第1回「松がつなぐあした」読書感想文コンクールの結果について
8月から9月にかけてエントリーの受付・読書感想文の募集を実施した「松がつなぐあした」読書感想文コンクールの審査結果を発表します。
残念ながらエントリーが8件しありませんでしたが、第2回のコンクール(詳細はこちら)に向けて、多くの学生の皆さんが参加してくれるのを期待しています。
入賞者4名、うち1名を優秀賞に選出しました。
4名を12月に開催する九州地区の海岸林視察ツアーにご招待します。
【優秀賞】
譜久原翼さん(高校1年生)
【入賞】
髙橋七海さん(高校1年生)
佐々木彩衣さん(高校1年生)
和泉壮汰さん(大学3年生)
【講評】
審査委員長 小林省太
今回のコンクールは募集期間が短かったこともあり、応募が4編しかなかったのは残念でしたが、それぞれ本に関する率直な感想がつづられており、何度もなるほどと思いながら読みました。
高橋七海さん。「本は難しそう」「プロジェクトに参加している人たちは年の離れた人ばかり」と思いながらも、「プロジェクトは決して他人事ではなく今も自分のすぐ近くで行われているものなんだ」と気づきました。とても大切なことです。このコンクール自体が、若い人たちが海岸林を身近に感じ、クロマツの林に関心を持ってもらうためのものだからです。
佐々木彩衣さん。「人の結束力はすごくエネルギーがあるもので、心身ともに深い傷を負ったはずなのに力を合わせて海岸林を再生させた」との指摘は、本のテーマでもあります。「宮城県以外の海岸林はどうなっているのか、できた背景にはどんな苦労や思いがあったのか」。この疑問は私も持ち、あちこちの海岸林を訪ねてとても勉強になっています。
和泉壮汰さん。現場のボランティア体験と読書を重ねるなかで、「合意形成というものがいかに難しいか」に気づき、「松にかける思いと同じくらい、人と人とのつながりを大切にする」プロジェクトのありかたを見いだしています。「まっすぐな意志を持つことが、相手の心を動かす」。そういうことをどんどん学びながら、プロジェクトにかかわり続けてほしいと思います。
そして、審査委員会が優秀賞に推した譜久原翼さん。高校で被災地に桜を植樹するプロジェクトチームに加わっている体験をベースに、本の内容を読み取っています。「科学的によい方法とはなにか」「科学的なだけでなく、かつての故郷を取り戻したいという地元の人の願いを尊重する」ことの大切さなどを考えつつ、海岸林再生プロジェクトが高校での活動に「とてもよく似ている」とも思うのです。桜と松、自分のなかでさまざまに比べながら、理解を深め実践を続けていくことを、審査員たちも望んでいます。
4編とも若者らしい文章で、おかしな日本語は見当たりませんでした。引き続き第二回のコンクールもありますので、多くの高校生、大学生の参加を期待しています。