本部・ボランティアの徳田です。
今回、「海岸林再生プロジェクト10カ年計画・活動報告会」
およびバスツアーに参加させていただきました。
盛会のうちに無事終了した報告会、ツアーの報告を
印象に残った言葉でご紹介します!
「植樹はほんの一部のことなんですよ」
――このプロジェクトを引っ張ってきた吉田さんが口癖のように繰り返す言葉。
ボランティア活動にもさまざまありますが、「植樹」は何だか達成感があって、一度はやってみたい魅力ある活動です。
でも、植樹に漕ぎつけるまでに水面下でやってきたことが山ほどあるのです。過酷な暑さのもとでの草取り、防風ネットの整備、作業小屋の建設・・・。そのどれにも汗を流していない私です。
「子どもは手もかかるし、お金もかかるでしょ?木も同じです」
――木を知悉しているあるオイスカ職員の言葉です。
たくましく育つまで、気を抜けないのはマツも同じことだというのです。
ところで、植林には一部、抵抗性マツ(マツクイ虫に耐えられるマツ)
を用いることが決められています。
その場合、抵抗性マツのタネをただ撒いたのでは、そのマツを抵抗性マツとはいえないのだそう。
インフルエンザ・ワクチンを打つように、マツ1本1本に傷をつけ、線虫を植えつけてみて、それで生きのびたものを抵抗性マツというのだそう。オイスカ名取事務所統括の佐々木廣一さんは、「そんなことをしたら、8割のマツがやられてしまう。今回の海岸林再生に向けて苗が不足している中、この方法は現実的ではないので、それはカンベンしてもらった」と言っていましたが、第一、何十万本ものマツ1本1本に生体を埋め込んでいたら、天文学的な日数を要するのではないでしょうか。
「名取の海岸林がこんなことになっているのは知らなかった」
――「活動報告会」の翌日、植林をする場所などを見学するバスツアーを催行しました。
名取の広報誌でバスツアー開催を知った市民の方たちも多く参加されていましたが、その中に、名取が丘という地区から来たという男性がいました。名取が丘は、被災を大きく報じられた仙台空港の西、4、5kmにあり、地名の通りやや高台にあります。津波の被害からは免れました。
しかし、沿岸部のマツが根こそぎ流されたことを知らなかったから、この目で見るために参加したとおっしゃるのです。同じ名取市でも、内陸と沿岸部ではこうも被災体験に違いがあるのかと思いました。