2016年3月2日

バングラデシュ  さまざまな苦難を乗り越え センターの自立を目指す

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  • 急激な成長を遂げるバングラデシュ。2010年以降の国内総生産(GDP)成長率は6%以上
    で推移しており、世界から注目を集めています。オイスカは1981年にバングラデシュ
    研修センター(以下、センター)を設立し、今年で35周年を迎えます。
    設立当時は首都ダッカから車で1時間半ほどかかる農村地帯だったセンター周辺も、
    現在は都市化が進み、縫製工場などが立ち並ぶ町となりました。
    また海外からの企業の進出も増加傾向にあり、日本人をはじめ外国人居住者も増えてきています。

    2月15日にセンターに届いたトラクター。当初は日本からの中古農業機械の支援を検討していたが、現地調達に切り替えた。日本だけでなく5ヵ国のオイスカ会員らの寄附により購入が実現
    2月15日にセンターに届いたトラクター。当初は日本からの中古農業機械の支援を検討していたが、現地調達に切り替えた。日本だけでなく5ヵ国のオイスカ会員らの寄附により購入が実現

    こうした外部環境の変化はセンターの運営にも影響を与えています。外国人向けスーパーの増加や国民の食の安全への意識の高まりといった状況に対応すべく、センターでは有機農業で安全な野菜を生産し、付加価値の高い商品作物を都市の消費者に提供できるモデル農場づくりを目指してきました。現在は卵や鶏肉のブランド化を推進するほかトラクターなどの導入による機械化を進めており、生産性と収益性の向上が期待されます。卵に関しては、鳥インフルエンザの影響で使用できなくなっていた養鶏舎を改築し、一日1300個の生産が可能となりました。
    外国人を標的にしたテロの影響から外出自粛を余儀なくされる人たちも多く、センターの日本人スタッフも細心の注意を払いながら活動を続けています。こうした状況の中、今日まで確立してきたマーケットが縮小するなどの課題もありますが、研修事業の面では、研修を希望する青年の中には、大学や大学院を終えた者も見られるようになり、農業分野のリーダー育成への大きな弾みとなっています。センターは着実に自立に向けた歩みを進めています。変わりゆくダッカ、そしてバングラデシュ全土の状況に柔軟に対応し得るモデル農場としての役割を担うとともに、同国の次代を切り拓く若者を育てるべく今後も前進していきます。

     

    tamago
    改築された清潔な養鶏舎

     

    鶏肉
    化学薬品、ホルモン剤などを一切使わず
    ブランド化を目指す鶏肉

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