■「ライオン山梨の森」
里山の回復を目指す新たな森づくりを開始
2006年から山梨市で進められてきた「ライオン山梨の森」が、新たな活動地で「ライオン山梨の森Ⅱ」としてスタートしました。これは、ライオン株式会社による森づくりの取り組みで、活動地である山梨市、施業や活動時の指導などを担う峡東森林組合、 そしてコーディネーターとして参画するオイスカの4者で、森林整備協定を結んで活動しています。
洗剤やハンドソープなどを扱う同社は、「洗うこと」を通じて、水と深い関わりの中で事業を展開してきたことから、事業や社会貢献活動で水環境の保全に注力しています。「ライオン山梨の森」は、水源となる森を保全するとともに環境意識を醸成するフィールドとして位置づけ、ボランティアや研修として従業員が森林整備活動を行っています。
4月16日、新たにスタートした「ライオン山梨の森Ⅱ」の開所セレモニーがオンラインで開催され、ライオンからは小林健二郎取締役上席執行役員をはじめサステナビリティ推進部の社員3名、山梨市からは高木晴雄市長と農林課の職員2名、オイスカからプロジェクト責任者が参加。挨拶に立った小林取締役からは、「新しい活動地は急峻な場所ではないため、従業員だけでなく、取引先や子どもたちなど、幅広い年代の関係者にも参加いただきながら進めていきたい」との抱負が述べられました。また、この活動地は、一部が残土置き場であったことから、落ち葉などを使った土壌回復、間伐や歩道整備などによる貴重な下層植生の復活など、里山再生に向けた新しい取り組みが提案されています。
■西日本研修センター
会員企業の社員が農作業をお手伝い
今年度、海外研修生の受け入れは、12ヵ国・地域から20名を予定していましたが、コロナ禍により4月末現在、全ての研修生が入国できない状況です。また、昨年度に受け入れた研修生のうち3名が研修期間を延長、4名が帰国待機のまま、各研修センターで研修を継続しています。
西日本研修センター(以下、センター)では、予定していた8名の研修生の来日の見通しが立たない中、広大な研修農場の管理を遅れなく進めるため、4月に農業ボランティアの受け入れを実施しました。これは、西日本支部運営委員会(九州電力をはじめとする9社が参画)の協力を得て実現したもので、3日間で6社から43名が参加し、カボチャやマクワウリの定植やダイコンの播種のほか、稲作ではもみ種の播種作業などに汗を流しました。
また、同27日にはアトリエ木下の新入社員11名が、研修の一環でセンターを訪れ、モモの摘果やタマネギの収穫の作業に参加しました。豊田敏幸副所長は「法人会員の皆さんの協力で、予定していた以上に農作業を進めることができ、感謝している。来日できる日を待っている研修生にとっては、年間を通じた農業研修の中で最も大事な夏野菜の栽培管理や稲作における準備作業や田植えなどを体験できないのは残念なことだと思う」と述べています。
西日本研修センターでは、研修生が6月末までに入国できない場合、今年度の受け入れは行わないことを決めています。これから田植えや夏野菜の収穫作業が本番を迎え、農繁期に突入する中、会員企業をはじめ広く募集をかけて、農業ボランティアの実施を継続していく予定です。