吉田です。宮城県松島町周辺には、30年ほど前から会員が増え始め、オイスカの海外植林ツアーに毎年のように参加するなど国際協力に熱心に取り組んできました。そして、2011年の震災以降は海岸林再生プロジェクトを陰に日向に支援いただき、年1回以上活動報告会が行われ、会員も30件前後に増え、「オイスカ松島推進協議会」(発起人:佐藤稜威彦氏)発足の声が上がってまいりました。

 松島町は、2011年5月の海岸林の初陸上調査の宿でした。我々にとって、とても縁のある場所です。

 一方で、この会は、ながく明確な名前がなく(笑)。通称「松島の会」「松島地区の会」などと。ですが、実態が先行型なので、正確な名前がないことを誰も気にもせず。松島町に自宅がある佐々木統括、松島森林総合の佐々木勝義さん、宮城中央森林組合の佐々木秀義君も、都合がつく人ができるだけ出席してきました。

 そしてこのたび12月19日(木)、公益財団法人オイスカ2024年度第2回理事会にて、宮城県支部所管の任意団体として松島推進協議会(代表:鈴木正夫氏)として、正式に発会承認されました。発会日は、2025年1月1日。活動目的は、オイスカが推進する国際協力活動に対する支援者獲得、啓発活動の支援です。2025年は全国育樹祭が宮城開催。大会の成功にご協力いただきたいと思っております。

 現在オイスカには19県に42の推進協議会があり、本部・支部と協力のうえ、その地区なりの啓発活動などが行われています。

今年3月まで海岸林再生プロジェクトでボランティアをしていた東北大学2年生の柚原結女さん(福岡市出身)は、はじめての海外ながら、2024年3月~2025年3月、ウズベキスタンに留学し、オイスカが取り組むアラル海沙漠化防止プロジェクトのインターンとしても奮闘しています。

現在は大学を休学し、日本の文部科学省が進める「トビタテ!留学JAPAN」の枠組みで、オイスカのカウンターパートであるカラカルパクスタン農業大学で学びながら、プロジェクトの各種調整業務を担っています。

「もっとアラル海のこと、プロジェクトのことを日本の皆さんに知ってもらいたい」と、このイベントを企画してくれました。

◆開催日時:2025年1月22日(水)19:00~20:00
◆参加費: 無料
◆開催方法:オンライン(ZOOM)
 以下ページ内の「チケットを申し込む」よりお申し込みください
 🇺🇿知らなかったウズベキスタン!大学生が語るアラル海沙漠化防止プロジェクトと現地の魅力 | Peatix
◆応募締切:1月22日(水)12時まで

【参考:柚原さんと海岸林再生プロジェクトを紹介したRKB毎日放送のTV動画】

 ①「100年後の松原を」福岡出身の東北大生が取り組む“防災林”の再生 
  若い世代の目に映る“大震災12年” (約4分)
 https://www.youtube.com/watch?v=2UjfiI5v4yk

 ②沿岸に37万本の松を植林し「防災林」へ…学生リーダーが“アラル海”の緑化
 プロジェクトで知見 (約6分半)
 https://www.youtube.com/watch?v=5lf5fZvpi3g&t=86s

【ウズベキスタン・アラル海沙漠化防止プロジェクト紹介動画】

 ① OISCA JAPAN(約3分)
 https://www.youtube.com/watch?v=7xiBQqHbSnE

 吉田です。宮城県の記者発表があり、第48回全国育樹祭の開催日が発表がありました。まだ詳細は決まっていないようですが、期間中の「併催・記念行事」の一つ、「育林交流集会」として海岸林シンポジウムも開催されるようです。

 ぜひ来年のカレンダーや手帳に、この2日間のことを書いておいていただけたら。この日程が決まりましたので、2025年度ボランティア公募日を年内にお知らせしたいと思います。

宮城県記者発表(12月11日)https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/ikujusai/press/kaisaibikettei.html

全国育樹祭とは(国土緑化推進機構HP)https://ikujusai2025-miyagi.jp/about/index.html

2019年7月20日 オイスカ撮影の写真を、育樹祭公式HPに使っていただけたようです

仙台防災未来フォーラム
https://sendai-resilience.jp/mirai-forum2025/

「名取市海岸防災林100haの再生に関わる人に聞く」
~海岸林再生プロジェクト第2次10ヵ年計画~

【日時】3月8日(土) 15:45~16:15
【場所】仙台国際センター展示棟 展示室2-B(ステージ発表)
    *市営地下鉄「国際センター」駅下車 
【入場料】無料
【申込】不要

2011年以降、約50万本のクロマツ苗の生産を担った地元被災農家と、植栽保育を担ったプロが12,000人、それを補完したボランティア15,000人の手で歩んできました。その代表の方々の声をお届けします。

講演会は「一般公募」です。

講演終了後、海岸林支援企業・団体ご担当者向け情報交換会を同日開催します。
こちらは、参加組織ご担当が横の繋り・情報共有を持つきっかけになればとの趣旨で、コロナ禍以外は年1回継続してきましたが、今年からは都内以外にも聞いていただけるよう、オンラインも併用します。また、ご担当であるリーダーの皆さんが、より一層大局的視点を持っていただけるよう、今年は「勉強会(講演会)」を設けます。団体参加のご担当の一人でも多くの方に聞いていただけたら幸いです。

≪①講演会≫*支援企業に限らず公募。ご講演は録画、Youtube公開予定。
「気候変動、防災に、なぜ森林?」
1月21日(火)15:00~16:30
場所:東京ミッドタウン八重洲カンファレンス 4階 会議室A

参加費;無料
定員:会場参加 先着30名公募 
   オンライン参加 定員なし 

お申し込みはコチラから https://oisca.org/events/e250121/

≪②海岸林支援企業・団体ご担当者向け情報交換会≫
同日16:45~17:30 

・2025年度事業計画・ボランティア受け入れ方針・諸注意
・参画組織紹介・情報交換

「講演会」講師 太田猛彦先生(東京大学名誉教授 オイスカ顧問)
森林環境学・森林水文学・治山砂防学など森林分野の第一人者。現在、
FSCジャパン代表、みえ森林・林業アカデミー学長、かわさき市民アカデミー
理事長、さいたま 緑のトラスト協会理事長。近年では、日本学術会議、
各官庁等の審議会委員や、林野庁「東日本大震災に係る海岸防災林の再生に
関する検討会」座長として国の指針を定め、三保の松原世界遺産登録に
際しては、静岡県「三保の松原松林技術保全会議」委員などを務めた。
オイスカが実施する海岸林再生プロジェクトに対しては、2011年の立ち上げ
当初からご助言をいただき続け、全国のオイスカ支援者にもご講演
いただいた。市民向けに発行された名著「森林飽和」(NHK出版)は、
同出版社として最も購読された書籍の一つで、数多くの論文にも引用されて
いる。

 吉田です。11月16日(土)、今年の公募ボランティア最終日、JR連合荻山会長(今年も2回目)やJR四国労組の皆さん、仙台トヨペットの大ベテランと若手社員さんたち、IBEX Airlines有志、鹿島建設グループ有志、草加市社会福祉協議会の有志、USJ労組有志、トヨタモビリティーパーツ、セコム本社とセコム工業など73名。今年も派手に集まってくださりました。

 思えば、「この日は生長モニタリング調査」としか触れ回ってなかった・・・。調査地が増え、こう見えても必死でしたので。でも、10月末から合計73名に計測とその準備、ほぼ全域のゴミ拾いを手伝ってもらえたので、この日は「懸案」に手を出せると内心思ってました。

 懸案とは、仙台空港真東、2020年度植栽地約6haの「溝切り」。もちろん、6haすべてのメンテが必要ではなく、これまでも香川県立高松北高校の高校生たちが30名×2回修復しています。半日で300mのLサイズ溝を修復できます。一部の場所は、多湿で生長が悪く、葦が広がりつつありました。まだマツは小さく、この1・2年のうちに手を入れたかった。

 頼りに思っていたJR連合、仙台トヨペット、セコム、トヨタモビリティーパーツの皆さんたちは、丸一日、午後は73人で「溝切り」でした。みなさん「計測のみ」と思っていたでしょうね。そんなの聞いてないよーって感じですよね。ごめんなさい。

 今年は5月末~11月のこの日までに1,081人が来てくれました。毛虫に始まり、クズに明け暮れ(941人が葛刈り)、秋の調査ではバカまみれになり・・・この日はまさかのガチ溝切・・・。その夜は、オイスカ宮城第一迎賓館「竹灯り」で忘年会でした。その宴会での切れ味鋭い一言。

「オイスカにはバカとクズと、詐欺しかない」(K建設のYさん) 

 まさに言い得て妙! 今年の締め括りにふさわしい。

 次の公募日は、1月25日(土)。間伐です。ボランティアの受け持ちは、名取市海岸林最南端2ha。3,300本を伐ります。100人来てくれたとして一人33本(笑)プロは約15ha。12月中旬にスタートします。

吉田です。11月22日、名取市海岸林再生の会およびオイスカは、宮城県内の森林づくりと林業の振興に関して特に功績があると認められ、「令和6年度森林づくり・木づかい表彰」として宮城県より感謝状を贈呈されました。

県の記者発表は、以下の通りです。「名取市内の海岸林再生を図るため、地元市民をはじめ県内外からボランティアを募りながら、積極的な植栽・保育活動を10年以上継続して実施している。全国から1万人以上のボランティアを募りながら、海岸林整備に関係する地元雇用を創出するとともに、海岸防災林の再生と普及啓発に大きく寄与している」。

多くの皆様のご協力のおかげです。心から御礼申し上げます。

これが海からの「塩」

2024年11月21日( カテゴリー: 現場レポート )

 吉田です。久々、海からの塩分微粒子が特によくわかる光景を写真に収めました。私にとっては珍しい風景ではないのですが、ちょうど調査時期で樹高を計測していて、写真にする気になったというか。下の写真の右上は、仙台空港真東の、標高最高6mの自然砂丘上の残存クロマツ林。樹齢は110年~130年、樹高は20m弱。写真右中央の一段低いマツ林の樹高は約5m。

 塩分微粒子はやはり重たく、樹高20mのクロマツを越えて飛ぶわけではないことが写真からもわかります。でも樹高5mでは塩分は木の上も通っていることがわかります。十分な役目を果たすには、まだ高さが足らないですね。

 話題は変わりますが、空路ボランティアに来た方たちなどが、上からの写真をたくさん下さりましたので紹介します。「幅200mのクロマツ林は、海からの塩の90%以上を漉し取る」。海岸林は幅も重要。

11月のいきもの

2024年11月20日( カテゴリー: いきもの )

 吉田です。10月中旬、プロがスズメバチの巣を発見。誘導灯の北、調査地No2の南、作業道から15m。ここは葛がなかったので行きませんでしたが、すこし離れたところで私自身が葛刈りをした場所でした。やはり、プロの力も借り、作業前日までに時間をかけて何度も何度もコツコツと、対象地全体を歩く必要を感じました。女王バチはきっと近くで冬眠しているでしょう。来春は早すぎたとしても(年々暖冬化してるし)、3月中にハチトラップをこれまでより多く設置し、誘引液も交換するなど、万全の対応をしたいと思います。

 今年は毛虫にも悩まされました。3月~5月は、先手必勝で現場をじっくり捜索します。

広葉樹のいま(2024年11月)

2024年11月19日( カテゴリー: 広葉樹 )

 吉田です。何が何本生き残っているか毎木調査まではできませんでしたが、写真だけは取ってきました。数年前までは9月中に調べないと落葉してしまい、生きているか確認するのが難しかったのですが、去年・今年は高温が長く続き、11月中旬でも葉がついていました。すでに草丈を越えているため、ここの2022年以降、下草刈りは行っていません。これまでの経過は、右側のブログカテゴリーの「広葉樹」をご覧ください。

以下は、中央ゲート南側国有林の最内陸部500m(波打ち際から400m)。北から南へ歩いた順で載せました。場所によって生育が非常にまばらということがわかると思います。

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