2010年2月24日

オイスカ・フィジー ヤラボー小学校で給食改善プロジェクト開始

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    給食を食べる子どもたちの表情は明るいが、栄養価の低さが心配

     「子供の森」計画活動に参加しているヤラボー小学校は、フィジーのビチレブ島南部にあるシガトカの町から山道を延々と辿った山間部の村にあります。この村では、2008年1月のサイクロンで橋が破壊されて車が通れなくなって以来、物資の輸送を馬や徒歩に頼っているため、町での農産物の販売などに支障を来し、困窮のために村を離れる人も出ています。 

     ヤラボー小学校は児童数20名の小さな学校ですが、遠くの村から通っている子どもが多く、17名は学校の寮に寝泊まりしています。寮生を含め児童の給食は学校と父母が費用を出し合い、父母が1週間交代で食堂に寝泊まりして賄っています。しかし、貧しいため十分な食材が買えず、キャッサバとサトイモの葉の煮付けに少量のインスタント麺を混ぜた献立という日もあり、育ち盛りの子どもたちには十分な栄養とは言えません。 

     オイスカ・フィジーでは、学校や村と協働で養鶏を中心とした「給食改善プロジェクト」を09年12月より開始しました。本プロジェクトは、鶏舎の建設、養鶏技術および飼料となるトウモロコシの栽培、鶏糞を利用した有機堆肥による野菜栽培を通した持続可能な循環型有機農業を指導し、鶏肉や野菜の自給による給食内容の改善を目指しています。吉田孜フィジー駐在代表の指導の下、オイスカ・フィジー・スタッフのフェリペ氏、メリ氏が中心となって学校や村と協議を進め、今年2月に鶏舎が完成。2月24日には児童や村人と一緒に盛大に〝オープンデイ〞を実施しました。現在、60羽の雛飼育を開始し、順調に活動が進められています。同じような状況にある他の学校でも取り組みが広がっていくことが期待されます。

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