名取市出身のイラストレーターico.さんより
イラストレーターico.です。3月14日(土) 『宮城の海岸防災林のこれからを考える ~全国の好事例に学ぶ~』in仙台防災未来フォーラム2026の感想レポートを書かせて頂きます!
私は過去に小林省太さんの著書「松がつなぐあした」で、松食い虫の挿絵を描いたことがあったのですが、その程度の知識で吉田さんから「市民代表で登壇して、質問して!」と言われ、特になんの下準備も調べ方もせず、セミナー当日を迎えました。
ただ、セミナーの少し前に、テレビで関東のどこかで「なんとかカミキリ」が桜の木を食い荒らし、なんとその桜並木が全滅した、というニュースを観ました。昔からある故郷の風景、観光名所が、「なんとかカミキリ」によって奪われてしまった・・。私はそれを観て、「まさか名取市民の森も、こんなふうになってしまったら?」と思うとゾッとして、初めて自分ごとになったのでした。
今回の解説者•森林総研東北支所 中村克典さんの講演を聞いて思ったのは、今の松枯れ対策は、ほぼ薬剤散布、線虫の侵入を防ぐ「樹幹注入」、感染した木を処理する「伐倒駆除」に尽きるようで、やるべきことは明確でシンプルだな、と(素人目線で)感じました。
吉田さんの話を聞いていると、とても絶望的に感じてしまうのですが(実際絶望的なのでしょうが)、要するに「マツノマダラカミキリを1匹でも名取市民の森に入れない」という断固たる意思と、資金と実行力があれば、どうにかなるようです。(楽観的過ぎますか?)
ではどうすれば断固たる…を、オイスカやボランティアの皆さんだけでなく、市民全体の共通認識にできるか?どうすれば資金も集まって、実行してもらえるか?
私個人の考えとしては・・・やはり「海岸林が愛されること」なのかなと感じました。市民から愛されれば、寄附も集まるでしょうし、かわいい松を枯らすなんてこともさせないでしょう。
でもそれこそ言うは易しで、困難であるからこそ、今絶望的な状態にあるわけですよね。現地での松食い虫との格闘と同時進行で、市民が市民に「愛されるべき海岸林」の魅力を伝えていく。海岸林は一癖も二癖もあるわけでなく、単に「知られていない」だけなんですよね。「海辺にある木」、それが当たり前すぎて、空気みたいな存在なのかもと。当たり前にある海岸林を、実は植えて育てている人たちがいること当たり前にあった海岸林が、どんな役割があって、自分たちがどんな恩恵を受けてきたか名取市民全体にこれらが周知されるように、一市民として私もがんばろうと思います!
貴重なお話ありがとうございました!



シタゴコロとオシゴト
本部・海外事業部の林です。
久しぶりにクズ刈りを体験してきました。先日吉田がブログで報告していた
ある試験地づくりの現場です。
この日、午前中の松くい勉強会が終わったら、午後から吉田は名取北高校の
野球部の練習試合を見に行くというので、それなら私は試験地でのクズ刈りを
したいと希望。一人では作業はさせられないと言われ、地元のボランティア
リピーターのMさんを巻き添えにしてしまいました。(Mさん、お付き合い
いただき、ありがとうございました。いろいろお話しできてよかったです!)
吉田が野球を見に行くのは、野球が好きだから、名取北高校を応援したいから
という純粋な気持ちも半分、大いなる“シタゴゴロ”半分(8割か?)というところかと。
ここのところ、今まで以上に吉田のブログでもあぶり出されていると感じる
「地域の人たちの海岸林への思いを育むことが何より大事」という、そこの部分に
大きく関わってくる大事な“オシゴト”だと勝手に思っています。

純粋に野球が好き&応援でしょう
ただ、私は野球に興味はないし(作業途中で聞いたWBCの結果も「そっか~」
という感じ。すみません)、シタゴコロもありませんし、オシゴトに協力できる
ほどの力もありませんので、せっかくならと、試験地での作業体験を希望した次第です。
先月末、嬉々として作業をしてくださったボランティアリピーターの皆さん同様、
ガゼン燃えました!
だって、定説で言われてきた「クズの駆除は夏の間のみ」を疑い、吉田に意見しても
聞く耳も持ってもらえなかったのが、鶴の一声で吉田が動き出したのですから、
それはもう、なんとかして試験でよい結果を出すのみ!



左から施工前、施工中、施工後……違いが分かりにくくてすみません
作業は夏と同じ。クズのツルを根っこまでたどり、できるだけ広い面に薬剤をかけられるように
切って、薬剤が浸透するようにグサグサと傷をつけて、薬剤をかける。


試験地ですから、どこで根に薬剤をかけたか分かるように赤く色を付けた割りばしを刺しました。
(2月末に皆さんが作業してくださった現場と比べると、林床の美しさが違う……。私のは、
なんだか中途半端にしかきれいになってないなぁ。こんなところにも性格が出てしまいました)


作業をしながら感じたこと。
■寝ている間に襲撃せよ!
まだ新しくて細い根っこ(後で調べ「休眠根」ではないかと……しまった!写真がない!!)
を引き抜ける個体が多かった。(たまたま土がやわらかい場所だからか??)
これをしっかり引き抜くことができれば相当なダメージを与えられるのではないか。
そもそも、「夏の間にやるべし!」は薬剤を根に浸透させ、その効果を発揮させるため
には、クズが最も活性している時期を選べということだと思うのですが、
「完全に根を引き抜く」→「新しい発芽を抑制する」のであれば、夏である必要は
ないのでは?
恐らく完全に根を引き抜くのは難しいので、効率の良い駆除方法として夏季の
薬剤散布、根への薬剤塗布といった方法をとってきたことで「夏の間……」が
定説になっていただけのことではなかろうか。
元気いっぱいの敵をやっつけるより、静かに寝ている時に攻撃したほうがいいような
気がする。何といっても、こちらは夏よりもこの時期の方が断然元気だし。クズに
与えられるダメージが冬の間は少なかったとしても、私たちの体へのダメージを考えたら、
この時期の作業はトータルの効率は悪くないと思う。
ヤツラが目覚める直前の、寝込みを襲う作戦でやっつけたい!!
(全部を引き抜けないので、薬剤を使う従来の方法も併用する必要はありますが)
■松葉かきもしたい!
これまで健全な松林の保全のために、松葉かきなどで林床を乾燥させた状態にしておく
ことの重要性を学んできた。公園などのように景観維持も必要な場所ではないし、
あまりにも広大な面積なので、松葉かきにまで労力を割けないのは分かるけれど、
今回作業した場所は松葉に加え、クズの葉もかなり堆積していて、ミミズやダンゴムシ
など、ジメジメを好む虫たちがたくさん発生していた。何とかしたいなぁ……。
だって、見てください。2月末に作業してくれたこの林床。マツだって嬉しいに決まってる。
堆積物を集積する場所もないといった課題はありますが、やっぱり何とかしたいなぁ。


余談ですが。
練習試合の結果がよかったようで、大事なオシゴトを終えた吉田がめずらしく
私とMさんの作業をねぎらい、あたたかいものをごちそうしてくれるといって
ラーメンを食べに行きました。今思えばあれも何かのシタゴコロだったかも……。
ともにマツ材線虫病と戦う人を増やすために
吉田です。3月14日(土)の仙台防災未来フォーラム2026のトークイベントと、翌日のボランティアリピーター対象の、松枯れ現地視察会を終えました。
ただでさえ関心が低い「海岸林」に銘打ったトークイベントには、本当に聞きに来てくれる人がいるのか不安でした。やはり結果は定員の半分しか聴講者を得られず、パネラーの方たちに申し訳なかったです。行政当局の方たちにも案内しました。このホームページも見ていただけてないことも、あらためて痛感しました。フォーラム会場には多くの来場者がありましたが、自分の非力さと、前途の厳しさを思い知りました。
トークイベントの印象を一つ言えば、話題提供役で森林総研東北支所の中村克典さんが繰り返した、仙台湾岸の海岸防災林の「特異性」です。全国稀に見る巨大面積、マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツの大量導入、前例のない人工盛土上の植栽、海岸林初と言える事業規模の本数調整伐など、初物ばかりの事業地で、これからどう松枯れや葛などと戦うのか。中村さんのコメントには、「戦略を持て!、勇気をもって戦え!、優れた前例をつくって見せろ!」という気持ちが込められていたと思います。意気に感じて戦おうと思います。
震災後の宮城の公開イベントで松枯れについて堂々と触れたのは、昨年10月の全国育樹祭の併催行事と今回とぐらいでしょう。いすれでもオイスカが口火を切ったと思います。じつはこの松枯れ問題は、口に出すこと自体に怖さがあるのです。それでももう我慢ならないのです。今回もオイスカ宮城県支部副会長の太田良治さん(ユアテック㈱相談役)をはじめ、盟友中の盟友のリピーターの皆さんと、公の場で問題を共有できました。「しっかりした知識が欲しい」と思って聞きに来てくれたのだと思います。来場者は少数でしたが、本当にうれしかったです。太田さんからは、公に訴えることの大切さをアドバイスいただき、励ましていただきました。トークイベントに登壇してくれたイラストレーターico.さんからは、われわれの究極の目標の「愛される最強の防災林」を目指すための、新しい提案をいただきました(内容はまだナイショです)。中村さんからは「オイスカさんは、本当にいいチームですね」と言ってもらえました。私たちには、ともに戦ってくれる心強い仲間がいます。
これまで15年同様、少しづつ仲間を増やしながら、なにごとも常に先陣を切って走ろうと思います。


すべての仕事が終わったあとは、
名取北高校野球部の練習試合を大槻さんと石見さんと伊藤さんとで応援に行きました
おはようございます。
松枯れ問題も
火災も
ゴミも
近くに住み人がいないのが
根本的な問題と思っています。
震災後、非居住地域に指定された。
震災はいつ起こるかわからん。
人はそんなに弱くはない。
人の営みを戻すべきと思っています。
生きていく人たちの知恵はその地に根付いていると思います。
学術的に語られても実効性はそれほどないかと思います。
もちろん専門家の視点は重要です。
それでも実行、行動できるのは
その場で生活している人たちかと思うのです。
なんとか人が住める地域にならないのかな。
いつも願っています。
吉田さんはじめ、遠くから活動に参加してくれている人達には
感謝しかありません。
ただ、継続して環境が維持できるかどうかは
住民がその場に関与していける状況を成立していかなければならないかと思います。
近代化された今では難しいのでは
海は余暇で訪れて、一時的に楽しめる場所
自分たちの生活のほんの一時存在すれば良いもの
そう考えている人がほとんどかもしれません。
しかし、その環境がなくなることによりどれほど
自分達の生活にマイナスになることを理解できるように
なるのはさらに難しい課題かもしれません。
それでも我々が保存しようとしている環境は将来に渡り、
どれほど重要なものかを分かってほしいと思います。
なので、命ある限り未来の生きる人にその意思を伝えていきたい。
です。
がんばろー
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こんにちは、2025年度インターン生の渡邊です。(理化学を専攻していく東京の女子大生さんです。談:吉田)
2月28日の海岸林ボランティア会に参加させていただいたので、その報告をしたいと思います。今回は、名取北高校野球部の皆さん、ご父兄、リピーターボランティアさんとの作業でした。
今回の目標は2つ。1つ目は、夏のボランティアとの活動の違いを体験すること。2つ目は、マツ材線虫病(通称:松食い虫病)の状況を知ることでした。
目標1 夏のボランティアとの活動の違いを体験すること
前回参加させていただいた時は葛取りを行いましたが、今回は、枝払いを行いました。葛を刈る際に枝が障害となるため、この作業を事前に行なっておく必要があるのです。葛取りの作業の際もそうでしたが、他の人を配慮して作業をすることの大切さを考えさせられました。葛を取る人が困らないように枝を切る、切った枝を重機で運びやすいように集めるなど、次の作業を想像することで、今何に気をつけるべきなのかを考えるべきなのだと思いました。
目標2 松食い虫病の状況を知る
松食い虫について知りたかったことが今回ボランティアに参加した大きな動機となっています。昨年9月の名取での活動の際に、松枯れについて教えていただいたことをきっかけに、もっと知ってみたいと思うようになりました。
2日目の午前、吉田部長に松食い虫病の被害状況について教えていただきました。
ここからは、事前に調べたことも含めお伝えしたいと思います。
釈迦に説法ですが、松枯れは、マツノマダラカミキリによって運ばれてきたマツノザイセンチュウによって引き起こされるものです。以前は、マツノマダラカミキリをはじめとした8種の穿孔性甲虫類が一次性害虫として松を枯れさせている、という説もありましたが、枯れ松の根やその周りの土壌を用いた菌の分離作業の際に見つかった線虫をきっかけに、松枯れの犯人がマツノザイセンチュウであることが分かりました。そして、体長1ミリ程度の線虫の移動方法として、マツノマダラカミキリがマツノザイセンチュウの乗り物になっていることが分かりました。
さて、前置きはここまでにして、実際に見せていただいた松を示します。まず、松が枯れていても必ずしも松くい虫病によるものではないそうです。例えば、この松は、松くい虫病にやられてしまったものです。幹にマツノマダラカミキリの痕があります。

モサモサしているものは、マツノマダラカミキリによる切り屑と糞(フラス)だそうです。松くい虫病の目印となります。
通常マツノザイセンチュウは、松の上の方から侵入しているようです。そのため、枯れている松(松くい虫にやられているかどうかわからない、怪しい松)を見つけたら、木に登り、噛み痕?がないかどうか確かめるそう。

こちらの松は、枯れた原因が不明。マツノマダラカミキリの痕はみられませんでした。

こちらは、先日の不審火によって焼けてしまった松です。
オイスカの管理している場所では、まだ松くい虫病の被害は大きくありませんが、すぐそこまでやってきているようでした。

例えば、この松はオイスカのエリアのすぐそこにあったものです。この写真では産卵痕か摂食痕かわかりませんが、、、とにかくボロボロの松です。キツツキがマツノマダラカミキリの幼虫を食べようとしたため、木がボロボロになったそうです。
健全な松で摂食中のマツノマダラカミキリの気門から、線虫が松に移動しそこで松を枯らせる。そして、枯れた松にマツノマダラカミキリが産卵をする。そこでマツノマダラカミキリが幼虫から成虫になり、飛び立つ。マツノマダラカミキリは、樹脂分泌の低下した松寿にしか産卵できないので、松を枯らすマツノザイセンチュウと相利共生の関係です。
成虫が羽化して新たな健全な木に飛んでいく5月頃までに、これらの枯れてしまった松にいる線虫を駆除しなければならないようです。が、処理が追いつかないほど、松が枯れてしまっているようで、その現状を教えていただきました。

亘理町の松です。いつ倒れるかわからない松で、全て松くい虫病にやられてしまったものです。一昨年に枯れてしまった松が放置され、今年松くい虫の被害が拡大し、今のこの姿となっているようです。今年も松を放置すれば、更に被害は拡大し、じきに名取までやってくるだろう、とのことでした。

少し高いところから見渡すと、多くの枯れた松が見られました。枯れた松はとても脆く、切るのにも一苦労だそうです。切っている際予想しない方向へ木が倒れていく可能性もあり、林業者も逃げることを念頭に置いて松を切るようです。
数百本もの枯れ松、全てを処理することはとても難しそうです。
そして、名取から東京への道中、枯れてしまった松が多々見られました。
今回吉田さんに様々な場所の松の状況を見せていただき、想像していたよりも深刻な状況であることが分かりました。そして、枯れた松の対処が追いついておらず、今後も被害が深刻になっていくだろうことも予想されました。
今回見た現状を忘れず、今後もこの問題に関心を持ち続けていきたいと思います。
以上より、今回たてた2つの目標は達成できました。今回見た海岸林は、長い海岸林の歴史のほんの一部です。海岸林がどのように変化していくのか、今後も見ていきたいと思います。そして、また名取に訪れたいです。
余談
枯れの状況を見たあと、吉田さんが震災遺構の中浜小学校や、東日本大震災・原子力災害伝承館へ連れていってくださいました。震災当時のことははっきりとは覚えていないのですが、計画停電の暗い中で夕食を食べた記憶は残っています。津波による被害をそのまま残している中浜小学校や、私たちの生活に大きな影響を及ぼした原発事故についての展示を見て、改めて震災について考える機会となりました。私はどうしても今、目の前のことに夢中になってしまいがちですが、こうした過去の出来事にも目を向け続けなければならないのだと思いました。
参考文献
二井一禎著、松枯れは森の感染症 森林微生物相互関係論ノート、文一総合出版、2003/11/08
吉田です。15年の節目の日を迎えました。あまり書きたくないことですが、残念ながら、はっきり書かねばなりません。名取海岸林も半永久的な「マツ材線虫病」との闘いが始まりました。逃れられない病気です。今年、全国で大きな被害を出していることは、これまでブログで数々紹介してきました。
森林害虫は400種類以上と言われていますが、梅には梅の病気があります。10数年前、青梅市の梅は全滅しました。コナラなどの広葉樹はカシノナガキクイムシがとうとう北海道にも侵入。ソメイヨシノにもクビアカツヤカミキリ、大台ケ原、富士山、蔵王ではトウヒツヅリハマキの大被害を受けました。
昨年3月以降、マツ枯れを思わぬ日は、本当にただの一日もありませんでした。とうとう「決して逃げられない敵」がオイスカが管理する内陸防風林に侵入し、2015年にわれわれが植えた宮城県産マツノザイセンチュウ抵抗クロマツが枯死したのです。すでに名取市内のオイスカ管理地外が発生源になり、拡大したのは明白です。この病気の怖さを知らない関係者が多いことにも戸惑っています。なにしろ「初期対応」です。「油断」「不勉強」が禁物です。松林が真っ赤になり、数年のうちに壊滅するのです。「1本ぐらい見逃してもいいだろう」という甘い対応が一番ダメなんです。森林・林業の大家、東大名誉教授の太田猛彦先生は、この「マツ材線虫病」という病気を「エボラ出血熱」に例えたことがあります。根絶は極めて困難なのです。ですが、施業技術は確立されています。覚悟を決め、なすべき時までに確実に対処して、微害に抑えている事例はあります。
昨年3月19日、ラーメン「ねぎっ子」に行く途中、空港敷地内北側とそれと接する内陸防風林のが金色に変わったことを確認しました。いわゆる「越冬枯れ」と疑いました。4月2日、マツノマダラカミキリが脱出するまでの至急の対応を願って地元会員企業に仲立ち・同席いただき、空港職員の方々に説明しました。同時進行で、市役所にも所轄の宮城中央森林組合から申し出ていただきました。もちろん、県にも国にも状況説明・対応を繰り返しお願いしました。しかし、5月には必ず終えているべき肝心要の「伐倒駆除」「破砕もしくは薬剤燻蒸」の不履行を見て、この夏以降の被害拡大を確信しました。この病気の恐ろしさが知られていないこと、全国からの数多の寄付と27,000人のプロ・ボランティアの努力が何とも思われていない現実に、責任者として非常に悲しい思いと自分の力不足を感じました。
「被害は広がる」と思い、記録を続けています。9月上旬以降は、毎週のように東京名取を往復しましたが、そのたびに被害木が増えました。森林組合の方たちの、この春の身近な場所での「越冬枯れダメ施工実例」への憤りを聞きました。「お金をドブに捨てている」と。
10月4日の全国育樹祭「育林交流集会」シンポジウムの朝、空港東の残存林南端にまた新たなマツ枯れを見つけてしまい、非常に悔しい気持ちでリハーサルに向かいました。プレゼンを前に暗澹たる思いでした。私も10年か20年に1回ぐらいはガックリすることもあります。さらにシンポジウム会場である人に、「吉田君は松枯れにはならないって言ったじゃん!」と言われました。世間では「マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ=枯れない」と思われているんです。自分の名誉のために書きますが、そんなことは、一度も言ったことはありません。それよりむしろ、14年を超える道のりの、27,000人への労いの一言もなく。これが社会一般から見た認識です。全国育樹祭の宮城開催という日ながら、内心は空しかった・・・。あらためて、プロジェクトを取り巻く現実社会を再認識する日となりました。
全国育樹祭を終えて帰京した晩、大勢の人から松枯れ被害を責められる「夢」を見ました。昔、クロマツばかり植えることをなじられる夢も見たし、現実にもありました。オイスカが責められるのはいくらなんでも見当違いです(笑) でも事実、そういう人も出てくるでしょう。冷やかしや粗探しもあるでしょう。それでもあの頃のように辛抱します。
以降、予想通り海岸林まで被害が拡大し、11月1・2日の独自調査で市内沿岸部全体で188本を確認しました。うちオイスカ協定外が65%です。名取の数㎞南から先はとうに激害地。名取でもはじめの一歩が始まったとの認識しています。11月13日、懇意にさせていただいている当代一流の専門家、森林総研東北支所の中村克典さんも被害確認に駆けつけてくださりました。中村さんのような熱意のある方々のお世話になりながら、松くい虫病防除のモデルを目指します。私はこれまで15年間、全国各地の激甚被害地、徹底防除先進地をいくつも訪ねました。この文章も、「過去最大の松枯れ被害」と報道されている宮崎県の「一ッ葉海岸」(「シーガイヤ・リゾート」で知られる)で書いています。この数年、伐採が追い付かない年が続き、被害が拡大したようです。12月には松枯れ防除実践講習会in宮崎(全国から100人余り参加。私は参加2回目)も受講しました。もう枯れてないだろうと思った2月末、また新たな松枯れ被害木を4本(林内2本・仙台東部道路名取IC内2本)発見してしまいました・・・
一般市民対象に、今週末14日(土)、仙台防災未来フォーラムで勉強会をします。ぜひご参加ください。全国の事情に精通する超現場型専門家の中村さんをお招きしました。
「マツ材線虫病」との終わりのない闘いが始まります。ですが、名取だけじゃダメなのです。県内各市町と地元関係機関の理解と連携、行政の徹底対応が何より肝要です。関係者が一から研修・勉強会を始めないといけないのでは。わかってるふりは、もうたくさんです。いろいろな場面で、「オイスカはお金があるから、松枯れ対策は彼らにさせておけばいい」という本音を垣間見ることもあります。「われわれの資金が底をつき、名取で頑張れる寿命が短くなるシュミレーション」の現実化も感じます。コストがかかるのはマツ枯れだけではありません。葛との戦いも道半ば。2027年度からは樹高10mを越えている本数調整伐2巡目も始めるでしょう。
これまで15年、多くののプロ・ボランティアとともに全力を尽くし、納得のいく施業ができました。あらためて皆さんに心から御礼を申し上げます。そして今、マツ材線虫病との徹底抗戦を宣言し、最強の海岸防災林を目指します。これからもご協力のほど、よろしくお願いします。
不動の決意で頑張ります。

2015年植栽「内陸防風林」の枯損確認







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三浦さんが発見






「フラス」(糞と木くず)
罹患を確信

「フラス」(糞と木くず)

このあと11月に調べつくし、名取市沿岸で188本の枯死を確認。以下は、2026年になって見つけた4本。




県立名取北高校野球部が今年も!

吉田です。河北新報の運動部記者さんから、「吉田さんにとって北高野球部の存在とは?、今日のこの日はどんな日?」的な質問を受けたのですが、たしか、「とても楽しみな日」などと答えたような・・・
2月28日(土)8時半、北釜防災公園に選手・マネージャー23名、監督・顧問2名、父母のみなさんは去年よりはるかに多い22名が集合し、ボランティアリピーター15名、職員2名と現場で合流、夏の葛刈り準備として、マツの「枝払い」を行いました。13班に分かれた筋金入りリピーターの皆さんが、しっかり指導してくださるので、作業が始まれば安心です。しかも、今日この場所は完了させたい!と思った場所を、ゆとりをもって仕上げてくれました。無意味に枝を伐らず、必要な箇所だけ伐ってほしいという指導がうまく伝わったと思います。その内容あれこれは、近日中にオイスカ本部ブログにも載ると思いますし、東京本部の大学生インターンさんもこのブログに書いてくれるはずなので割愛します!3.11までに、河北新報にもスポーツ欄と県内版に2度掲載されるでしょう。

と聞いてます







ところでこの前夜、オイスカ本部職員で私の部署の倉本さんと名取のラーメンの名店「いぶし」に向かう途中、日没後の小雨のなか、グラウンド照明が灯っているので覗きに行くと、なにやら大きな歌声が・・・。こういうシチュエーション、自分にもあったなあ~と思いながら、しばし歌声を聞き入り、そっとグラウンドを後にしました。その「いぶし」の帰り、マネージャーさんが我々に気づいて挨拶してくれました。雨だったし、女性職員が同乗者だったので、名取駅まで車で送り、そこで練習終わりには校歌を歌うと教わりました。そうか~~、明日も作業の終わりに、堤防の上で海に向かって歌ってもらおうかな~~(以前、香川県立高松北高校も歌ってくれたな~と思い出しながら)
春のセンバツ高校野球21世紀枠は、惜しくも!でした。ですが冬の間、しっかり鍛えたようで、先生たちも手ごたえを感じているようです。3月第2週からは練習試合が解禁。3月15日(日)午後は、山形の強豪、鶴岡東高校との対戦とのこと。北高グランドでも、角田市営球場でも応援に行こうと企んでます。
監督さんからは「年に1回のボランティアでは少し物足りないから、冬に体力づくりにもなる作業があれば検討したい」と言ってくださりました。もちろん、受けて立ちます!溝切りしたい場所はまだいくらでもありますから。新1年生が大勢入りそうと聞きました。楽しみが増えるばかりです。






ある試験地づくり
吉田です。やはり名取事務所佐々木統括は、本当に凄いと思います。今年1月、「葛は、本当に夏でないと枯殺できないのか?」試験の指示を受けました。常識を疑う・・・さすがです。大賛成しました。ですが、私はこの思考には及びませんでした。これまでもこういうシチュエーションは何度もありました。そのたびに自分はまだまだと自覚します。
某大学理工学部の大学生インターンさんが「試験地づくり、楽しみです!」と言ってくれた返事で、「作業は小学生でもできるよ」と返したら、「かえって興味あります!」と。ならば良かった。やはりリケジョ。好奇心旺盛でした。
少なくとも東北の被災海岸林では誰もやってないでしょう。こういう現場ネタは、これまでもオープンに紹介してます。ですがその反面、誰も真似しないところを見ると、いかにこのブログが、海岸林に関係する東北の人に読まれてないか、よーくわかっています(笑)だから、今日はあまり詳しく書く必要もないでしょう。
2月28日(土)、北高野球部と別れた後の午後、総勢17名は、嬉々として、試験地づくりを始めました。嬉々として・・・試験の結果次第では、今後の作業が激変すると、よーくわかっているのです(笑)













施工前

施工中

施工後

施工前

施工中

施工後
17人×2時間=約300㎡の四角い試験地が1つ出来ました。みんな夢中。今日はぜんぜんしゃべらない。IBEXの栗原さんが「葉っぱが刈れてるし、楽だねー」と。この言葉には、万感の気持ちがあると思いました。薬剤塗布すると、夏ほどではないけど、葛の切り口がうっすら紫色に変わる様子も分かりました。枯れてるようでも樹液は動いてるんですね。もし時間があれば、月を変えて試験地をつくるのも悪くないと思いました。
試験結果は5月にわかります。これは楽しみだ・・・あー今日も面白かった。


大阪マラソン2026 無事終わりました!
吉田です。2月22日(日)、今年も宮城、東京、千葉、愛知、大阪、岡山などから24名が走って下さりました。ご協力いただいたすべての皆様、いつも本当にありがとうございます。
ランナーの一部を紹介しますと、熱烈な法人会員のネクスタ、化学総連、JR西労組、地球のために、リタ・マークスからの代表ランナーや、愛知からはダスキン社員で個人会員の佐藤さんや、長年の技能実習受け入れ先で自動車整備業の「ワイルドグース」社員の速水さん、特定技能実習生(実習先の豊田市の養豚業「トヨタファーム」から彼に手厚い協力をいただきました)のフィリピン人1人。フィリピン本国からは政府農業担当者とご子息の3名。
そして、宮城からは現場ボランティアの超リピーター、鹿島建設東北支店次長の佐藤さんが!!
その写真報告を、私が事務局長を務めるオイスカ関西支部HPに連載しています。
名取に毎年来てる人が何人も写っていますよ。写真報告⑤は、現場リピーターでUSJのプロカメラマンら「例のあのチーム」の撮影協力の賜物。今回の大阪マラソンでも、離れた場所に住むボランティアの皆さん同士が、顔なじみになり、再会に驚き、じわりじわりと繋がっていくのを、ひしひしと感じます。




走ってくれた息子さん

右:関西支部の上村会長(JR連合会長)今年も丸一日、応援隊。
【セミナー開催予定】3月14日(土)午後 『宮城の海岸防災林のこれから ~全国の好事例に学ぶ~』in仙台防災未来フォーラム2026(国際センター)
吉田です。まだ、告知開始前ですが・・・予告です。全国の現場に精通した森林総合研究所の専門家、オイスカの現場責任者による発表と、地元市民を交えたトークイベントを予定しています。(翌日午前中は、オイスカ海岸林ボランティアリピーター限定で、現場で「松枯れ勉強会」をしようかと相談しています。(この時期ですと、いわゆる「越冬枯れ」が始まっているかもしれません)
行事名:仙台防災未来フォーラム2026
日 時:2026年3月14日(土) 13:30~15:00
場 所:仙台国際センター 展示棟 会議室4-A
アクセス:地下鉄東西線「国際センター駅」下車
登壇者:専門家:森林総合研究所東北支所 中村克典様
市民代表:イラストレーター ico.様
オイスカ 吉田俊通・浅野奈々穂
協力:国土緑化推進機構「緑と水の森林ファンド」
申込先:公益財団法人オイスカ 海岸林担当(吉田)
kaiganrin@oisca.org TEL: 03⁻3322⁻5161





