2012年10月12日

CSOによる防災をテーマにセミナーを開催 IMF・世界銀行合同年次総会で海岸林に世界の注目を喚起

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  • 挨拶に立つ経団連自然保護協議会の佐藤会長

     10月12日、東京都千代田区の東京国際フォーラムにて、オイスカと経団連自然保護協議会共催、林野庁後援で「CSOによる防災への挑戦―東日本大震災・海岸林再生の取り組みから」をテーマにセミナーが開催されました。このセミナーは、48年ぶりの日本開催となった国際通貨基金(IMF)・世界銀行合同年次総会の公式サイドイベントの一つとして実施されたものです。CSOとはCivil SocietyOrganizationの略称で、オイスカのようなNGOや、NPO、市民や一般企業、教育・研究機関など民間団体が相互に協力し構成される活動体の総称です。CSOが開催するセミナーは各国からの参加者が意見交換をする場となっています。
     当日は、オイスカが取り組む「海岸林再生プロジェクト」を例に、CSOによる防災対策の意義と展望を紹介。開会の挨拶では経団連自然保護協議会の佐藤正敏会長から、経団連の使命や自然保護協議会設立の経緯、そして東北復興に関わる取り組みと今後の活動について説明がありました。同協議会が信託する公益信託経団連自然保護基金からは、オイスカも支援をいただいています。続くオイスカの清藤城宏参事(緑化技術担当)の基調報告では、昨年3月11日に起きた大震災のショックを乗り越え、未来の子どもたちのためにも海岸に再びクロマツを植えようと、宮城県名取市の人々と共に歩むオイスカの姿勢を参加者に解説。それを受け、「名取市海岸林再生の会」会長で自らも津波の被害にあった鈴木英二氏が、わずか30秒の差で生き延びることができた生々しい体験を語りました。
     林野庁の「東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会」座長を務めた太田猛彦東京大学名誉教授は、専門家の立場から海岸林の重要性を分かりやすく説明しました。オイスカを通して名取市民の活動を支援する多くの企業を代表して、合同会社西友の執行役員/シニア・バイス・プレジデント企業コミュニケーション部担当の金山亮氏は、全国の西友約360店舗で実施するレジ募金について写真を用いて紹介。出席した在京外交団や国際機関・報道各関係者、アジア、アフリカをはじめ各国のCSO代表からは質問が相次ぎ、充実した90分間となりました。閉会の挨拶にはオイスカの中野良子会長が立ち、「海岸林再生は〝ふるさと〞を守る行動でもあるのです」と述べました。
     また、IMF・世界銀行合同年次総会の一環として、9・10日には宮城県仙台市で「防災と開発に関する仙台会合」が日本政府と世界銀行の共同で開催され、世界銀行総裁、国際通貨基金専務理事、アジア開発銀行総裁をはじめ、日本政府から財務大臣も出席。多くの国の閣僚や金融機関関係者が出席する中「仙台宣言」を採択し、日本から世界へ向けて、防災の大切さを訴える貴重な機会となりました。

    オイスカの活動に賛同する企業を代表し、合同会社西友の金山氏が自社の取り組みを紹介。多くの参加者の共感を得た
    西友全店のレジに「海岸林再生募金」と書かれたカードが。買い物時にカゴに入れ希望金額を伝えると募金ができる
    会場の入口にはオイスカののぼり旗も

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