7月のいきもの

2025年8月8日( カテゴリー: いきもの )

 吉田です。津波警報が解除され、大雨が降った翌日、いろいろな鳥が水浴びする様子を何度も見ました。鳥も雨を喜んだようです。

 コチドリが作業道のど真ん中を拠点に子育てする様子も見ました。車で10m以内に近づいても逃げません。今年はムクドリとオナガの群れをよく見ました。

 吉田です。7月31日朝と8月3日朝、名取北高校2年生たちと、東京本部の学生インターンの寺田さん、ボランティアの伊藤さん、三浦さん、教員の平田先生とともに生き物観察に出かけました。

 去年の学校での総合学習での講演・フィールドワークに参加し、今年の仙台防災未来フォーラムで発表した小野君(ギター部)をリーダーに、異文化交流部、剣道部、サッカー部、野球部の男子5名がメンバー。「なとりこどもファンド」の助成を受け、9月中旬に名取の海沿いの生き物を紹介するリーフレット製作し、それを活かして各方面で発表するそうです。

 三浦さん曰く「(鳥は)この時期は端境期」。渡りシーズン前で、見つけられる種も限られます。それでも前回6月に続き、張り切って出かけました。総合学習を統括する野球部顧問の榊先生も「簡単に見つけられないということも分かってほしい」と言っていました。

 手伝ってくれた大学生の寺田さんが、彼らのために「話し合い方」をアドバイスする有用資料を作ってくれました。僕がお願いしたわけではなく、自主的に。これにはびっくりしました。我々にとってもずっと使える資料だと思っています。

作業道を補修しました

2025年8月6日( カテゴリー: 現場レポート )

 吉田です。できるだけ早くいつか!と思っていた作業道の補修が終わりました。今年は毛虫異常発生もなく、間伐もなく、大きな出費が少ない年なので、一気にやってしまおうと佐々木統括と相談しました。直した場所はたくさん。文句なしの出来です。

 私が小さいころ、「スーパー林道」建設が自然破壊につながると、大きな社会問題になっていたことを覚えています。基本的に林業にとって、大小の作業道(大型車両・乗用車用、間伐材搬出時のユンボなどの作業車用、作業者歩行用)は不可欠です。植栽から10年が経ち、車両用の4m道路は相当凸凹な道になっていて、何度かパンクしました。

 本来であれば、作業道の補修は地権者がすべきことであり、名取海岸林の場合は、国・県が所轄するものとは思います。ですが我々は「お手伝い」の身。植栽区域のみならず、できるだけ協定区域内のことは、自分たちでという姿勢です。国・宮城県・名取市との協定には、作業道補修など諸々の子細は書かれておらず、この点については積極的に陳情することはありませんでした。ですが、簡単に補修と言っても3桁のお金がかかるのは当然です。伐木処理費・ラジコンヘリでの毛虫薬剤故殺・・・大きな出費が続きます。すべて皆さんからの寄附金が原資です。本音を言えば、これも我々でやるの・・・とボヤキたくもなります。

 それはそれとして、やはり日々走り回る大事な道が良くなるって、とても気分がいいです。マツが大きくなることだけでなく、ゴミもなく、基本的なことがしっかり管理された森林に仕立てていきたいです。

皆さんこんにちは、インターン生の柚原です。

7月2週目は7、8、10〜12日と連日ボランティアを実施しました。
今回は私が参加した7月12日(土) の公募ボランティアよりご報告します。

この日は、USJ労組・オリエンタルランド労組の方々がいらっしゃいました。天気は曇りで、涼しく作業しやすい気候でした。

作業内容は葛刈りで、東西で水捌け具合が異なっているために生育差が多い場所でした。作業をしながら水捌けが松の生育に与える影響を実感しました。

植林地に多数ある柵の中に張り巡らされた葛については、柵の中に入って作業します。

作業後は皆さんで集まって感想、連絡事項を共有し合います。

今回初めて作業に参加したある方は、海岸林を作っていく、守っていくために葛刈りなどの作業が大切であることを感じたと仰っていました。

中には以外な別角度から、自宅の庭の葛対策に活かしたいと仰っていた方もいました。

作業終了後は、ボランティアリピーターのご家族と一緒にカニ探しへ。愛林の碑のある湿地帯へ探検に行きました。

この場所は広浦の河口部であり、潮の満ち引きによって水量が変化する湿地帯です。丁度水が引いた時は蟹採りの頃合い。湿地の底にはカニの巣穴が見られます。

この日は、カニの巣穴はもちろんカニも複数見つけることができました!

さて、実は今年の夏の公募ボランティアは一旦終了。9月からの再開となります。

ボランティアリピーターの方々にしばらく会えないのは少々寂しいですが(9月までも公募以外の仕事でお会いする可能性高めです!)、引き続きよろしくお願い致します!

愛林の碑のある湿地付近から広浦を眺む

こんにちは! 東京農業大学森林総合科学科4年の門叶と申します。

私は現在、「公益財団法人オイスカによる宮城県名取市海岸林再生プロジェクト参加者の特徴」というテーマで卒業研究を行なっています。

海岸林プロジェクトへの参加を決定する要因は何なのかを明らかにし、最終的には、これから先何十年何百年と海岸林が守られていくために今から何ができるかについて考察したいと考えています。

まず、「海岸林再生プロジェクト」を卒論のテーマとしたきっかけをお話しします。

私は、母が岩手県の出身だったこともあり、幼い頃から毎年東北に遊びに来ていました。大学に入学した頃から漠然と、卒業論文は東北をフィールドに研究したいなと考えていたところ、私の所属する森林経営学研究室の佐藤教授と研究室OGの宮城県職員の方からオイスカの海岸林再生プロジェクトをご紹介いただいたことが本研究の始まりでした。

実際に現場を訪れたり、プロジェクトについてお話を伺うなかで、この海岸林プロジェクトには本当にたくさんの方々が関わっていることを知りました。

私は、長い年月、たくさんの人の手をかけて大切に再生されてきた海岸林が、これから先もずっと人々そして地域に守られ、愛される森林になったらいいなと思っています。そのためには、今のうちから少しずつでも海岸林に関わってくれる地域の人を増やしていくことが重要だと考えました。そこで卒業研究として、プロジェクトの現状とこれからを「人」に着目して調査し、考えていこうと思いました。以上が、私が「海岸林再生プロジェクト」をテーマとしたきっかけになります。

現在は、アンケート結果の分析を行なっている最中です。この研究によって、少しでも海岸林プロジェクトに関する知見を残せたらと考えています。

最後になりますが、アンケートにご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。

 2025年1月25日 手前右から3人目が門叶さん。友人と一緒に初参加。この日は複数にヒアリング。

 吉田より。かねてより社会学的視点の第3者による研究を望んでいました。去年はインターンのおととしは和泉君が取り組んでくれました。今期のボランティア全員に協力をお願いし、すでに538名が協力してくれました。分析・執筆・今秋以降に「学会」発表の都合上、門叶さんの分析は一部となりますが、1,000名を超える全体の入力は、オイスカインターンの二人と門叶さんと連携して、一緒に進めるつもりです。今年は若い人の出入りが過去最大になりそうです。

2025年7月10日 写真右から門叶さん、インターンの柴崎君、ボランティアの杉本さん(大阪EXPO住友館副館長)、オイスカ職員の浅野さん、東京農大佐藤教授。

【新】7月31日(木)7時~昼前 名取北高校2年生有志「いきもの撮影」*名取駅東口集合

【新】8月3日(日)7時~昼前 名取北高校2年生有志「いきもの撮影」*名取駅東口集合

【新】8月30日(土) 9時~終日 9月の葛刈り段取り(予備日:31日(日))

9月1日(月)AM:名取駅写真展(~28日)設置、PM:実踏調査●
【新】2日(火)10時~15時:仙台トヨペット220人 *とくにサポートお願いしたく。
     5日(金)PM:実踏調査●
     6日(土)終日:公募ボランティア(第一三共15・ホーチキ・オイスカ関西)●

 19日(金)PM~20日(土)AM 住友化学労組25

   25日(木)PM:実踏調査
   26日(金)終日:UAゼンセン40
   27日(土)終日:公募ボランティア(東京海上・同仙台40、東洋紡労組10)●

●【新】28日(日)10時~12時 柚原さんのウズベキスタン体験報告会(名取駅西口1階 コミュニ―ティープラザ)*名取駅東口駐車場 先着10台まで無料

【全国育樹祭関連行事】
10月4日(土) PM:県主催シンポジウム(名取市文化会館・吉田登壇) *要申込

 吉田です。かねてより同校の総合学習に参画させていただいていますが、有志5名が、「名取の海岸林をもっと知りたい」、「もっと多くの人に知ってほしい」と名乗り出てくれました。そのメンバーの中には、3月8日の仙台防災未来フォーラムのプレゼンに加わってくれた生徒さんもいます。

 「なとりこどもファンド」の助成金を得て成果物を作っては?と先生のアドバイスを得て、公開審査会に臨み、無事採択されたと聞いています。

 彼らの切り口は「いきもの」。自分たちで考えることが大事なので、助言しすぎず・・・とは思います。どんな展開になるのか。こちらも楽しみながら、介添えしようと思います。まずは、9月1日~28日の名取駅東西通路写真展、10月4日の育林交流集会シンポジウムなどで成果物を展示できるといいなと思います。

 紹介が遅くなりましたが、6月29日(日)の、このメンバーとしての初観察会の様子です。次は、7月31日・8月3日に彼らと現場に行こうと思います。

関西地区のオイスカ

2025年7月18日( カテゴリー: 本部発 )

 吉田です。兼務している関西支部(会員数70件。全国オイスカ支部で最少)での「子供の森」計画親善大使活動報告会や支援者訪問・資金獲得・広報活動のため、7月13日に仙台空港を発ち、1週間大阪に出張しました。写真報告します。

 昨年のボランティア来訪者約1,200名の、うち2割弱が大阪兵庫から。阪神・淡路大震災を経験した世代が現役バリバリということや、労働組合の参加が大きく影響していますが、この傾向はずっと続いています。2014年以降の大阪マラソン寄付先団体のご縁もあります。

 JR西日本の社会貢献活動として、昨年から「WESTERポイント」でフィリピン北部の「子供の森」計画支援ができるようになり、半年で2,700人からご協力いただきました。HPでランキングトップが続きましした。そして今期から年2回、管区内の駅にポスターとチラシの掲出をいただけることになりました。いかんともしがたい知名度の低さと、支援者の裾野の小ささを克服するための挑戦です。詳しくはコチラ  名取海岸林にも出没する住友化学やUSJの方たちなども、ポスター・チラシの設置発見を楽しんでくれそうです。

 また、UAゼンセンの海岸林ボランティアに参加した関西スーパー労組の副委員長さん自らが、63店舗すべてに「夏募金」のチラシを設置してくださりました。

 海岸林の寄付金集めも全国展開の意気込みでチラシ設置しました。原点に返る気分です!オイスカ関西支部も、「できるだけ大勢から少しづつ」スタイルを徹底します。

 ほぼ3週間の宮城・広島・宮城・大阪出張最終日の夜、神戸で楽天vsオリックス、しかも岸(今年こそバックネット裏で見たい)vs宮城の投げ合い・・・だったのですが、雨で中止。とほほ・・・

 吉田です。ボランティアが受け持つ名取市海岸林北半分と最南端約6ha(今年から受け持ち)は、7月12日時点でほぼ終わりました。去年と比べて受け入れ人数はほぼ同数(去年の同時期は700人)。これまで毎年の葛刈りの成果もあって、面積を増やしながらも、狙い通り早く進みました。葛刈りを終えた場所を歩くと、色々な人の顔が浮かびます。あらためて御礼を申し上げます。つくづく思いますが、名取の海岸林ほど多くの人の愛情で育てられた森はないのでは。2011年からの累計は、プロ約11,500人、ボランティア約16,000人。

 ミヤギテレビのニュースでも紹介いただきました。

 これから1ヵ月半は、酷暑のためボランティア受け持ちは一旦停止します。その間、大いに葛は伸びます。毎年お盆明けに歩くと、頭を抱える・・・を通り越して、腹の底から笑ってしまいます。この可笑しみを誰かと共有したい。

 9月から1ヵ月は、プロ受け持ちの南半分に加勢することになります。アシナガバチの巣もあることでしょう。スズメバチが巣をつくっている可能性も否定できません。「バカ」(アレチヌスビトハギ)まみれになる季節でもあります。もちろん熱中症対策も気を配らねばなりません。プロの情報を大事にし、自分たちでも事前巡視を十分しながら、無事故続伸で、力を合わせて9月を乗り切りたいと思います。

 この下の写真は、化学総連・全積水労連・京セラ労組などの皆さんが葛刈りしてくれた場所の2週間後。残党(見落とし)ほとんどなし。完膚なきまで駆逐。注目すべき高い精度。

皆さん、こんにちは。

インターン生の柴﨑です。

本日は今後の除草作業がスムーズに進むよう、クズが巻きついてしまっているマツを見つけたらオレンジのテープを巻いて印をつける作業を行いました。今回印付けを行ったのは海岸林の中でもほんの一部でしたが、かなり歩いたので足は凄く疲れました。

強く印象に残っているのは、たとえ足が疲れていても少しでも気になるところがあればマツ林の中に入って自分の目で様子を見に行く浅野さんの姿勢です。細かい部分を流さず、しっかりと目を向けてきたことが今も海岸林が守られ成長している理由なのだと感じました。私もその姿勢を見習っていこうと思います。

最後におまけですが、海岸林にはカニの住んでいる穴が沢山あって、一度に何匹もの野生のカニを見たのは初めてでした。かわいかったです。海岸林の多面的機能性もこれからより知りたいと思いました。

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