2023年1月5日

山梨県の自然の恵みで健やかに 地域の活性化につながる 循環型プログラム始動 ほか【オイスカ誌ニュース】

  • 国内ニュース
  • ※オイスカ誌2023年1月号に掲載した国内ニュースをまとめて紹介します


    山梨県の自然の恵みで健やかに
     地域の活性化につながる 循環型プログラム始動

    2022年11月12・13日、オイスカが事務局を務めるやまなし水源地ブランド推進協議会(以下、協議会)と、株式会社トトラボの共催で「みずともりフォレストリトリート@南アルプスはやかわ」が実施されました。これは、協議会の参画メンバーである山梨県早川町において、同町の豊かな自然を満喫しながら、実践を通して林業や森の恵みについて学び、体験するプログラムです。また、宿泊や移動など、多方面から地域の参画を得ることによって、早川町の魅力発信や価値の再発見、創造を図り、森の恵みの活用の幅を広げるとともに、参加者、町それぞれのメリットにつなげるねらいもあります。

    初めての試みとなる今回は9名が参加し、2日間にわたり森林散策や林業体験を実施。南アルプスの山々に囲まれた早川町の自然の特色を味わうとともに、日本の森林は必要な間伐が適切に行われておらず、材の利用促進の面でも課題を抱えている実情などを学びました。また、採取した枝葉からアロマ効果のある香りを抽出する蒸留体験などを行い、森の恵みを楽しみました。参加者からは「五感で自然を体験でき、この経験を与えてくれた早川町をもっと応援したい気持ちになった」といった声が聞かれました。

    今後、さらに内容を調整、発展させ、これからも継続してプログラムを実施していく予定です。

    早川町森林組合の協力を得て間伐体験も実施
    講師の㈱トトラボの村上志緒代表から、スギやモミなどを活用したバームづくりも学んだ

    四国支部
     第28回オイスカ四国のつどい オイスカの活動の意義を再確認

    22年10月21日、約160名の会員、支援者の参加を得て、オイスカ四国のつどいが開催されました。この行事は、会員同士が顔を合わせ、四国研修センター(以下、センター)で学ぶ研修生との交流を楽しむなど、年に一度の恒例となっていましたが、コロナ禍で開催が見送られていました。今回は3年ぶりの開催とあって、再会を喜びお互いの近況を伝え合う様子が見られました。

    式典では、継続会員への表彰に続き、公益財団法人オイスカの中野悦子理事長による講話が行われ、60年のオイスカの歴史を振り返り、「これまでの取り組みは、SDGsの実践の積み重ねといえる」と話し、21年に策定した10ヵ年計画についても説明し、理解と協力を求めました。

    集いには、昨年の4月からセンターで研修に励んでいる5ヵ国9名の研修生も参加。母国の歌や踊りを披露した後は、参加者の皆さんも加わって、会場全体で輪になって踊りを楽しみました。

    今回が着任後初めてのつどいだったという崔榮晋事務局次長は「コロナ禍前は500人も集まるような行事だったと聞いていた。企画をする中で不安もあったが、参加された皆さんの満足そうな顔を見てほっとした」と感想を話しました。

    オイスカ開発教育専門学校
     ウクライナ避難学生教育支援 クラウドファンディング目標達成!

    22年7月よりウクライナ避難民の女性を学生として受け入れ、日本社会への適応力の養成や就労支援を行ってきたオイスカ開発教育専門学校(静岡県浜松市)では、 さらなる学生の受け入れや支援の充実を目指すため学内にウクライナ学生支援チームを立ち上げ、同9月から11月末にかけてクラウドファンディングを実施。11月初旬には目標としていた240万円を達成し、終了までに306万円の支援が集まりました。

    同校にとってクラウドファンディングの試みは今回が初めてのこと。寄附ページの充実にはじまり、TwitterやFacebookなどのSNSを活用したこまめな情報発信に努めながらの、手探りのスタートだったといいます。学生支援チームのメンバーは「経験も知識もない中で、オイスカ本部にアドバイスをもらいながら、無我夢中でやってきた。愛知県支部をはじめとする全国の支部、会員の皆さまからもたくさんのご協力をいただき、心から感謝している」と、クラウドファンディングを通じて支援者との貴重なつながりを得ることができたと話しています。

    同校では、昨年10月に2名、12月に1名を新たに受け入れており、現在4名が日本での自立のため、日本語学習などに励んでいます。今後も同様の受け入れを継続していく予定です。

    地球環境を考えるトークイベント2022冬
     世界を幸せにする緑化とは オイスカの森づくりを振り返る

    22年11月26日、埼玉県にて「世界を幸せにする『緑化』成功への秘訣」をテーマに、「地球環境を考えるトークイベント2022冬」を開催。東京大学名誉教授の太田猛彦氏、沙漠緑化専門家の冨樫智氏、海外事業部の長宏行部長をコメンテーターに迎え、当日はオンラインを含め、215名が参加しました。

    イベントでは、冨樫氏が01年から取り組んできた内モンゴルでの事例をはじめ、インドネシアやタイなどでの緑化活動を振り返り、オイスカの森づくりに共通する3つのキーワード(長期継続性、住民の巻き込み、 技術と知見)を提示。創立以来オイスカが培ってきた緑化や人材育成などのノウハウを活かした住民と共に取り組む持続可能な森づくりについて話し合われました。また、オイスカが4万haの沙漠緑化に挑戦するウズベキスタンの現状や課題に触れ、オイスカならではのスキルと経験を活かした緑化を進めることを再確認しました。

    参加者からは「持続可能な環境の大切さはいたるところで耳にするが、そのための活動も持続可能でなければ実現できないということを改めて認識した」といった声も聞かれ、木を植えることだけではないオイスカの緑化について多くの方々にお伝えする機会となりました。

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    西日本研修センター
     収穫感謝祭・秋 地域と一体となり盛大に開催

    22年11月12日、西日本研修センターにおいて収穫感謝祭・秋(以下、収穫祭)が開催されました。収穫祭は、毎年地域の方々と実行委員会を立ち上げ、協力しながら実施しているもので、今年も準備のため前日から実行委員をはじめ、 多くのボランティアが駆けつけました。

    当日は1500名を超える来場者で大賑わい。センターの新鮮な農産物や、大相撲九州場所の宿舎としてセンターに滞在していた髙田川部屋によるちゃんこ鍋のほか、地元脇山地区のお米を使ったジェラートなど、 地元ならではの出店も充実しました。また、ステージ発表では地域のグループによる歌や太鼓、フラダンスが披露され、研修生も出身国の紹介やダンスを行い、会場を盛り上げました。

    年に一度の一大イベントの開催を通して地域とのつながりをさらに深めるとともに、研修生にとっても多くの方々と交流できる実りある一日となりました。

    前日の準備の様子。イベント最後の餅まき用に4000個の餅を用意した

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