2019年5月8日

ベトナム ホーチミン市師範大学との協定更新 訪日研修生OBの活躍にも期待

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    調印を終えた中野副総裁(左から3人目)とホン学長(右から3人目)

    東南アジアのインドシナ半島東部に位置するベトナム。その南部最大の都市・ホーチミン市は、日本製のバイクが市民の主要な足となり、技能実習生として多くの青年が訪日するなど、日本との関係が年々密接になっています。 目覚ましい経済成長を遂げる一方で、貧富の差の拡大や大気汚染、市民の環境保全への意識の欠如など、さまざまな課題を抱えています。

    オイスカは、ベトナムにおいては研修センターのような活動拠点は持たないものの、現地カウンターパートと協力し、青年を対象とした技術訓練を行ったり、研修生や技能実習生を日本に受け入れるなど、人材育成に取り組んできました。また、2013年にはホーチミン市師範大学と日本・ベトナムの青少年育成の充実を盛り込んだ覚書を締結しており、15年にはその取り組みの一環として「子供の森」計画もスタートしています。

    3月22日、この覚書の更新のためオイスカ・インターナショナルの中野利弘副総裁が同大学を訪問し、グェン・ティ・ミン・ホン学長と共に更新の調印を行いました。

    更新式では、同大学の学生を子どもたちに環境の大切さを伝える指導者として育成することが決定しました。これは、今年の3月まで2年間、西日本研修センター(福岡市)で研修を受けて帰国した、同大学職員のアメリヤ・グェン(愛称:タン)氏の計画提案を受けて実現したものです。

    専門家(右)と市場を視察し、栽培する野菜など
    の検討を行うタン氏(中央)

    授業では、座学にとどまらず、タン氏自身が日本で学んだ土づくりをはじめ、ペットボトルやプランターを使った野菜栽培といった実践活動も盛り込まれており、子どもたちへの具体的な指導に活かされることが期待されます。また、 更新式に合わせて、タン氏の活動をサポートする専門家が日本から派遣され、より現地の実情に合わせた取り組みとなるようアドバイスがなされました。タン氏は「ベトナムではあまりなじみがない環境教育を教育現場で浸透させるために、子どもたちが興味を持てるよう紙芝居や折り紙を使うなどの工夫を重ねながら、授業を行っていきたい」と話しています。

    指導者が育ち、同国の未来を担う子どもたちに環境の大切さを学ぶ機会が創出できるよう、オイスカは、タン氏と同大学での取り組みをサポートしていきます。

     

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