※オイスカ誌2022年4月号に掲載した国内ニュースをまとめてご紹介します
■人材育成事業 今年度の研修生・実習生来日の見通し 114名の入国に向け準備が進む
終息の目途が立たないコロナ禍の影響を受け、2021年度は各国から来日を予定していた研修生、技能実習生の入国が叶わず、人材育成事業に大きな影響が出ました。国の方針によって違いはあるものの、多くの国では出入国を厳しく管理しており、また運航便数の制限などから、研修生、技能実習生の出入国が困難な状況が続いています。
21年度の選考で来日が決定していた研修生20名(12ヵ国・地域)のうち5名が、待機期間が長期化する中で、家庭の事情や日本国内のコロナ感染拡大への不安から訪日研修を辞退する結果となりました。 また、技能実習生についても、93名の入国が滞っており、受け入れを予定していた企業や農家からは、「できるだけ早い入国を」といった要望が寄せられています。日本政府は、条件付きで新規外国人の入国を認めてはいるものの、1日あたりの人数を5千人と定めており(3月1日現在)、未だ入国の見込みは不透明なままとなっています。
このような状況下でも、研修生や実習生の入国が実現したのちには、これまで通りの対応ができるよう、準備を進めています。今年度は研修生26名(11ヵ国)、実習生88名(5ヵ国)を受け入れる予定です。特筆すべき動きとしては、しばらく受け入れがストップしていた東ティモールから、元日本大使北原巖男氏の推薦を受けた1名と、ウズベキスタンの沙漠緑化プロジェクトに携わる現地スタッフ1名が来日予定で、同国からは初の研修生受け入れとなります。
■四国研修センター マレーシア人スタッフが活躍 トークショーでオイスカ活動を紹介
2月12日、香川県丸亀市の市民交流活動センターマルタスで、オイスカ中讃推進協議会が主催するトークショーが開催され、四国研修センターで研修を担当するファビアン・ミンソンがスピーカーとして登壇。「世界を知る 〜持続可能な社会を目指して〜」というテーマのもと、母国マレーシアやオイスカで行っている持続可能な農業などについて紹介しました。
コロナ感染予防の観点から、定員は15名と少なく設定されていましたが、距離を取りながら会場後方で立ち見をする人も出ていました。オープンラウンジの開放的な空間に集まった参加者らは、飲み物を片手にリラックスした雰囲気で話に耳を傾け、30もの民族が共に暮らすというファビアンのふるさとサバ州の話には、「民族の違いで多様な考えがあることを学んだ」といった感想が寄せられました。
会場には「海岸林再生プロジェクト」の写真パネルも展示され、オイスカの幅広い活動を知ってもらう機会となりました。
■オイスカ浜松国際高校 地元企業がべルマーク回収を通じ 社会貢献活動を後押し
オイスカでは、CFP支援となるべルマーク回収への協力を広く呼びかけており、全国から集まったべルマークは、静岡県にあるオイスカ浜松国際高校が窓口となって支援申請などの手続きを行っています。
2月16日には、地元企業2社からべルマークが同校に届けられ、贈呈式が行われました。これは、キリンビバレッジ㈱中部圏地区本部と㈱タカラ・エムシーが昨年夏に実施した「ベルマークで届け! 子どもたちにエールを! キャンペーン」によって集まったものと、タカラ・エムシーグループのスーパーマーケット「フードマーケットマム」を含む全店舗で回収したものとを合わせた約7万5千点です。
贈呈式には、タカラ・エムシーの上野拓代表取締役社長、キリンビバレッジ中部圏地区本部の谷井光一本部長、同静岡支社の西野宏支社長が出席。学校からは生徒会役員やべルマーク回収を担う奉仕活動委員会のメンバーらが同席し、全校生徒も各教室からオンラインで参加しました。
生徒会長の松本海也さんにベルマークを手渡した上野社長からは、「社会貢献に役立ててほしい。私たちも各店舗にべルマークの回収箱を設置して貢献したい」と、心強いエールが送られました。
なお、21年度の友愛援助を通じたCFP支援は、70万円(オイスカ浜松国際高校取り扱い分は
52万円)となりました。
※本年度からオイスカ高等学校は「オイスカ浜松国際高等学校」に名称変更しました
■長野県支部中信推進協議会
ネグロス台風被災地の復興を願い チャリティバザーを開催
長野県支部中信推進協議会は、2月26・27日の両日、松本市浅間温泉のわいわい広場にて、チャリティバザーを開催しました。これは、昨年12月に台風の被害を受けたフィリピン・ネグロス島への支援のために行われたものです。
同支部は、ネグロス島で進むオイスカの国際協力活動を長年にわたって支援しています。特に養蚕普及プロジェクトに対しては、県内で集めた中古の蚕具を整備して送ったり、同県在住の指導者を派遣したりと、さまざまな形でサポートしてきました。今回のバザーは、台風の被害状況に心を痛めて、何かできないかと考えた会員らが、品物集めや当日の接客にあたり、ネグロスで生産されたショールなどのシルク製品も販売されました。 開催に向け、場所の手配や品物などの準備を中心になって担ってきた会員の青木豊子さんは、「台風で被害にあった方たちの生活が早く元に戻ってほしい」と話し、地元メディアからの取材などにも笑顔で対応していました。
■寄付月間2021
ウェブ報告会、動画配信が評価受け 寄付月間賛同パートナー賞を受賞
例年12月は寄付月間ということで、全国的に寄付の啓発キャンペーンが行われており、オイスカも寄付月間の賛同パートナーとして、各種発信に努めてきました。昨年度は、同事務局が募集していた賛同企画として、冬募金を展開するにあたってのウェブ報告会を登録。連動企画として募金募集期間中に、活動現場からのレポート動画を9本公開し、SNSを通じて広く寄付の呼びかけも行いました。
その結果、218件の賛同企画の中の5件に選出され、賛同パートナー賞を受賞。3月1日にオンラインで開催された寄付月間クロージングイベント内で表彰式が行われ、「継続的な動画の配信により、寄付月間を盛り上げ、寄付文化の醸成につながったことが評価された」との講評をいただきました。
ウェブ報告会や冬募金の企画、実施の中心となったGlobal Sustainability Mission(GSM)の吉田俊通担当部長は、「22年度も寄付月間に参画するが、本部だけではなく、オイスカの全国の支部などでも賛同パートナーに登録して、独自の企画で参画できたら」と話しています。