7月21日(土)ボランティア参加予定の皆さんへ
厳しい暑さが続いています。
クーラーが嫌いで、事務所の寒さがつらい広報の林です。
本部事務所のクロマツも暑さ対策でコンテナを板で覆いました。
黒いコンテナは、太陽の熱を吸収しやすいので、高温障害を引き起こす
恐れがあるので、板で太陽を遮っているのです。
私自身は暑いのが大好きなのですが、今週末、
21日のボランティアの日はちょっと心配。
普段は事務仕事をしている人間が、一日中暑い中で
作業をして大丈夫なものかと、自分の体力をちょっと疑っています。
そう、私だけではありません!
ボランティア参加者の皆さんの中には、日頃事務仕事に従事されている
方も多いはず。暑さに体が慣れていない中、日影が一切ない場所での作業は
かなり体力を奪われることになります。
通常より作業時間を短縮し、昼休みを長めに取るなどの対応はしますが、
皆さんご自身の体と相談しながら、各自で積極的に水分、休憩をとって
熱中症にならないよう、対策していただければと思います。
昨年の暑い時期は、朝10時の時点で500mlのペットボトルが空になっていました。
水分は多めにご用意ください。
体調がすぐれないという方、今回の参加を見送るなど無理のないようにしてください。
厚生労働省をはじめ、さまざまな官民さまざまな機関が
熱中症対策を呼びかけていますので、どうぞ皆さん、事前に確認の上
“やりすぎなぐらいの対策”をお願いいたします。
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
ホームページの閲覧がしばらくできず、ブログで発信することができなかった間、西日本ではかなりの広範囲で豪雨災害
犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、被害を受けられた方々に心よりお見舞い申し上げます。
プロジェクトでは、ホームページの閲覧ができなかった間、みなさんにすぐにでもお伝えしたいニュースがありました!
4月26日
復興庁からの電話を受けました。
「東日本大震災からの復興にご尽力いただいているオイスカ様に復興庁から感謝状をお渡しさせていいただきたいのですが、お受けくださいますか?」
とのこと。
青天の霹靂!
もちろんその場でありがたくお受けさせていただくことをお伝えしました。
ちょうどこの日、名取の現場では年に一度、そしてプロジェクトの最後となる種まきをしていて、
再生の会のみなさんが大勢出勤、オイスカの本部スタッフも現場入りしている中でこのニュースが伝えられました。
7月5日
感謝状の授与式
10団体が一同に会したものの、授与は1団体ずつ
復興庁の大臣室で吉野復興大臣から直々に感謝状をいただきました。
「名取といえば常磐線だよねー。ぼくも常磐線!」と私たちが大臣室に入るなり大臣からのひと言
吉野大臣は福島県いわき市の出身で、自宅は大規模半壊となり、親しい友人が犠牲になっているとのこと。
ご自身が被災されているだけに、
「すその広く、様々な方の力を借りてここまで来ることができました。みなさんの支援のおかげで元気をいただき7年間やってきているところです」と、話される言葉に感謝の気持ちがこもっているように感じました。
感謝状は、現場を担うスタッフのみならず、
マイレージの寄附、カードポイントの寄附、レジ募金での寄附など、オイスカへの直接の寄附ではない寄附も含めてご寄附くださったみなさん、ボランティアに参加くださったみなさんなど、
プロジェクトに関わってくださっている多くのみなさんへの感謝状です。
こうした「形」として支援者のみなさんへ感謝を伝えることができたことを嬉しく思います。
クロマツの保育はまだ始まったばかり、
多くのみなさんへの感謝の気持ちを忘れずにこれからも取り組んでいきます!
チーム海岸林の、今日の一言切り取り
5月末からずっと、宮城中央森林組合は連日施肥。
今年植えた85,000本分がなかなか終わらない。本当は6月中に終えるはずが。
1本に50g、1人1日800本分。ものすごく単純な仕事です。
「なんで俺が、こんな子供がやるような仕事しなきゃいけねーすか?」
山での重機や伐採の仕事に穴が開いてしまったプロ中のプロが、
名取に回されてきて、佐々木統括に聞こえるぐらい思い切りボヤいていたそうです。
発注者に聞こえるのも気にしないところが山の男っぽい。
「そりゃそうだ。仕事次第じゃ一日3万も5万も稼ぐ奴だからな」
佐々木統括はこういう事には怒らない。一日中可笑しがっていたらしい。
若いなあと。
松島森林総合の従事者は年齢層が高く、不慣れな人も多いこともあり、
ベテラン以外は、午前中中心に切り替えている。こちらは連日下刈。
ハチがいるゾーンで、ボランティアでは難しい仕事を。
「今日はハチ(フタモンアシナガバチ)の巣6つ落としたよ」
「防風垣の内側にもいますから、気を付けてくださいね」
再生の会も連日、育苗場の草取り。
女の人だけ。それはそれで気楽そうに見える。
「kさんはウナギの時期だし、最近来なくなったね。これだから男はアテにならないよね。
夢中だよ。釣ったらしばらく活かしておいて、たくさんになったらウナギパーティー」
7月11-12日はオイスカの会員が加勢。4チームがそれぞれ動いていました。
オイスカ愛知県支部豊田推進協議会31名は、1泊2日でツルマメ抜き。
5年間毎年来訪。再生の会とタイミングが合い、珍しく接点を作れました。
私の帰京前、平和タクシーの運転手さんが、
「いつも新聞で見てますよ。北高で講演したでしょ。いつも名取のためにありがとね。
ほんの気持ちだけど」と、500円とジュース2本とたくさんのティッシュを下さりました。
本当に嬉しかったです。
「仕事させていただいているという気持ち、俺もお前も忘れない様にしようよな」と統括。
あらためて、ズンと来ました。
2011年の夏「ヘビはみんな死んだ」という話、地元の人からよく聞きました。
冬眠中に穴で溺死したんじゃないかと一同が想像。
以来7年、私も一度も見ず。生きてるなら誰かが一度は見たはず。
今年、海から3㎞離れた農地で見たという話を聞いてました。
内陸の田んぼ・畑なら、もう戻ってもイイでしょう。
見つけたのは真昼間。広浦に近い大排水溝の横。のんびりしてました。
大きさは1m弱。目立ちませんが、間違えて踏むものでもない気がします。
毒はなく、性格は神経質とか、攻撃的と書かれています。目が赤い。
木の上に登らないから、よく車に引かれるとか。
マムシは朝、水を飲みに川に来ると言いますが、シマヘビはどうなんですかね。
最近シマヘビを見たのは自宅近くの神社の池に、モリアオガエルの卵を見に行った時。
その前は、川で遊んでいたら、アオダイショウが泳いで向かってきた時。
水を飲まないわけはないし。名取の水場はトンボ、オタマジャクシ、カニの楽園というだけではない。
シマヘビもカエルが好物。これだけカエルも、ネズミもいれば、餌には困らない。
でも、天敵もたくさん。猛禽類、キツネ、タヌキ、野良猫も。餌争い、
生存競争です。明日、あのヘビはいないかも。
ハチもいる、ヘビもいる。
生態系は回復と言ってもあながち嘘ではない。
敢えて言えば、あと足らないのはキノコでしょうか?
名取の苗は、育苗場で菌根菌が自然についたものが植えられています。
キンタケ、ハツタケ、アミタケ、ショウロ・・・
これらが出てくるのは時間の問題なのかもしれません。
7月10日午後、7月後半のボランティア受け入れの算段をしながら現場全体を巡視。
車を降りて、道から見えないところを歩いての繰り返し。
あらぬところから出てくるニセアカシア、葛をつい見つけてしまう。
この時期は先に見つけた方が、即その場で処理するのが基本。
いちいち刈り取り、木口に薬剤塗布。
今年のツルマメ、葛、ニセアカシアの特徴は70ha全体に薄く広く。
理想を言えば、ボランティアがプロに先行してツルマメだけをつぶして歩くのが良い。
リピーターの経験値を活かすなら、早めに全域を隈なく歩いてもらう手がある。
けれども、2017年度植栽地13haは去年並みに苦戦するはず。
どちらを優先するか・・・7月21日の顔ぶれを見ながら考えます。
そんなこんなで、過去の植樹祭開催地もすべて見たので、様子を写真報告します。
体育と日本史以外、授業という授業の記憶がほとんど残っていない高校生時代、
「治山治水」とともに「金原明善」(きんぱらめいぜん)という人名を教わった記憶はあります。
でも「天竜林業=金原明善」以上のことを踏み込んで調べたことはありませんでした。
林久美子さんのご両親とお酒を飲んでいるとき、
家の隣で滔々と流れるのが「金原用水」と知ってビックリ。
あの水量。農業だけでなく、飲料水、工業用水、長い間、広範囲にどれだけ多くが裨益したことか。
翌日防潮堤見学の後、お姉さんが予期せぬ一言。「金原明善記念館行ってみる?」
本当にありがたい・・・この一言うれしかった。
末裔の金原さんその人が説明して下さいました。ビデオもじっくり見て。
いまは木を出すことより、林道の整備に重きを置いている様子でした。
「天竜は山が立っているから、架線で出すしかないんだけどね」
「これからは林業は良くなる・・・と言われてから●十年」と苦笑い。
前に浜松に行った時は、三方原の内陸防風林を見に行きました。
戦後の入植者に餓死者が出たほど厳しい台地。ここにも用水を引こうと挑戦した。
「今度良かったら金原神社行きましょうか。今、橋が落ちて天竜林業さんも大変らしいの。
さっき、だいたい道は調べておきました」とお姉さん。
浜松から2時間。国有林に献上した杉林も含め1,000ha以上の「金原林」の入口です。
ここにしかない山の図面も写真に撮りました。ここに行かねば買えない本も買いました。
伊能忠敬は50歳から日本地図に取り掛かり、金原明善は54歳から造林にも取り組んだ。
幕末から新しい世の中になると言っても、行く手には障害しかない。
「群盲巨象を評す」という言葉が巻頭にありました。この人はどういう人なんだろう。
今度は山も川も見てみたい。
やらまいか精神 ~浜松市防潮堤の大工事~
豊田市の中部日本研修センター出張1泊2日を終え、せっかくなので浜松へ。
これまで鈴木和代さんのレポート通り、2020年3月の完成目指して防潮堤大工事中。
15分~20分で津波到達の街。浸水面積の7割減、浸水深97%減を目指しています。
海岸林視察は震災後4回目。進捗を見たかった。
帰省していた林久美子広報室長とお姉さんとドライブ。
たまたま通りがかった静岡県浜松土木事務所「防潮堤資料館」で、なにか始まりそう。
事情を説明し聞いてみると「県の住民説明会」。快く参加させていただきました。
一言で言うと、一般的なとげとげしい説明会とは大違い。
県のご担当の熱意が印象的。聞きに来た人も「やらまいか精神」。
技術も大掴みに理解できました。2011年の東日本大震災後、
2014年の着工までの期間を十分活かし、熟慮と工夫を重ねたと感じました。
10人以上で予約すれば、資料館で説明を聞けるとのこと。
総工費は330億円。
一条工務店が300億、浜松商工会議所等が15億寄附。残りは県・市。
だとしても、低コストを余儀なくされていると感じました。
東北の復旧と同様、資材費・人件費の高騰で当初計画から修正を重ねたでしょう。
防潮堤の角度は30度以上。登れるのは林久美子さんぐらい。
海岸法が改正され、防潮堤両方の法面に植栽。活着率は97%と見事。施肥アリ。
この傾斜に硬い土壌、植える人は大変だっただろう。
巨大防潮堤の頂上付近の風当たりが強い場所は、マサキ・トベラ。塩に強い低木広葉樹。
裾野から中央付近までは静岡県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ・コンテナ苗。
さっきも見てきた「苗木の浜北」が産地。抵抗性マツの供給体制に問題はない模様。
とにかく、見応えある工事でした。でも、勝手に立ち入って大変申し訳ありませんでした。
ところで、浜松の「やらまいか」精神とは?
出身の鈴木和代さんと林久美子さんに聞きました。
やらなければならないことは後先考えず、同じ方向を向き一致団結して、
いっちょやってやろうという人がたくさんいる。浜松はそういう所。
浜松出身が本部海岸林チームに2人もいるのも不思議な縁。
では残り二人、浅野・吉田は相模原市出身。こっちは何精神?
「ないです!そういうの」by浅野 たしかに別になかった。
6月28日、東京の業務が多く10日ぶりの現場。
今年の6月の降水量は、比較的多雨だった2016年と比べると半分。
なかなか正確な活着率を調べる時間が取れませんが、
佐々木統括、森林組合と私の目で見て、どう考えても99%以上。
植付後に大雨が続かず助かっています。
今回の出張は1泊2日で、その後オイスカ中部日本研修センターに出張。
看板設置準備、長町中学校の下見対応、名取駅写真展撤収、
宮城県庁林業振興課の皆さんと打ち合わせ。
長町中学校の先生たちは、キツネも見ました。
宮城中央森林組合はひたすら施肥。85,000本完了めざして。
松島森林総合は連日作業道沿い法面の下刈。
再生の会は育苗場除草。
7月のボランティアは約300人。算段は出来ています。
ツルマメ抜き取りは予想以上に出足が鈍く、6月のボランティアで
予定以上に面積を稼ぎました。
鳥の卵もあまり見なかった。僕のポジションが、ツルマメ担当から溝切担当に
シフトしているからかもしれませんが。
今年はキツネを日中に何度か見ました。学名的には「アカギツネ」。
決して痩せたキツネではありません。野良猫も見ますが、いい体してます。
ネズミだけでなく、鳥の卵も若鳥も食べるだろうし、コギツネがいるという事は
これからはもっと食べられてしまうでしょう。落ち着いて考えると残念。
寿命は3・4年と短いようですが。
6月7日、浅野さんと倉本さんと、林内を中央部から北に向かってサイクリング道を
移動しているとき、とうとう写真を撮ることに成功しました。
キツネの子ども2匹、逃げないので十分撮る時間がありました。
いつも見るのは親。あっと言う間に消え去ります。
コチドリでもキジでもキツネでも、子どもはやはり動作が緩慢。
逃げるのが遅い。
長い育林の過程で、木々の成長とともに、増えるもの減るもの、
消えるもの新しく見られるもの、色々な変化があるのでしょうね。
キツネの巣穴はまだ見ません。
タヌキもキツネも、ねぐらはいったいどこなんでしょう。
今年、時間があれば、トンボに注目してみたいです。
少なくとも10種類はいると思います。
2011年、震災後の海岸林に調査に行くと、被災した林内には海砂が入り、
アリジゴク(ウスバカゲロウの子ども)の巣穴がとても目立っていたことを覚えています。
「軒下のような雨にさらされない場所に作るんじゃないの?」と思いましたが。
2017年・18年植栽地、つまり空港から遠い場所、
名取市海岸林の中央部より北に行くほど、山砂の盛土になっています。
去年はあまり気に留めていませんでしたが、今年は再びアリジゴクの巣穴が大発生。
場所によっては巣穴だらけ。先月まではこんなに見なかったが・・・
震災直後と同様、マツの下というより、風雨、野ざらしの場所です。
近くの雑草にアブラムシがいたので、巣穴に落としてみると、
砂が小さく巻き上がり、黄緑色のアブラムシは一息で飲み込まれました。
捕まえてみると、私のイメージと違う、米粒よりも随分小さなアリジゴクでした。
産まれたばかりのアリジゴク?? 2・3年後にウスバカゲロウになるそうです。
日本には17種類いるそうです。
名取市海岸林北部では、今年6月に入って色々な種類のトンボもよく見かけます。
これは写真を撮るのが難しい。なかなかカメラを構える時間もないし。
林野庁の2015年の調査で、名取の海岸林は270種類の昆虫が確認されています。
種の増加は確実のように思います。