ウズベキスタン
政府・大学と協働し、2030年までに40,000haの沙漠を緑化!
ウズベキスタンでは、かつて、世界第4位の大きさを誇る湖だった「アラル海」の沙漠化が大きな課題となっています。干上がった面積は約540万ha。原因は綿花栽培による過剰な灌漑などと言われています。湖底の土壌は、粒子が非常に細かい沈泥土壌(シルト)のため、風が吹くとすぐに舞い上がり砂嵐を発生させやすい性質でのため、頻発する白い砂嵐が周辺住民数十万人を苦しめています。心肺系・血液系の疾患が風土病として蔓延するなど、健康被害も出ていることから、政府林業局は、沙漠化したアラル海の湖底での緑化に取り組んできましたが、沙漠化の進行を食い止められる規模での展開には至っていません。
そのような中、同国政府や研究者らから、中国・内モンゴルのオイスカ阿拉善砂漠生態研究研修センターの冨樫智所長に、内モンゴルで取り組んでいる手法を取り入れたいとの相談があり、2014年から冨樫所長が現地入りし、調査を開始しました。日本からの支援を得ながら、試験的な植林などを繰り返し、内モンゴルと同様に、高価な漢方薬の原料となるニクジュヨウを人工的に灌木(サクサウール)に寄生させられることを確認。
2020年からは、ウズベキスタン政府、カラカルパクスタン農業大学とオイスカが協働し、この地での沙漠緑化に向けて動き出しました。当面は、100haほどの試験的植林を行い、軌道に乗ったところで、トラクターでの植林とドローンを使った播種により、40,000haの緑化を目指します。
- 人口
- 3,603万人(2023年4月IMF推計値)
- 一人当たりのGDP
- 2,563USドル(同)
- 森林率
- 8.2%(2020年FAO公表値)