2014年10月29日

オイスカ・ラバウル 「自分たちの土地は自分で守り耕す!」地道な啓発活動が実を結ぶ

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  • 研修センターの近くでも焼き畑農業が続けられている。
    研修センターの近くでも焼き畑農業が続けられている。

    現在パプアニューギニア・東ニューブリテン州にあるオイスカのラバウル・エコテック研修センターでは、全国各州から集まった87名の研修生に対し、主に稲作、蔬菜栽培、畜産、森林保全の4分野で実践的な研修を行っています。同国の熱帯林消失の原因の一つである伝統的な焼き畑農業からの脱却を目指し、それを進めるためのリーダーの育成が大きな目的です。また、コスモ石油エコカード基金の支援により同州のアラバム、ライゲル、マラナギ、サンバムの4つの村からなる地域を対象に発展的なプロジェクトも推進中です。

    近年同国では、海外のオイルパーム企業による用地買収のため農民が土地を失ったり、オイルパームプランテーションへの転換などによる熱帯林の破壊が問題視されています。こういった状況に対応すべく、オイスカは有機農業指導や環境に対する啓発活動に取り組んできました。村人が伝統的な文化や土地を守りながら持続可能な生活を送れるよう、さまざまな生計支援を柱として続けてきた活動も今、ひとつのかたちとして実を結び始めています。8月下旬、海外のオイルパーム企業の担当者が熱帯林の購入を目的に同地を訪問。しかし、村長をはじめ村のリーダーたちが団結し、「この地域は自分たちがオイスカや日本の企業と共にプロジェクトを進め、熱帯林を保全している。絶対に売らない」と強い意志を示し続け、企業側は断念し退去に到りました。オイスカスタッフで同プロジェクトを担当するレイモンは「村人たちの対応はプロジェクトの大きな成果。同地での取り組みをモデルとして、ほかの地域にも広めていきたい」と喜びと意気込みを語っています。

    パプアニューギニアへの関心は日本国内でも高まりを見せており、本年7月には日本の内閣総理大臣として29年ぶりとなる訪問を安倍晋三首相が実現させました。同国との友好関係が重要度を増し、 経済的な結び付きが強まる中、オイスカは引き続き同国の農村地域住民と協力し、熱帯林の保全を進めていきます。

    アラバム村のモデルファーム前にて
    アラバム村のモデルファーム前にて

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