【報告】地球環境再生植林フォーラム 2024 inフィジー(後編)
9月29日(日)
この日からフィジアンハーブの専門家である村上先生によるフィジアンハーブのプログラムです。先生のご友人のいるナブエブ村を訪問し、ワリワリサルワキ(ココナッツのブレンドオイル)づくりを教えていただきます。とても温かく迎えていただき、ココナッツのカリカリ(削って絞る)体験や、新鮮なココナッツジュースもいただきながらフィジーの文化や歴史についても教えていただきました。
また近くの海岸沿いを歩きながらあちこちの植物を観察、マングローブの根と種を採取し、その根はすりつぶしてお湯を注いで胃の薬になるということや、昨日植えたタボラの木は実を食べるだけでなく、葉は腹痛の薬などとして使われていることなど、植物の力とそれを活かすフィジーの人々の知恵も教えていただきました。
昼食には、伝統料理ロボを用意してくださり、その作り方も見学させていただきました。
9月30日(月)
この日もハーブプログラムでナブエブ村へ。昨日は日曜日で村への正式なご挨拶が出来なかったため、カバをもって村のトラガニコロ(調整役)を訪問。お家の前でセブセブ(簡易)をしていただき、正式に村への立ち入りを許可してもらい、村内を散策しながらハーブ植物や伝統的な建物等も見学させていただきました。
さて、いよいよワリワリサルワキ(ココナッツオイルブレンド)を作る準備です。約30個のココナッツをカリカリし(していただき)、そこに複数の植物の葉や根、種等をすり潰し、混ぜて、火にかけオイルを抽出します。このワリワリサルワキのブレンドは各家庭やブニワイ(フィジアンドクター)によってさまざまなレシピがあるとのことです。家庭では母親から代々引き継がれるレシピだそう。
10月1日(火)
あっという間にフィジー最終日。前日に精製していたワリワリサルワキの仕上げを行い、最終的に約30個のココナッツから約600mlのオイルを作ることができました。
そして、2日間お世話になったナブエブ村の皆さんとのお別れの時・・・
記念撮影と団長よりお礼の挨拶をしてお別れです。本当に温かく迎えていただきありがとうございました。
空港に向かう途中、デナラウマリーナに寄りお土産の買い物等の後、参加者とオイスカフィジーのジョジョさん、メレさん、ミリさんも合流しての夕食。それぞれの参加者から振り返りの言葉をいただきました。そして、オイスカフィジーの皆さんとSotatale(また会いましょう)と約束をしてフィジーを出発しました。
10月2日(水)
早朝ほぼ予定通り成田空港に到着し。団長より挨拶をいただき、解散しました。参加者の皆さま、ご参加いただき本当にありがとうございました。
長いようで、短かった8日間。支部としても初めての訪問国フィジーでしたが、人々の温かいおもてなしの心にとても感動しました。
今回の活動では、気候変動によりフィジーが直面する海岸沿いの土地の浸食や海面上昇などの影響を少しでも食い止めるためのマングローブ植林を実施しました。現地の人からも「一昨年は床下まで。昨年は床上まで浸水した。」など、毎年少しずつ海面上昇が進んでいることを伺い、それらを食い止めるためにマングローブ植林が有効であると植林の意義を感じました。しかし「じゃあマングローブを植えればOK!」ではありません。マングローブを植えることで憩いの場である海岸がなくなる。景観も変わるなど人々が大切にしていた生活を諦めなければならないという側面もあることも知りました。フィジーの人々は、それでも今食い止めなければ、住み慣れた土地を離れなければならないという、大きな決断を迫られています。日本でも気温上昇やゲリラ豪雨など気候変動による影響が問題になりつつありますが、自分自身も気候変動に対する危機感が薄いと感じています。自分の所は・・日本はまだ大丈夫!ではなく、周りに、世界にもっと目を向け考えること。自分が行動しなくてもだれかやる。少しくらいやっても何も変わらない。ではなく自分の一歩が未来を、世界を変えていくのだという意識を持ち、少しずつでも行動を起こしていくことが大切だ!と再度心に刻みました。
また今回、植林と共にフィジファンハーブのプログラムを行いましたが、プログラム全体を通して、フィジーの人々にとって植物は、昔からとても身近に、常に生活の中にあるもので、現代の日本では失われつつある「自然と共に生きる力」をフィジーの方々から教えていただき、沢山のことを学んだ8日間でした。
Vinaka Vakalevu(ありがとうございました)
山梨県支部では3ヵ年計画として、フィジーでの植林ツアーを実施しております。また来年もすでに計画が進んでおります。ぜひ沢山の方々のご参加いただければ幸いです。
※本事業は、(公財)山梨県緑化推進機構及び(一社)山梨県森林総合コンサルタントからの支援を受けて実施いたしました。
9月25日~28日の活動については、【報告】地球環境再生植林フォーラム 2024 inフィジー(前編) をご覧ください。