宮崎県の海岸林③ ~一ッ葉海岸中心部~
吉田です。一ッ葉海岸林は面積413ha、全長10㎞、平均幅450m、最高樹齢170年以上。写真ではわかりませんが、内陸側に向かって緩やかな傾斜と連続砂丘が続き、最も内陸側はかなり高い砂丘となっていました。(佐土原地区も同様でした)松枯れは1981年~。

左上に見えるのが富裕層をターゲットにして経営復活したシーガイヤ。この会社と行政が、それぞれ応分の負担をして海岸林を維持管理しているのが大きな特長と聞いていました。写真の通り、松枯れは皆無ではありません。官民連携による時機を失さない施業など最善の努力の結果、微害に食い止めていると見えます。何が何でも守ねばならない海岸林と位置付けているのでしょう。*シーガイヤHP





上からの写真はコンドミニアムの最上階から撮影。私の宿は真下の森の中のコテージ(左下の写真)。


ヘリ散布が出来ないので樹冠注入。
高価ですが、効果は7年。












このシーガイヤを北上すると、昨日紹介した②の佐土原地区石崎浜になります。




一方、波打ち際では海岸浸食対策が続いています。アオウミガメの産卵地でもあるそうです。







昼メシはチキン南蛮!(前夜に続き)とシュミレーションしてましたが、目一杯見過ぎたので断念。「松枯れ防除実践講習」に向かいました。そのかわり、もう一か所立ち寄り。宮崎空港の西端にある特攻隊の慰霊碑に。






宮崎県の海岸林② ~宮崎市佐土原町石崎浜~
吉田です。木崎浜から大淀川を渡り、両側に海岸林を見ながら走れる一ッ葉海岸有料道路を北上。ポツポツしか松枯れがないシーガイヤ付近を通過すると、遠くに茶色が見えました。いわゆる激害地でしょう。この14年半で、秋田、福島、宮城、千葉、静岡、長野、香川、福岡の惨状を見に行きました。被害拡大の要因の一つとして、あまりの被害木の多さに、予算面や人的に伐採・処理が追い付かずタイムアップとなって、マツノマダラカミキリが大量に羽化してしまいます。ここの現場の激害化への進行は今年始まったことでなく、数年前からだろうと思いました。
クロマツ海岸林には、こういう恐ろしいリスクがあることをよく知っている人は多くありません。行政マンでも、無知や誤った解釈をしている人が多いのが事実で、一般市民であればなおさらです。激害地になる可能性があることなど、信じられないでしょう。森林の被害は様々です。蔵王の樹氷を形作る青森ヒバが「トウヒツヅリハマキ」に侵されていることも、広葉樹の「ナラ枯れ」(菌をカミキリが媒介)が全国に蔓延していることも、私の自宅がある東京・多摩地区の、青梅市の梅がウメ輪紋ウイルスに感染し(2009年)、4万本が伐採されたことも、ソメイヨシノの外来種クビアカツヤカミキリ被害が15都府県に蔓延していることも、かなり報道されていますし、防除・再生の努力も続けられています。職業柄、無関心ではいられません。






ただ、ここは最内陸側一帯が広葉樹林化していました。防災林機能としてこれが唯一の救いに見えました。ですが、最前列の被害箇所はいずれ抵抗性クロマツの再造林をすると思います。広葉樹では無理でしょう。


今回の宮崎海岸視察では、海岸浸食にも注目しました。宮城の海岸も同様ですが、波打ち際にも、海岸林にも、厳しい環境があり、努力の様がありました。







【TV放送&見逃し配信】12月20日(土)午後5時25分~ ミヤギテレビ「~フジパンPRESENTS~ミライのタネ見っけ!」
番組HP:https://www.mmt-tv.co.jp/program/mirainotane-mikke/
放送日:12月20日(土)午後5時25分~予定(約2分間)
放送終了後には「ミヤテレMoTTo」というサイトにて、約3か月間の見逃し配信を実施いたします。
※youtubeではなく、ミヤギテレビの独自サイトになります。
ミヤテレMoTTo: https://www.mmt-tv.co.jp/movie/
ミヤテレMoTTo ミライのタネ見っけ!: https://www.mmt-tv.co.jp/movie/c_lbjwbfdwh3xi8d87.html




宮崎県の海岸林① ~木崎浜46ha~
吉田です。日本緑化センター主催の「松枯れ防除実践講座」参加のため、11月30日(日)に1日早く宮崎空港に降り立ち、翌日午後の開講までの半日×2を現場実踏に充てました。
(私がオイスカで働き始めた)1994年、林内にシーガイヤリゾートが開発されつつも、それが良い面に働き、よく管理された「一ッ葉海岸」として知られています。首脳会議をやるほどの場所です。ですから是が非でも守らねばならないというアドバンテージが働いていると思います。ですが、今年の全国の松枯れ報道を調べると、宮崎県も酷い被害を受けていると知りました。*2025年の松枯れ被害報道
まず空港から南へ。観光地「青島」の北、「木崎浜」へ。WBC「侍ジャパン」や読売ジャイアンツのキャンプ地の総合運動公園があり、「サーフィンの聖地」と県庁の方は言ってました。
最内陸部は南国らしい広葉樹林。さすがに東北とは違う林相です。ですが、その広葉樹もつかの間で、想像以上にクロマツ中心で、「明るい」海岸林でした。陰気さゼロ。ここでは松枯れ対策の薬剤ヘリ散布を毎年実施した結果、被害木はごく少数。海に出ると、今度は海岸浸食の爪痕とその対策工事が目に留まりました。砂浜もマツ林も危機と隣り合わせという、全国の沿岸の典型的な現状そのもの。
下の写真は、波打ち際から最内陸部に向かって400mあまりを歩いた写真です。










10,000本/ha植え










穿入孔








本数調整伐・衛生伐採(よく育っていない弱いマツを先行して伐る)はしていないようでしたが、毎年確実に松枯れ被害木を伐倒駆除・バイオマス発電利用(需要が十分あるため、林内燻蒸処理の必要なし!)する成果として、林内は見通しがよく、とても明るく、作業道は散歩する人・陸上部の若者に利用されていました。自然砂丘のアップダウンがトレーニングに有効でしょう。ゴミはまったく見かけません。ただし、明るい林内ながら、最内陸林縁部以外の広葉樹への樹種転換(クロマツ全滅となった場合の備え)が意識されていると感じましたが、私が想像していたより最内陸に留まっていました。やはり前面部のクロマツを大事にすることがまず肝要なのでしょう。
翌日の講座ではイヤホンマイクが用意されたため、専門家の方々の解説や会話をしっかり聞けたのですが、元石川県庁職員で樹木医の講師の方が「正直に言って、松枯れ対策など非常によく管理されている」と繰り返していました。

下の写真は、内陸側の人家や畑から見た木崎浜海岸林です。








ゴミゼロ
全国初!宮城の海岸防災林がJ-クレジットの森林管理プロジェクトに登録!
■宮城県=東日本大震災から再生した海岸防災林がJクレジット登録|クリーンエネ – リム情報開発リム情報開発
https://www.rim-intelligence.co.jp/news/rre/1815288.html
■全国初!海岸防災林がJ-クレジットの森林管理プロジェクトに登録されました!
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sinrin/mgcpj-credit.html
吉田です。ここまでご尽力された担当当局の方々には頭が下がります。ですがまだ第一関門の段階。道のりは長いと思いますが、大願成就を願います。我々としては、海岸林の多機能な存在意義とともに、CO2削減の「取引商品」としても価値が高くなるよう努力するのみです。


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こんにちは、インターン生の柴﨑です。
11月13日、マツ材線虫病の研究の第一人者で森林総研東北支所の中村克典さんとオイスカ名取事務所佐々木統括と吉田さんと一緒に、松食いの被害が出ている地点の視察に同行させていただきました。
中村さんは、罹患が疑われる松を見つけると迷いなく森に入り込み、松にも登ってしまいました。まさに現場主義、課題解決型の専門家(談:吉田さん)。なおかつ、とても視野が広く、物腰も柔らかな方で、知識の足りていない私にも理解できるように分かりやすく丁寧に教えてくださいました。
身に染みて感じたのは、”正解は時代とともに変化していく”ということです。視察後の中村さんと吉田さんとの夕食で、“”行政マンや現場第一線の実務者の知識・経験と、現在も研究を続け、情報を更新し続けている研究最前線とは、ときに食い違う部分がある“”と聞きました。“”情報のアップデート“”、どちらもその時代の正解であったことは間違いありませんが、その正解自体が変化し続けていると感じました。自分も今大学で学んでいますが、社会に出てからも更新され続ける情報を学ぶことを辞めてはいけないのだと思いました。








15日は多くのボランティアさんと一緒に、モニタリング調査を行いました。今回、今までと大きく変わったのは、今までのように参加者側として吉田さんや浅野さん、ベテランの方々についていくのではなく、受け入れ側としてボランティアの方々を先導する役割を担ったことです。
指定されたプロット地点に行き、松の成長の調査を行ったのですが、事前に下見ができていなかったプロットがあるとまずプロットを探すのに時間を使ってしまいボランティアの方を待たせてしまう時間がありました。(吉田の地図記載ミスです!ごめんなさい!!)また、道案内や測定の方法などについても、自分の1つの行動や発言がチームに与える影響が今までよりずっと大きいなと感じました。指示を出す側は、発言が力を持つ分、その発言に責任を持たなければなりません。そのための準備は最大限するべきだということ、当日予想外のことが起きたとしてもその場で優先順位を考えて最善の動きを決めチームが混乱しないようにすることの重要性を改めて感じました。
責任の生まれる役割を任せてくださったことでとても成長できた時間でした。オイスカでのインターンを通じて得られた教訓や学びを必ずこれからの人生に生かしていきたいと思います。




吉田です。マツ材線虫病対策の第一人者、森林総研の中村克典さん来訪を11月13日に控え、最新のマツ材線虫病被害調査だけのために、11月1・2日に一人名取に来ました。空港北側敷地内、隣接する内陸耕地防風林、空港誘導灯両側の市管理地、生物多様性配慮ゾーン、八間堀沿い、岩沼市最北端海岸林、そしてオイスカ管理の海岸林、合計188本をこの調査で確認。詳しいことはよく整理したうえで後日書きます。
ですが、一つだけ良いことがありました!!北釜残存林で、森林害虫を探すアカゲラの群れと偶然遭遇。辛うじて初撮影成功。慌てました。手が震えました・・・ほんとにあっという間に皆いなくなってしまいました。
案外大型なんだな。仙台空港敷地内の被害木群にも見慣れぬ群れがいると思ったのですが、あれもアカゲラだったとわかりました。
「マツ材線虫病に有効な天敵はいないのか?」と時々聞かれますが、「すべて」のカミキリムシを羽化して飛び立つ前に100%食べてくれるならいいのですが。カミキリの数も数ですし、とても不可能です。




ついでに、悪いニュース。空港誘導灯沿いを被害調査しながら耕地に出ると・・・最悪の雑草、侵略的外来種ワースト100の「アレチウリ」群を発見。0.05haぐらいか。地主が早く何とかしないと・・・



吉田です。山形県の松枯れの「激害」が全国ネットで報道されました。秋田も福島も大きな被害が出ています。宮城の海岸防災林も植栽から10年が経っています。対岸の火事ではないのです。来年はボランティアの皆さんに向けて、「松枯れの勉強会」「被害地視察会」も検討します。
【動画3分】FNNプライム(さくらんぼテレビ) 11月28日 「過去最悪の被害…庄内海岸林の松枯れを吉村知事が視察 伐採追いつかず二次被害も」 JAの地元代表の方が、「沿岸農業を守って!」とコメントも https://www.fnn.jp/articles/-/967427
県全体で「海岸林再生プロジェクト」 庄内地域拡大松くい虫被害 知事視察地元要望に組織設置へ|2025年11月30日付紙面より|荘内日報ニュース−山形・庄内|荘内日報社
被害僕の伐採がこの数年まったく追い付いていなかったようです。庄内海岸は、とにかく広大。内陸耕地防風林に共有林等民間所有が多いという特色があったと記憶しています。プロジェクトネーミングのダダ被りはスルーして、今後のために、今年4月以降の主な報道を記録しておきます。
読売新聞 5月21日 佐賀県唐津市の「虹の松原」で松が枯れる被害防げ…マツノマダラカミキリ防除へ3時間半かけ薬剤を空中散布。1973年から毎年この時期に、松を枯らす線虫を運ぶカミキリを減らすために、佐賀森林管理署(佐賀市)が行っている。同管理署によると、近年はマツクイムシの被害は横ばいで落ち着いているという。 https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250521-OYTNT50073
朝日新聞(琵琶湖北岸) 6月4日 「松林で松食い虫の被害拡大、伐採や薬液注入 高島市が対策へ」 今城克啓市長は5月26日の会見で「観光資源としての景観を守るために緊急性が高いということで実施する」と話した。市は、伐採や薬液注入にかかる約2310万円を、今年度の一般会計補正予算案に盛り込んだ。https://www.asahi.com/articles/AST633WJZT63PTJB004M.html
福島民報社 6月10日 「福島県須賀川市の翠ケ丘公園、松枯れ危機」 2023年度福島県被害全国3位 温暖化で害虫生息域拡大 https://www.minpo.jp/news/moredetail/20250610124869
沖縄タイムズ 6月18日 「樹齢250年超える国の天然記念物「五枝の松」に松くい虫 沖縄・久米島町、きょう対応協議 被害判明から2~3か月で枯死の恐れ」 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1606675
【動画2分】山形テレビ 9月4日 「ドローンを使って薬剤を散布! 「松枯れ」被害を食い止めるための研修会(山形・鶴岡市)」 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2150728?display=1
沖縄タイムズ 9月19日 「久米島の国指定天然記念物、枯死と判断 松くい虫被害「五枝の松」 沖縄県の復帰後初めての指定解除へ」 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1673444
新潟日報 9月22日 新潟県内の松くい虫被害、2024年度も高止まり…夏の高温少雨が影響か https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/694617
熊本県民テレビ 9月24日「原因は1㎜未満の虫 天草の海辺の松枯れる 観光に影響懸念も」https://news.ntv.co.jp/n/kkt/category/society/kk7499f73b817248b5ad462b1d40e5506c
信濃毎日新聞 9月25日 「辰野町が松枯れ対策本格化へ 住民説明会の意見取り入れ、11月ごろに計画まとめる」 https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2025092500129 *迅速な処理を行うために11名の方に松林監視員を委嘱し定期的に山林を監視しています。住民の皆さまも、ご自宅の周りで松枯れを発見されましたら、ぜひ産業振興課松枯れ緊急対策係までご連絡ください。(辰野町HPより)
宮崎日日新聞(Yahoo!ニュース)9月28日 「「松くい虫被害」県内急増 24年度1万600立方メートル、2年前の5倍 夏の高温少雨影響か」https://news.yahoo.co.jp/articles/ff8648a7419b9f2938d466c8a337cab56a3cad62
宮崎放送 10月8日 「切り札の「抵抗性マツ」も枯れる 深刻化する松くい虫被害の実態 ドローン活用に活路も」 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mrt/2215170
山形新聞 10月30日 「松くい虫被害、過去最悪 庄内海岸林、今夏の高温少雨要因か」 https://www.yamagata-np.jp/news/202510/30/kj_2025103000867.php
荘内日報 10月31日 「被害木18万2400本 前年比38%増 松くい虫被害 昨年の庄内地方 過去に類見ない状況 庄内町にも拡大」 https://www.shonai-nippo.co.jp/cgi/ad/day.cgi?p=2025:10:31:15527
産経新聞(秋田) 11月15日 「秋田の「夕日の松原」が松枯れで壊滅状態 抵抗性クロマツの植栽本格化も復元には90年」 https://www.sankei.com/article/20251115-ROOZ6OVLXBMCHB53A3US3M5GIU/
毎日新聞(石川) 11月19日 名所「安宅の松林」守れ マツクイムシ被害急拡大 行政側と住民視察 https://mainichi.jp/articles/20251119/ddl/k17/040/124000c
【参考】
宮城県HP「松くい虫被害」https://www.pref.miyagi.jp/life/matsukuimushi/index.html
日経新聞 2016年1月 松島の松枯れ被害、保護活動に本腰 宮城県15年度当初予算では、県全域の森林の病害虫対策に2億6千万円を計上。松島に特化した異例の追加対策費として、約7800万円を2015年度補正予算に計上した。https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG28H6J_Q6A130C1000000/
下記は、名取の抵抗性クロマツ初被害確認(3月19日)の写真です。今年の経過などは、後日ブログで報告します。

抵抗性クロマツの、マツ材線虫病の罹患を初確認(背後は仙台国際空港敷地)



枯れ松の元に、2024年度の燻蒸処理中の松あり。



11月14日、15日の活動あれこれ その3
11月14日、15日の活動あれこれ その1/その2の続きです
本部 海外事業部の林です。
2日にわたるボランティア活動の報告をしてきましたが、最後はボランティアというよりは私の勝手な活動の報告です。
その1でご報告の通り、地図が読めない私は正しくプロットにたどり着けないため、戦力外を言い渡され、あっちのチーム、こっちのチームを渡り歩き写真を撮ったり、測竿係のサポートをしたり、皆さんとおしゃべりしたり……。
そんな中ちょっと気になる木を発見。写真で分かりますか? 根元から倒れてしまっているのが。


放っておけばいいのかもしれませんが、助けてあげたいと思い、いつもは厄介者のクズの力を借りることに。クズをロープがわりにして、木を引っ張り起こし、3~4mほど離れた太い木にそのクズを結び、倒れていた木が直立しました!
倒れていた方向には何か補助的に支えになるものをと、リピーターさんたちが、朽ちて倒れた防風柵などから使えそうな木材を持ってきて補強してくれました。



補強完成!
ただ、気になるのはなぜ倒れたのかということ。この場所で、根返ってしまうほどに強い風を受けるとは思えないのです。
ここのエリアは、本数調整伐(間伐)の試験地で、間伐する割合を変えて、生長に変化があるのかを調査しているエリアです。このプロットでは下枝の刈れ上がりが進んでおり、松葉の堆積が進んでいました。
松葉の堆積により腐葉層が厚くなり、水はけの悪化も招き、そのことが根を弱らせるもしくは腐らせるといったことが起きていたのではないかというのが勝手な推測です。
土を掘って根の状態を確認するなど、原因究明を怠ってしまいました。地図が読めないだけではない戦力外を痛感。
でも作業は楽しかったし、「クズが役に立ってるの初めて見た!」といった皆さんからの感想も楽しかったのでよしとします。
そしてもう一つ。あまりにもクズが多く、ぎゅうぎゅうに巻かれてしまっているマツが多かったので、いつものクズ刈り作業とまではいかずとも、少しでも刈りたいと思い、午後からは鎌を持って現場に行きました。


そして発見したのが巨大化したクズ。9月の活動日に駆除された7年もの??とも思われるクズほどではないですが、それなりに太く、何とか鎌でやっつけました!



小指の太さほどのクズに目が慣れてしまっていると、クズとは思わずに見逃す太さ。
きっと探したらまだまだこのレベルのクズが育っているはず……。
最後におまけ。
日曜の朝、事務所の片付けをしていた時のこと。今回一緒に活動してくれた、同じ部署でタイを担当しているスタッフN君が洗車をしてくれました。
車を洗い終えた彼がホースリールのホースのたるみが気になっている様子。私も気になっていたもののいつも「まぁ、いいか」と過ごしてきたのですが、彼は全部ホースを伸ばして巻き直していました。
カメラを探しているうちに巻き終わってしまい、作業中の写真は撮影できず、きれいにホースが巻かれた状態と、ここまでホースを伸ばしていました!の跡だけ撮影。
人の性格っていろいろ。N君、きれいにしてくれてありがとうございました!


11月14日、15日の活動あれこれ その2
11月14日、15日の活動あれこれ その1 の続きです
本部 海外事業部の林です。
11月15日は今年最後のボランティアの日。組織参加の皆さんと個人参加の皆さんとあわせて
59名の参加となりました。
その1でお伝えした通り、主な活動はモニタリング。1チーム5~6名で作業をします。メンバーの役割は下記の通り。
①樹高係
②胸高直径係
③野帳係
④①のサポート係
①の樹高係は、測竿と呼ばれる樹高を図る道具を使います。この道具は竿を伸ばしていくと、手元に先端の高さが表示されるものなのですが、5mにも7mにも成長しているマツのテッペンは、下からは見えません。そこで少し離れた場所にいる④サポート係が、「あと30センチぐらい上」「行き過ぎ!きも~ち下げて!」などと指示を出して、竿の上げ下げを調整していきます。
この係の大変さは、1mおきに竿のストッパーがついているので、竿が下がってこないよう、キュッと止めながらあげていく必要があり、それなりに握力も必要ですし、途中で枝にぶつかって竿が下がってくることも。また、場所によって見え方がかなり違うので、④が複数いると意見が食い違うこともあり、迷ってしまうのです。
②の胸高直径係は、地上から約1.3mの高さの幹の直径を測定します。巻き尺は、通常の目盛りがついている面と直径が図れる面とがある特別なものを使用。
③野帳係は、記録係のこと。①②の係が読み上げた数字を記入していきますが、ここで大事なのは、昨年のデータと比較して、何か不審な点があれば再度測定を促す必要があります。例えば対象木を間違えていたり、胸高直径を測定する位置に印がついていても図りにくさから少し位置を変えて測定することで誤差が出てしまったり……。場合によっては昨年の測定者のミスということもありますが。



なんだか簡単そうに感じますが、それなりに難しさもあり、こちらのチームはお互いに声を掛けあって交代しながら作業をし、素晴らしいチームワークが育まれていました!


しかし、その後深刻な?仲間割れが勃発。その理由はこの季節に毎回話題になる「バカ」にありました。今回調査したプロット41にはほとんど「バカ」(本名はアレチヌスビトハギと言います。引っ付き虫とも言われる、服につく植物です)が生えていなかったのですが、こちらのプロットの調査を終えて浅野さんからの指示で出向いた先、プロット●(来年ここに行くのを拒否するチームが出てくるといけないので番号は伏せておきます(笑))は、入り口からバカが繁茂していました……。バカ対策をしてきた私もできるだけ刈り取りに協力しましたが、もう皆さんあきらめてバカだらけになって作業を進めてくださいました。チームワークの良さに、バカだらけになった仲間意識が高まり、みんなで記念撮影をしている時に気づいてしまいました。
「あ! Sさんがいない!!」
もともと活動していた場所に戻ると、Sさんの姿が……。実は、バカなしだったプロット41ですが、最後の最後にSさんはバカ地帯に突入してしまい、次の調査地には移動せず、ここで服に着いたバカを取っていたのだそう。バカだらけのメンバーは、バカが一つも残っていないSさんに、そしてここに行くよう指示を出した浅野さんに好きなだけクレームをぶつけたのでした。 はい、もう皆さん、Sさんがおわかりですね。上の写真にいて下の写真にいないのがSさんです。

この季節の「バカ」はとんでもない厄介者ですが、必ず楽しい話題を提供してボランティアを盛り上げてくれる、なくてはならない存在でもあるのかもしれないと思ってしまいました。

