ブルガン県セレンゲ区植林プロジェクト

場所
ブルガン県セレンゲ区
活動開始年
2016年
受入機関
ブルガン県セレンゲ区、モンゴル国自然環境観光省(関係機関)

セレンゲ区との協約により約2000haの森林整備・管理を実施

 オイスカモンゴルでは、2008年より日本への訪日研修派遣を開始しました。モンゴル北部に位置するブルガン県近郊の地域からも複数名が派遣され、帰国後は地元の学校でのCFP活動など、環境教育活動を行っていました。彼らの熱心な環境保全活動の取り組みの報告を受けた当時のセレンゲ区長から、オイスカOBに対して、新たにセレンゲ区内の森林を対象とした整備・管理活動の提案を受けました。それを受け、オイスカOBで森林管理を目的とした組合を組織し、2016年、対象となる約2,000haの森林の整備・管理活動の協約をセレンゲ区と結び、活動を開始しました。

養蜂の普及を通じた生計向上にも着手
住民の環境意識向上にもつながる

 日本の助成金や支部の支援を受け、対象地内で特に森林整備が必要な約10haで植林を実施しました(~2021年)。オイスカOBが現地の環境に適した苗木を育て、それを地元住民と共同で植林をしています。また、助成金を利用して単に植林をするだけでなく、希少植物の保全や養蜂の普及を通した住民の生計支援など、生物多様性に配慮した森林保全プロジェクトも実施しました。これらの事業は、地元の住民と共に取り組むことで、住民の環境に対する意識の向上にも繋がっています。また、環境保全や生物多様性の取り組みが遅れているモンゴル国内では希少な取り組みであることから、中央政府や地元行政からも注目され、この事業に関わったオイスカOB数名は、国の環境関連の表彰を受けました。

近況・今後の方針

 対象の森林内には、まだまだ環境整備が必要な地域が残されており、今後も現地OBや地元のニーズを汲みながら新たな植林活動を検討していきます。また、助成金を利用して取り組んだ生物多様性に配慮した森林保全プロジェクトでは、事業終了後もオイスカモンゴル総局が現地住民のフォローをしながら、住民が自立的に希少種の保全や養蜂事業を続けております。現状として、モンゴル国内では環境保全や生物多様性に配慮した取り組みはまだ限定的なため、オイスカモンゴルでは今後もこれらの取り組みを実施しながら、併せて行政や住民に対する啓発普及にも努めていきます。