
という言葉を身をもって教えてくれた、私にとって師匠といえる方です。
デルフィンさんは6月10日、「子供の森」計画親善大使の引率として、
3泊4日で初めて名取に来訪。ほぼ20年ぶりに乾杯し、たっぷり情報交換できました。
アブラ州は、フィリピン国内でも最も所得平均が低い州の一つでもあります。
長い乾期、雨期は強烈な台風が一月で4つも5つも通過する。
海はなく、平地のない盆地、山は見渡す限りハゲヤマ。
1991年に所長になって以来、隣の南・北イロコス州を含め、
「子供の森」計画として300校に学校林を育てました。
1997年に私が行った時は、1ヵ月で26校の「子供の森」計画の学校を訪ねましたが
山奥の学校で、植えた木に散水するために700mも天秤棒で担いでくる児童を見ました。
隣州へのマングローブ植林とハゲヤマへの植林への挑戦を始めたのも見ています。
いまも深い感動が焼き付いています。オイスカという勤め先でやるべきことが定まりました。
所長は、やはり猛烈に作業したがる。溝切りに熱中。
ついつい勢いで、日比友好「Delfin・yoshida canal」を作りました。
佐々木統括も吸水ポリマーのことなどを実演伝授。
「そうだな、俺も行ってみようかな」と。
あれから20年。今度は私が恩返しする番だと思っています。
アブラの経験がいま活きているのは間違いないことですから。