南ルソンマングローブ植林プロジェクト
- 場所
- 北カマリネス州、ケソン州
- 活動開始年
- 2004年
- 受入機関
- フィリピン政府環境天然資源省、CAMADA(Capalonga Mangrove Development Association Inc.)
地域の住民の願いとともに プロジェクトを開始
環境天然資源省、国家森林局長からの要請を受け、国際協力銀行(JBIC)が北カマリネス州で実施したマングローブ植林プロジェクトを視察しました。そのプロジェクトは、現地で環境保全に取り組む組織(CAMADA)の手により成功したのですが、まだマングローブ植林が必要な養殖池跡地などが多く残っており、台風の脅威から町を守るため、そして、地域の漁民がプロジェクトを拡大したいとの強い希望があることを確認しました。このような事情を背景に、CAMADAとの協力により、本プロジェクトが開始されました。
地域の産業を守る
520haの植林を実施
フィリピンでは、毎年多くの台風が列島の南東から北西へ向けて通過し、時に甚大な被害を各地にもたらします。ルソン島南部の北カマリネス州はまさに、その台風の通過地点でこれまで何度も被害に遭ってきました。加えて沿岸の町や村は国道から数十キロ離れており、まさに陸の孤島。地域の自然資源に頼る漁業は重要な産業です。
北カマリネス州カパロンガ町、そして隣接するホセパンガニバン町の沿岸で植林、そして2019年からは、その北のケソン州カグバレット島での植林も開始し、これまで3か所の累計で520haの植林を行いました。プロジェクトは、東京海上日動火災保険、労働組合のUAゼンセン様らの支援を得てこれまで進められてきました。
近況・今後の方針
2020年に入ってからコロナ禍によりマニラからの調整員も現地に入ることができていません。しかし、植林活動は、SNS等を使って連絡を取りつつ現地のカウンターパートの手で実施されています。ところで2020年11月大型台風ユリシスが北カマリネス州を襲い、国道への道路は寸断され、プロジェクト地域の住民は生活物資も枯渇する事態に。緊急支援しようにもコロナ禍の移動制限もあり現地に直接行くことはできません。そこで、スタッフはマニラから食料や衣服を持って国道沿いの町の入口まで行き、向かえにきたCAMADA代表のボイエット氏に渡しました。そこからはボイエット氏が車で運び翌日無事に被災した村に届けることができました。一方、このような台風が地域を襲いましたが、植林されたマングローブの苗は幸いほとんどが流されることなく生き残り順調に育っています。