2013年11月に発生した大型台風30号(ハイエン)によるフィリピン中部の被災地支援募金につきましては、 皆さまから多大なご支援をいただき、この場を借りまして、あらためて厚く御礼申し上げます。今回の募金総額は3月10日までに873万1533円となりました。ご協力ありがとうございます。その使途につきまして、以下のようにご報告します。
すでに緊急支援として実施した、①ネグロス島北部の被災住民への建物再建支援・食料配給のほか、 ②西ネグロス州政府の被災学校再建事業に要する日本からの資材運搬支援 ③ネグロス島北部での被災植林地の復興支援 ④パナイ島アホイ町の被災植林地復興支援 ⑤レイテ島の被災した「子供の森」計画参加校への復興支援―以上5つが主なものとなります。
また、西ネグロス州からの要請を受け、 日本救援衣料センターを通じて去る4月23日に中古衣料の配布がなされました。現地では同センターの尾関之信事務局長より、オイスカスタッフとともに被災者一人ひとりに寄贈品の衣料が手渡されました。
5月には「子供の森」計画子ども親善大使交流事業の一環として、台風の被災地域であるネグロス島サガイ市モロカボック諸島とパナイ島アホイ町の学校から生徒代表が来日し、募金にご協力いただいた方々を中心に当時の様子や現在の復興状況などを報告。23日に地球環境パートナーシッププラザ(東京)で開催された報告会では、「多くの家が竹やヤシの葉などでつくられているため、暴風雨で一気に崩れた。台風が過ぎた後もそれを思い出し、怖くて眠れない友達が多くいた」「学校の屋根も壊れ、教科書や本が水浸しになってしまった。山に生えていた木のほとんどが被害を受けた」と、子どもたちはその体験を語りました。
来日に同行したモロカボック一貫学校のロジャー校長は、「子供の森」計画で学校の隣につくられた森が暴風雨から校舎を守り倒壊を防ぎ、折れた木や枝は被災地での炊き出し用の薪や学校施設の修繕に活用できたことを紹介。「海辺に植えたマングローブが台風の威力を軽減させ、私たちの村は幸いなことに一人の死者も出なかった。また、マングローブ林の中に漁船を避難させていたおかげで大切な船が流されずに済んだ」とも述べました。オイスカと共に取り組んできた森づくり活動が災害時に発揮した防災効果を報告し、今後の地域復興において継続した植林の必要性を訴えました。
オイスカはそういった住民の声をしっかりと受け止め、
災害に強い地域づくりを念頭に置き、引き続き支援を進めていきます。