実施日:2026年7月4日(土)
実施団体:「富士山の森づくり」推進協議会合同
(KDDI株式会社、住友重機械工業株式会社、公益財団法人オイスカ)
活動:シカ害対策ネット補修、除伐
今年も、「富士山の森づくり」推進協議会参画企業のKDDI株式会社、住友重機械工業株式会社と、全国のオイスカ支部はじめ関係者合同による「富士山の森づくり」ボランティア活動を行いました。さらに当日はフィジー共和国大使館、インドネシア共和国大使館、スリランカ民主社会主義共和国大使館からもご参加いただき、事務局含む約180名での実施となりました。
■開会式
今年は、「富士山の森づくり」活動20周年にあたります。開会式では、その長年の活動を振り返りながら、公益財団法人オイスカの中野悦子理事長、山梨県森林環境部技監の英賀さまからご挨拶いただき、県有林課課長の穴井さまより、20年の活動を振り返っての評価をいただきました。
オイスカ 中野悦子理事長
森林環境部 技監 英賀様
森林環境部県有林課 課長 穴井様
●中野悦子理事長
「2007年に始まった富士山の森づくりは、本年20年を迎えました。植栽に始まり、現在はシカ害対策ネットの補修や除伐等を進めています。いつまでやるのだろうと疑問に思われるかもしれませんが、人の手がなければ、森は荒れ、洪水などで土砂崩れが起きやすくなるなど、災害にもつながります。富士山の森づくりは、防災・減災の取り組みでもあり、さまざまな恵みをもたらしてくれる感謝の気持ちを示す活動でもあります。私たちが生きている限り、続けなければなりません」
●山梨県森林環境部 技監 英賀様
「面積の3分の1が森林である山梨県では、環境に配慮した持続可能な森づくりを行っています。富士山の森は平成19年より活動を進めてきましたが、とても県だけでは130haもの森を再生することはできません。森づくりは一朝一夕にはできないものですが、これだけ長く活動を続けてこられたのは、ボランティアの方々やオイスカの皆さまのおかげです。今日の作業も安全に、実りあるものにしましょう」
●山梨県森林環境部 県有林課課長 穴井様
「この『富士山の森づくり』は、県内の森づくり活動の中でも最大規模を誇り、多様なセクターが連携して進める他に類を見ない取り組みです。活動は今年20年を迎えましたが、皆様の継続的なご協力が、未来の富士山の森育んでいます。心より感謝申し上げます」
■活動
当日は雨が心配される曇り空でしたが、霧や雨もなく過ごしやすい気候で、絶好の作業日和。活動地への移動中も、すっきりした森の空気に、参加者からも「空気がいいね」「気持ちいいね」といった声が各所から聞かれました。
真剣に作業してくださっています
「富士山の森づくり」推進協議会メンバーのKDDI株式会社から参加してくださった皆さまからは、「普段のデスクワークとは違う環境で、思いっきり自然を感じることがでました」といった、富士山の自然そのものを楽しむコメントや、「同じ20年かけて育った木でも、大きくなっているものもあれば、小さいものもあり驚きました」「実際に水や土砂などが流れた過酷な環境でも植林した木々が生長しているのを見て、丁寧に作業をしよう、大きくなってもらいたいと感じました」など木の生長に関心を寄せた感想をいただきました。
同社は、2008年から継続して活動にご参加くださっており、リピーターの皆さん、初めての皆さんともに、森をさまざまな視点で観察し、楽しみながら作業に当たられている様子が印象的でした。
当日は、お子さんに多く参加いただきました
「富士山の森づくり」推進協議会メンバーの住友重機械工業株式会社は、2020年から本活動をご支援くださっています。今年は、お子さんも含め、大人数でご参加いただきました。参加者からは、「なかなかできない体験なので、子どもたちに経験させてく、思い切って参加しました」「90分という長いようで、あっという間の短い時間でしたが、夢中に作業しました」とのコメントが聞かれました。子どもたちからは、「すごい楽しい~!」との声が。楽しみながら、自然に触れ、守る大切さを感じてくれたようでした。
3名1組で和気あいあいと作業しました
首都圏支部の皆さんは、毎年新宿からバスをしたてて参加くださっています。参加者からは、「木を植えること自体はそんなに大変ではないのかもしれませんが、育てていくことの大変さを実感しました。100年の森づくりは、手を入れて見守っていく必要があるなと感じました」とのコメントがありました。普段は、なかなか関わることができない指導いただいた林業者とも積極的にコミュニケーションをとっており、楽しそうに会話されている様子が印象的でした。
事前の説明の様子
オイスカ福島県推進協議会の皆さまは、リピーターでご参加いただいているベテランばかり。今回6・7回目の参加というお二人は、「木が生長して大きくなり、作業もしやすくなまりました」「昨年は木が細いものもあり、台風などで斜めに倒れていて大変でした」とこれまでの活動を振り返りながら、「直前の雨で土が柔らかくなって支柱が差しやすい!」と手際よく作業されていました。また、そのような中でも、練習中なのかまだ拙いホトトギスの鳴声や植栽木の周囲に落ちているたくさんのシカのフン、大きく育っている木の種類、下草の様子(笹の葉がシカに食べられていたのか、ほとんど無くなっていました)などについてもお話され、同行したスタッフの方が富士山の森の豊かさやシカの影響について気づかされる場面が多くありました。
補修した植栽木と共に
四国研修センターから参加したメキシコ出身のペリさんは、富士山の森づくり活動には2回目の参加。作業の感想について「体は疲れるけど、心は疲れません」と明るく答えてくれました。また、研修生として2度目の再来日を果たした先輩研修生として、後輩研修生に向けて「ほかの研修生たちも、この経験を通じて森や自然についていろいろなことを学び、将来の地球のために、自国でも環境を守る活動に取り組んでほしいです」と話しました。
四国研修センターの研修生は、日頃農業や調理・食品加工を中心に、地域開発のためのさまざまな研修に励んでいます。今回の育林作業も、研修生のふるさとの自然を守るための良い経験として役立ててほしいと思います。
■閉会式
ご挨拶いただいた駐日スリランカ大使
ふじてんスノーリゾートで行った閉会式では、大使館を代表して、ピヴィトゥル・ジャナック・クマーラシンハ駐日スリランカ大使が挨拶。大使は、「日本の強さや美しさを体現する富士山の森づくりに、インドネシア、フィジー大使館の皆さんと共に参加できたことを嬉しく思います。この活動は、単に木を植えるものではなく、未来の子どもたち向けて希望を植え、育てるもの。今日1本1本お世話した木は、私たちにきれいな空気を与え、土を耕し、豊かな自然をつくっていきます。これからもぜひこうした活動を続けていきましょう」と話し、「来年もこの活動を通じて会いましょう」と参加者に呼びかけました。
また、KDDI株式会社、住友重機械工業株式会社、四国研修センター、福島県推進協議会の皆さんからも一言ずつ感想をお聞きし、最後に事務局を代表してオイスカ山梨県支部会長の田中美津江が挨拶。参加者へのお礼とともに、これまでの20年の取り組みについて「当初は私たちも森づくりとは何たるやということも知らず、専門家からも広葉樹の人工林の前例がないため難しいのではということを言われ、頭を抱えたこともありました。しかし、継続は力なり。今日見ていただいた通り、木々は大きくなり、多様性のある森に生長しています。県の関係者や地元林業者の方々、支援いただいた企業、ボランティアの皆さま、たくさんの皆さんに心を寄せていただいて、今日があります」と振り返りました。さらに、今後の活動について「子どもたちに豊かな富士山の森を遺していけるよう、これからも一緒に取り組んでいただきたい」と締めくくり、閉会となりました。
富士山の森づくり活動は、「100年の森づくり」を掲げ、活動しています。来年の21年目以降も、引き続きたくさんの皆さまのご参加、ご協力をよろしくお願いします。
活動地の様子。
両端のシラベ人工林と中央の植栽した広葉樹により、針広混交林の形成が進んでいることがわかります
活動終了後の片付けの様子。多くの参加者に参加いただき、使用した道具の数も圧巻です。
KDDIグループ会社様が撮影された国の天然記念物である「ヤマネ(ニホンヤマネ)」と思われるいきもの。