1月16日、豊田市のNPO 法人グリーングラスロッツ主催による第2回「地球環境講座」が開催され、沙漠生態研究研修センター職員(内モンゴル自治区)の富樫智氏が、内モンゴルの深刻な沙漠化の現状、および同センターが取り組んでいる沙漠化防止活動の進捗状況を報告しました。「地球環境講座」は、悪化する地球環境を広く一般に訴え、ともに考えようと2007年3月に第1回の講座が開催され、今回は2回目になります。
講座を主催するNPO法人グリーングラスロッツは、国内外での環境保全を図る事業活動を支援することを目的に07年に結成された団体で、オイスカ豊田支局会長の光岡保之氏が代表を、また中部日本研修センター・小杉辰雄所長が役員を務めています。同団体では、中部日本研修センターとの共催で、昨年8月28日〜9月2日の6日間、「環境スタディツアー」を実施。ツアーには、豊田支局のオイスカ会員や一般の方々27名が参加し、内モンゴル自治区内の黄河沿いにあるバイムレン村所有の土地に、タマリスクなどの苗900本を、現地の人々や沙漠生態研究研修センターのスタッフらと一緒に植林しました。今回の富樫氏の報告は、これらの活動を受けて、植林地の現況や同センターの活動状況などを伝えたものです。
今回の講座は、豊田市内の衣ヶ丘小学校(6年生120人を対象)、逢妻(あいつま)中学校(1年生290人を対象)、朝日丘交流会館(一般対象)の3つの会場で行われました。どの会場でも、聴衆は、民家が軒先まで砂が迫って危険にさらされていたり、厳しい自然環境の中で丹精した作物がネズミにより大きな被害を受けているといった富樫氏の報告に熱心に耳を傾けていました。また、スタディツアーに参加したオイスカ会員の高濱耀圭美(よしみ)さんからは、「沙漠と闘っている人たちがいること、一人の力は小さいけれど、たくさんの人が集まれば何かが変わることを伝えることが大切だと痛感した」といった感想も発表されました。