実 施 日:2025年5月17日(土)
実施団体:全国電力関連産業労働組合総連合 (企画:全国青年委員会)
活 動 :活動内容:バス内から活動地見学、木育についての講義、ウッドトイ磨き体験
*雨天により活動地での作業中止のため
この日活動に参加した電力総連は、北海道~沖縄まで、全国各地から次世代を担う青年リーダーが集まる青年委員会が企画するユースリーダーズセミナーで「富士山の森づくり」に参画していただいており、今年で3回目の活動となりました。
しかし、今年は生憎の荒天。ふじてんスノーリゾートのレストランスペースをお借りして、屋内でできるプログラムへ変更となりました。
開会式では、「富士山の森づくり」推進協議会を代表して会長の東京農業大学 佐藤孝吉教授より「多くの人が森に興味をもって貰えるのは嬉しい。世界の森林率は30%といわれる中で、日本の国の森林の面積は国土の70%ほど。そのうち人間の力を使って山を作った人工林が40%。使うために育てている。1haの場所に植えて、育てるための作業に必要な人数は約150名ほどになる。」と日本の森や林業のこと。また「『富士山の森づくり』では、虫害の被害を受けた後に木を植えて育てている。植えたものは育てていかないと、その木は育っていかない。」と、植えた後の育林の重要性もお話しいただきました。
その後、バスで富士山の森林や森づくりの活動地の様子を視察してもらいました。
車窓からは、ちょうど切り出された木材が積み上げられている様子も見ることができ、富士山には天然林のほか、人工林もあり木材生産が行われていること等を実際に見ていただくことができました。「富士山の森づくり」のプロジェクトが始まったころにはまだ日本の木材が積極的に使われておらず、林業の様子をみることは少なかったこと(今は、国産材の活用への理解も進んできた)なども活動の一つの成果として、お伝えしました。
プロジェクト地では植栽木の1本1本をネットで囲い、シカの食害から守っている様子を見てもらい、今行っているネットのメンテナンス作業の重要性を理解いただきました。
参加者からも「木材にするため植えた木は何年くらいで伐期を迎えますか?」「他にどんな動物がすんでいますか?」など様々な質問が出ていました。
1時間ほどの視察を終えた後は、「木育」の一環として行っている木のおもちゃをやすりで磨き完成させる「ウッドトイ磨き」を体験してもらいました。
体験の前に、この富士山での活動のように天然林に近い多様性のある森を目指す森づくりと、「植えて、育てて、伐って、使う」という森林の循環を取り戻すことにより日本の森や地域(産業)を元気にする森づくりがあること。国産材の活用のひとつとして「木育」を推進していることなどを、オイスカよりスライドで説明させていただきました。
磨き作業をはじめると、「無心になる」「こういう作業好きかも」「久しぶりに紙やすりを使った」「めちゃくちゃ楽しい!」「スベスベになるまで頑張る‼」などの声が聞かれ、夢中でやすりをかける様子が印象的でした。 会場はヒノキの香りに包まれ、和やかな雰囲気で作業が進んでいき、それぞれこだわりのおもちゃが完成していました。
また、佐藤会長よりヒノキ・ミズナラ・カエデ(メープル)の無垢材をシート状にスライスして作られた名刺サイズの突板も配られ、色や模様、樹種によって匂いに違いがあることやミズナラは透かすと道管が見えるなど、木の特徴や面白さについて説明をいただきました。
樹種ごとのにおいの違いを実際に確かめる
参加者からは「メープルはフローリングの匂いがする」「うわっ、ミズナラはくさい!」「これは嗅いだことのある匂い。いい匂い(ヒノキ)」など、素直な感想が出ており、皆さん熱心に話を聞いていました。
閉会式では、オイスカ山梨県支部事務局長の菅原より、「晴れていれば地元の林業者が皆さんの作業の指導をいただく予定でした。普段私たちが生活しているときに、林業という産業を通して森を守る方々がいて、そのおかげで森の恩恵を私たちも受けることができるということを覚えておいていただければと思います。なぜ森づくりをしているのかをより多くの人に知っていただくことも活動の一つの目的です。今日、体験を通して皆様に知っていただけたことを、帰られて周囲の方々にも発信いただけたら嬉しく思います」と挨拶しました。
オイスカからの挨拶
代表して感想を述べる参加者
最後に参加者を代表して、中国地方電力総連 森 英信さんより「生憎の雨で作業は実施できなかったが、活動地の視察や「木育」の磨き作業の体験ができてよかった。今日の活動により、森林施業の一旦に触れることができたのではないかと思う。「富士山の森」を守り育てることをこれからも皆さんで応援していきましょう」と感想を述べられ、活動を締めくくりました。
強い雨風の影響で、直接的な作業はできなかったことはとても残念でしたが、じっくりとプロジェクトや日本の森、林業について知っていただき、また木に触れていただける機会となりました。電力総連の皆様、ありがとうございました!