2016年8月6日

中野総裁一行が海外での活動スタート地インドを訪問 開発協力の新たな歴史を刻む旅 バラナシ支局の発会も

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  • オイスカの海外での開発協力がスタートしたのはインド共和国ジャンム・カシミール州スリナガール郊外。
    現在は国立カシミール農業大学がある場所で1966年6月3日、日本式の田植えが行われました。
    50年の時を経て、原点に立ち返りまた今後の協力関係を模索するため、6月4~11日、
    オイスカ・インターナショナルの中野良子総裁をはじめ20名がインドを訪れました。

    ジャンムでは50年前の第一次開発団員の活躍を鮮明に覚えているという地元の方々が集まった
    ジャンムでは50年前の第一次開発団員の活躍を鮮明に覚えているという地元の方々が集まった

    ジャンムでは、50年前、農業協力に当たった日本の篤農家らと親しくしていたプトー博士と面談。博士は当時の様子を記事にしてウェブ上に投稿、それを目にしたオイスカ北インドのスタッフがコンタクトをとり実現したものです。博士は水稲の苗代、田植えの方法や堆肥の作り方、果樹の剪定、シイタケの栽培方法などを篤農家が身振り手振りで伝える様子を語り、「言葉が通じなくとも習得できる技術に特化し指導していたことが、その後の農業普及に大きく貢献した」と、懐かしく当時を振り返っていました。
    翌日にはカシミール農業大学を訪問、各分野の専門家から同地における農業技術の進歩について説明を受け、大学の関連施設では当時を偲び現地の人々と記念に田植えを行うなど、学長らも参加して盛大な交歓の場となりました。州選出の国会議員らも駆けつけたことから、かつての協力関係の復活に向け期待を寄せる様子がうかがえました。

    カシミール農業大学にて
    カシミール農業大学にて

    ガンジス川の沐浴風景
    ガンジス川の沐浴風景
    首都デリーでは、インドで進むガンジス川浄化国家計画について聞き取りのため、その一翼を担っている世界銀行やJICAインド事務所を訪問。“聖なる川”も汚染が激しく、どのような解決策があるか、オイスカができる支援方法を模索する機会となりました。9日には一行を歓迎する晩餐会が開催され、平松賢司駐インド大使、キラン・リジジュ内務担当閣外大臣らも列席。和やかな雰囲気の中、中野総裁にアグラに本部を置く国際組織Respect Age Internationalより、卓越した年配者へ送られる顕彰の授賞式も行われました。
    10・11日にはヒンズー教の聖地バラナシを訪れ、ガンジス川で沐浴をする人々の横を火葬された死者の灰が流れる様子など、汚染の状況を船から視察。市中から流入する汚水を処理するための方策といった課題の大きさに、愕然とさせられる場面もありました。またオイスカ・バラナシ支局の発会式に参加。式にはバラナシ市長も姿を見せ支局誕生を祝うとともに、今後のオイスカの取り組みに大きな期待を表明。会長となったV・N・シン氏は地元の名士で、「世界に広がるオイスカの一員となることに喜びを感じている」と語りました。
    一行の訪問は、インドにおける開発協力の新たな歴史の1ページを飾るものとなりました。

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