財団法人オイスカ(中野良子会長)の平成21年度事業計画および収支予算の審議を主な議題とした理事・評議員会が3月4日、東京・平河町の麹町会館で行われ、総額10億3413万円の予算が承認されました。
昨年12月1日に施行された公益法人制度改革に伴う関係法により、21年度からの会計書類については新しい会計基準(通称:新・新・会計基準)を採用しました。これまで採用してきた一般会計・部門別会計の区別や収支科目等が一変し、新たに、①公益目的事業会計、②収益事業等会計、③法人会計―の大きく三つに区分されています。
公益財団法人への移行を目指しているオイスカでは、①の公益目的事業会計を8事業で整理し、公益認定基準の一つである収支相償などのハードルを越え得るよう取り組んでいくことになりました。
公益目的事業は、①海外農漁村人材育成事業(旧来の海外技術協力事業を中心とした事業)、②人材育成技術協力研修事業(旧来の研修訓練事業)、 ③海外農漁村地域開発事業(海外で展開する地域開発事業)、④海外環境保全事業(緑化を中心とした海外での環境保全事業│「子供の森」計画を除く)、⑤ 「子供の森」計画事業、⑥国内環境保全事業(国内で展開する森づくり等の環境保全事業)、⑦国際相互理解促進事業(旧来の国際交流・国際会議関連事業)、 ⑧国際協力啓発普及事業(旧来の啓発事業等)―の8事業となっています。
昨年秋以降に襲った世界同時不況の波は、徐々に実体経済へ波及しており、賛助会費や寄附金に経常収益の7割以上を依存するオイスカにとっては、非常に厳しい環境にあり、これまで培われてきた信頼を一層高めるよう努め、堅実な公益事業の実施と運営を図っていくことが求められています。これらの課題に取り組み、来年夏頃に公益認定のための申請を行うという日程案についても了承されました。
なお、この日の理事・評議員会では、20年度補正予算の審議も行われ、当初予算比1億3425万4千円増の総額12億5747万7千円が承認されました。