5月28日に開催された広島県支部の集いは今年もたくさんの方にご参加いただき
無事終えることができました。ご参加くださった皆さんありがとうございました。
第一部ではオイスカが東日本大震災復興支援として取り組んでいる
「海岸林再生プロジェクト」の報告を行いました。
毎月現場に足を運んでいるというオイスカ本部の林広報室長から
プロジェクトの経緯や最近の進捗状況などが報告されました。
第二部では民俗学者の神崎宣武先生を講師にお迎えし、
「山は、森は、海の恋人ー日本人の自然観と信仰」と題した講演が行われました。
穏やかな語り口で講演が始まるとすぐにお話に引き込まれ、時間がたつのを忘れてしまうほどでした。
まず先生は「島国」という言葉は日本の国土をイメージさせるのには正しくない、「山島(やまじま)列島」と表現するのがいいとおっしゃいました。
日本の島はどこから見ても山が見え、それが日本人の自然観を作っているのだと。
またお正月のしきたりについても時間を割いて説明をしていただきました。
誰もが知っており、各家庭でそれぞれに祝っているものの、
その本当の意味を知らずにいたものが多く目から鱗が落ちる思いでした。
先生は「雑煮に雑巾と同じ雑の字を当てているのはおかしい」と
「もともとは総煮あるいは惣煮」だと説明されました。
本来のお雑煮は、お正月にお迎えする年神様が依代とする鏡餅を入れて煮る
ありがたい食べ物なのだと。お正月にぜんざいを食べるという方が
「そういえばぜんざいは元々は“じんざい”といって神在なんだと説明されたが
とても合点がいった」と深く納得した様子でした。
日本人として知っているべきことをいかに知らないか。
深く反省させられ、また楽しく学ばせていただくことができた講演会でした。