サバ・キリム村森林保全プロジェクト

場所
マレーシア・サバ州ラナウ
活動開始年
2005年8月
受入機関
サバ州、キリム村役場、KPD(サバ農村開発公社)

防火帯の造成、下草刈りの管理を住民自身の手で実施 村のみんなの森づくり

 オイスカの研修を修了したOBのイグナティウスピーターが帰国後に養魚などの事業を行い、その努力と人柄から村人の信頼を集め村長に就任しました。その村の裏山は長年草地であり、農業の安定のための水源林の造成を希望していた時期にちょうど電機連合がマレーシア支援を検討していたことから、プロジェクトの実施が決定しました。

 村のすぐ裏手に広がる植林地に、チーク、センタンなどを植林しました。また、防火帯の造成、下草刈りなどを「ゴトンロヨン」とよばれる住民の相互扶助制度によって行い、村人自身により管理しています。また、周辺の学校に通う子どもたちも植林に参加するなどしており、環境教育の場としても活用されています。

近況・今後の方針

 初年度に植えた苗木はすでに人の背丈を大きく越えており、順調に育っています。2007年に、周辺の草地から延焼してきた火が植林地の一部を焼く被害に遭いました。その際には多くの村人が駆けつけ、消火作業に当たるなどして全焼を免れました。植林地が村のためのものであり、自分たちで守り育てていかなければならないものであるという考え方が浸透してきているようです。今後も地域の自主性を大切にしながら植林地の管理を行い、地域開発・緑化のモデルケースとなることを目指します。