2019年8月26日

「富士山の森づくり」2019年度レポート株式会社関電工

  • 国内ニュース
  • 実施日:2019年5月25日(土)

    実施団体:株式会社関電工

    活動:シカ害対策ネット補修

    株式会社関電工さまの活動は今年で3回目となりました。3回連続で快晴となり、天候に恵まれた中での活動となり、今年も富士山頂上をバックにした集合写真が撮れ、よいスタートを切れました。今年は、シカ害対策ネット(以下ネット)の補修作業をメインにやっていただきました。3回とも異なった作業のため、参加者にもやりがいを感じてもらい森づくりの大変さや保育作業の大切さを伝えることができました。また、今年度より作業に参加できない子どもを対象にした「森のほいくえん」を実施。子どもと一緒に親御さんも参加され、森や富士山の自然を自由に触れ、子どもならではの視点での発見・体験してもらうプロのサポートを得て自然遊びを行いました。

    ■ふじてんで行われた開会式では、山梨県富士・東部林務環境事務所より「多様な森づくりを目指して13年目。今年は昨年の台風で倒れた木を元に戻す作業を行っていただく。富士山もよく見え、絶好の日よりになったが、台風による倒木がたくさんあるので気をつけて怪我のないようにお願いしたい」とご挨拶をいただきました。続いて株式会社関電工土屋総務法務部長より「刃物を使うので、指導員の言うことをよく聞いて作業をしてほしい。天気が良すぎるので、暑さにも気をつけてみなさん安全に!!」とご挨拶をいただきました。富士山を見ながら全員でのびのびと準備体操を行い、清々しい気持ちで活動スタートとなりました。

    ■まず7班に分かれ、班ごとにネット補修作業について指導員に説明いただきました。「針金で竹支柱とネットを固定する作業は、器用さや慣れが必要となってくるので根気よく行ってください。また道具を置き忘れることも多いので次の場所に移る前にもう一度自分の身の回りを確認し移動をお願いします」という指導員の話を皆さん真剣に聞いていました。

    ■ネットの補修作業は、ペアを組む方とのチームワークが重要です。苗にネットを巻くときや支柱に固定する時は特に2人で力を合わせて行わなければなりません。こちらのお二人は「このような活動を関電工が取り組んでいることは知らなかった」「針金でネットと支柱を縛るのが難しい」とのことでした。同年代ペアで相性が抜群!お互いに声を掛け合いながら、助け合って作業を進めていました。

    ■こちらのお二人は、力作業と固定作業とを分けて効率よく作業を進めていました。息のあった掛け声とともに作業はスムーズに進んでおり、指導員から見守られながらお二人で最後までやり切りました。

    ■家族と一緒に作業されていた小学2年生お子さん。苗の生育の邪魔になるカラマツの除伐を中心に用をしてくれました。初めての参加とのことでしたが、コツをつかむと作業も早くなり、細い木なら一人でも十分に作業ができていました。最後は皆さんから「ノコギリ隊長!こっちこっち!」と声がかかり、色々なチームのヘルプに走ってくれていました。「ノコギリをこんなに使ったのは初めて」と充実感いっぱいのようでした。

    ■補修作業とは別に、苗が枯れてしまい、不要となったネットの回収も行っていただきました。軽そうに見えるネットですが、わずか3枚、4枚でも結構な重さになります。そういった時は力がある男性の出番。回収したネットを作業道まで運んでいただきました。おかげで、ネットは再利用することができます!

    ■作業終了後の活動地の様子。富士山頂上も見える場所で、真っ直ぐに立ったネットが並びました。

    作業に参加しない子ども向けのプログラムとして今年度より「森のほいくえん」を実施しました。専門の保育士のサポートを受けながら、11組の親子が参加しました。初めに自己紹介、3つの約束ごとをして「森のほいくえん」開校です。

    ■まずは全員で森の探検に入りました。大人も子どももみんな一緒に森の中へ。

    ■子どもたちは森の入り口で何かを発見し立ち止まったり、自分の背より長い枝を集めたり興味があるものへ向かっていきます。倒木の枝に興味を持った子どもたちは枝を短くしようと様々な方法をトライ。みんなで力を合わせて挑戦していました。

    ■一通り森を探索した子どもたちは2つに分かれ、クラフトをするグループとさらに森の中を探検するグループに。森の探検をするグループは、さらに森の奥へと進んでいきました。タラの芽を探していると、シカの頭蓋骨を発見!都会では見ることのないシカの頭蓋骨に子どもたちは興味津々でした。

    ■もう1グループは、森から拾ってきた木の枝などを使用して「ゴッドアイづくり」をしました。木の棒を使ったクラフト体験です。森に落ちている枝に毛糸を巻き付けて模様を作ります。それぞれ自分の好きな作品を作り上げていました。

    ■閉会式では、参加者より感想いただきました。「はい!」と手があがったのは子どもたち!「いつもはできないことを、いっぱいできてよかった。来年もまた来たい」「自然の木を切るのは初めてで、貴重な体験ができた」「自然のことを学べてよかった」など元気よく発表してくれました。オイスカ副理事長廣瀬より「33度という、暑い中での作業ありがとうございました。皆さんのおかげで、倒れていた木が再び生長できる。100年先の多様性を目指した活動を行っているので、これからもご支援・ご協力をお願いしたい」と挨拶をしました。

    最後にオイスカの田中より「森は愛する人を守り、愛する人に守られる。という言葉がある。私たちは知らず知らずのうちに、自然の恩恵を受けて生活をしている。今日は森の中でそれを感じていただけたのではと思う。病んでいた森が、皆さんのおかげで生き返ってきている。」と話をし、活動を締めくくりました。

    アーカイブ