カランガニアル研修センター

場所
中部ジャワ州カランガニアル県
活動開始年
1988年12月
受入機関
オイスカ・インドネシア研修生OB会

OB研修生による青年の農業研修が、オイスカ研修センターに発展

全国土面積のわずか6%に、総人口の60%が生活しているジャワ島。そのジャワ島で最も人口密度が高い中部ジャワ州では、昔から集約的な土地利用が行われていましたが、主食である米とわずかな穀類を栽培する半モノカルチャー経営と古くからの農法に頼っていたことによる収穫量の少なさから、農家は長い間経済的に苦しい思いをしてきました。
 
 そうした状況を打破すべく、農業普及所職員(当時)として働いていたオイスカ研修生OBのムルヨノ氏が、より生産性・収益性の高い農業を指導するため、1983年から、カランガニアル県の地域青年を集めて研修を開始しました。

 そして1988年、それまでの活動が認められ、旧郵政省の国際ボランティア貯金からの支援を得て、現在の地に研修センターを建設。カランガニアル研修センターとして正式に活動がスタートしました。

中部ジャワ州の青年育成、環境保全、環境教育などを幅広く担う存在に

 カランガニアル研修センターでは、稲作と蔬菜栽培の技術一般についての指導に加えて、市場調査やマーケティング等、広く農業経営についても学べるような研修を行っています。

 研修生には、正規の長期研修生のほか、地方政府や高等学校、大学よりの委託を受けて実施する短期研修コースへの参加者も含まれます。現在、中部ジャワ州各地で研修生OBを中心に農民グループが結成されていますが、そうしたグループに対する巡回技術指導も本研修センターの大切な活動です。また、「子供の森」計画や日本企業の植林事業を通した環境保全活動にも取り組んでいます。

近況・今後の方針

 かつて稲作しか見ることができなかったカランガニアル研修センター周辺では、現在、メロンをはじめとする多種多様な高級野菜が作付けされている光景が見られます。
 
 20年の間に地域の農業経営の形態に劇的な変化をもたらした本研修センターに対する評価は、政府・民間に関わらず非常に高く、インドネシア各地の政府機関や高等学校、大学からの研修受け入れ要請が多数寄せられるようになってきました。今後は、こうした短期研修への受け入れを更に広げていくと共に、近年インドネシアでも注目されるようになってきた環境に配慮した持続可能な農法にも取り組んでいく予定です。