千葉県館山市の平砂浦海岸林

2013年11月12日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )

今月15日、船橋市PTA連合会の何百人も集まる大きな研修会で、ご支援に対する報告を行うので、
その準備と自分の勉強のため、千葉県館山市の平砂浦海岸林に行ってきました。

今は海岸林の内陸側で花や野菜の栽培がおこなわれている

今は海岸林の内陸側で花や野菜の栽培がおこなわれている


関東大震災など大きな地震の度に隆起して、その飛砂は内陸の田畑をつぶしてきました。その砂を人力で掻き取って小川に流す「砂流し」が戦後まで行われていたと言います。その過程で、のちに村長になった一人の小学生の男の子が、驚くべき勇気と知恵で、躊躇する大人の背中を押した実話もあります。一晩で砂丘が移動した伝承や、「砂山」という地名が今も残ります。
すぐに行こうと思ったのは、ずっと気になっていた場所だったこともあり、航空写真を見たら工事をしていることが分かったため。googleで見ると、海岸に似つかない「格子」をご覧いただけます。
松くい虫の被害箇所の復旧工事。竹の垣根の中に新たな植栽が行われていた

松くい虫の被害箇所の復旧工事。
竹の垣根の中に新たな植栽が行われていた


 
当日は日曜日にも関わらず、職人さんが来ており、秋植えした苗に藁を敷く作業中。現場でしか聞けない貴重な話を、運よく伺うことが出来ました。
主風に対して並行な長辺が8m×短辺4mの、竹製静砂垣群は、見事としか言いようがありません。1区画に32本(10,000本/ha)のうち、マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ(裸苗)16本。それ以外は、沿岸部によく見かける低木のトベラ・マサキと、アキグミを同時混植します。千葉県ではよく見かける方式です。
 
さらに海に向かって歩くと、人工造成の砂丘。そこも格子状に竹粗朶(そだ)が組まれています。これが平砂浦での堆砂垣。見事に砂を止め堆積し、狙い通りの効果を生んでいます。その向こうには、すぐに海が迫ります。
「平砂浦」の名の通りの砂浜はなく、太田猛彦先生(東京大学名誉教授・オイスカ顧問)が「森林飽和」にも大きくページを割いた海岸浸食そのものです。90度の角度で波に切り取られた個所もありました。
それでも道路まで砂が押し寄せる

それでも道路まで砂が押し寄せる


 
それでも、日本の道百選のフラワーロードには一部砂が押し寄せる場所もあり、「飛砂注意」(スリップ注意喚起)の看板も。
帰路は洲崎灯台へ。たもとの「森田屋商店」はオススメ。お店のおばあちゃん手製のこんにゃく。トッピングはサザエ、ウニ。1本150円。なんと美味しかった事か。ノンアルコールビールを2本も飲んでしまいました。

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