実施日:2018年8月25日(土)
実施団体:全国交通運輸産業労働者共済生活協同組合(交運共済)
参加者数:36名(事務局、指導者等含)
活動:除伐・下刈 作業
昨年より「富士山の森づくり」活動に参画いただいた全国交通運輸産業労働者共済生活協同組合(以下、交運共済)さまですが、第1回は、台風が直撃し活動は泣く泣く中止となりました。第2回の活動となった今回ですが、またしても台風が接近という状況にみまわれました。開催が危ぶまれましたが、活動当日は、富士山でも30度を超える真夏日となり晴天に恵まれました。
今回は、除伐・下刈作業と体力を使う作業をしていただきました。ノコギリ、鎌を初めて使用する参加者もおり、指導員からの使用方法のレクチャーを受けて作業を開始。「富士山は登ったことがあるが、森の方はなかなか来ないのでいい経験になった」という声もあり、「森づくり」活動の大変さや大切さを体感していただけたようでした。慣れない作業に加え、蒸し暑く、頬を伝う汗をシャツやタオルで拭いながらみなさん最後まで熱心に作業をされていました。
開会式では、山梨県富士・東部林務環境事務所より富士山の森づくりの概要また本活動の意義について説明をいただきました。さらに台風後のため足元が滑りやすくなっているため気をつけていただくよう注意喚起が行われました。続いて、交運共済の坪井理事長よりこの森づくりを末永く続けていきたいという言葉とともに、時間が限られているが無理はしないように精いっぱい活動を行いましょうと参加者への呼びかけをされました。
■指導員より道具の扱い方、作業説明を受けて作業を開始しました。ノコギリも鎌も初めて扱うという参加者には、一人一人に丁寧に指導している指導員の姿もあり、コミュニケーションをとりながら作業を進めていました。作業は、3班に分かれて、ノコギリを使って除伐する人、鎌を使い下刈りする人とそれぞれに役割を決めて行いました。
■除伐作業では、植栽した苗の生育の妨げになっている木を切っていきます。自生したカラマツの木が、植えた苗の周りにたくさん生えています。カラマツの生長は早く、苗よりも大きくなり光をさえぎっているものも少なくありません。慣れないノコギリを使い、作業を進めていく参加者の皆さんの額にはたくさんの汗が光っていました。体力と暑さとの勝負の作業でした。
■除伐後には、切った木を小さく切断する“玉切り”作業も行っていただきました。こうして小さく切った木を置いておくと後々に培養土となり、苗の栄養になる。と語る参加者もいました。
■苗の周りに下草が生えているところでは、鎌を使った下刈り作業も行いました。今回の活動地では、主に笹が多く、一度生えると一気に広がってしまうため広範囲での下刈りが必要となりました。また、笹は草のように簡単には切れず、堅いため作業が難航する場面もありました。
■最年少の参加者(6歳)も除伐を行いました。「初めてノコギリを使った」とのことでしたが、大きな木を一人で切ることにチャレンジしました。無事に除伐に成功した後は、「腕が痛い」と言いながらもやりきったことに満足している様子でした。
■「参加者同士は、見知った顔ばかり」とのこと。打ち解けた雰囲気で声を掛け合う姿にも仲の良さがうかがえました。「理事長だったら、この木押して倒れるんじゃないですか」と大木を指して冗談を言う場面も。
■除伐・下刈り後の活動地では、邪魔をしていた木や草がなくなったことで、光が入り明るく拓けました。これら作業により、苗がまた一段と大きく生長していくようになります。
閉会式では、山梨県森林総合研究所 長池主幹研究員が活動前に説明してあった5種類の植えてある木の葉っぱを実際に見せて見分けがついたかどうかのクイズを行いました。また「森づくりは、私たちの世代だけではなく、次世代へつなげるものである。開会式での坪井理事長のお話の通り、末永くお付き合いしていただきたい」と話されました。交運共済の伊佐専務からは、また来年も活動を行うという決意の言葉をいただきました。初めての活動でしたが、作業を通じて森づくりの意義が伝わり、次へつながる一歩になったようでした。