2013年5月20日

九州発「子供の森」計画&グリーンウェイブ 福岡・佐賀をフィリピンの子ども親善大使が訪問 朝倉では「子ども環境宣言2013」の発表も

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  • 子ども親善大使が「フィリピンでは焼畑や無計画な森林利用により、土砂崩れや洪水などが起きている」と報告

    5月20〜27日、「子供の森」も親善大使として、フィリピンのCFP参加校から代表児童・生徒4名と教員およびコーディネーター各1名を招聘し、福岡県と佐賀県にて交流事業を行いました。
    一行は、県庁や教育委員会などを表敬訪問したほか、学校で日本の子どもたちと交流し、活動報告会を行いました。4名の親善大使は、母国における森林破壊や環境被害の増加について述べ、森の大切さを訴えるとともに、森を守るCFPの取り組みについて発表しました。日本の子どもたちからも、学校での野菜づくりや米づくり、ゴミ処理に関する総合学習の成果などが紹介されたほか、身振り手振りでコミュニケーションをとりながら一緒に稲の種まきも体験。今回の交流事業を通じ、両国の子どもたちは、抱える問題は違っても、解決へ向けて共行動しているとの共感を得ることができました。
    また、25日には福岡県立朝倉高等学校で「グリーンウェイブ2013inあさくら〜子ども環境フォーラム〜」(グリーンウェイブ朝倉水源の森実行委員会主催)が開かれ、国連生物多様性条約事務局(SCBD)上級環境担当官のニール・プラット氏を招いた講演会が行われました。千名を超える聴衆を前にプラット氏は、私たちの生活の源である生物多様性が顕著に失われていることを訴え、その保全のために有効であるグリーンウェイブへの積極的な参加を呼び掛けました。その後、参加生徒によりグリーンウェイブ活動の推進を盛り込んだ「子ども環境宣言2013」が発表され、今後の活動の継続が確認されました。
    注目を集めたのは、朝倉高校の生徒代表3名による、地元朝倉の自然や絶滅危惧種となっているカワタケ(藻類)を取り上げた発表や、環境問題とその解決のための自分たちの行動に関するスピーチでした。さらに、代表の3名は6月6日よりオイスカ会員12名と共にアメリカ・カナダを訪問し、国連本部やSCBDでもふるさとへの思いを発信しました。アメリカ・ニュージャージー州のバーナーズビル市で実施されたCFP植林式典には中野良子会長も参加。
    ハリケーンなどの自然災害から生活を守るための植林に力を入れたいと考える同市から、感謝状も授与されました。また一行はカナダ・モントリオールにあるSCBDを訪問。オイスカは2010年より同事務局と協約を結び、生物多様性の保全と特に青少年に対する環境教育活動の実施に関する協働を進めています。同事務局長のブラウリオ・ディアス氏は「市民、特に若い世代が行動することが重要。オイスカのリーダーシップに敬意を表し、これからもその活躍に期待したい」と話し、協働活動のさらなる発展への大きなステップとなりました。

    「生物多様性の宝庫である森の損失は、何百万もの種の絶滅を招く」と強調するプラット氏
    グリーンウェイブの推進母体であるSCBDと協働で植樹(カナダ・モントリオール)

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