2019年12月3日

各種イベントで活動報告 日経SDGsフォーラムで発表 ゆうちょ財団の活動報告も

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  • タイ・ラノーン県における活動について発表する春日(東京海上日動火災保険㈱提供)

     10月8日、「地球の未来にかける保険マングローブ植林を通じた社会価値創出」をテーマに「日経SDGsフォーラム」特別シンポジウムが、東商グランドホール(東京都千代田区)で開催されました。これは、日本経済新聞社と共に主催した東京海上日動火災保険㈱の創立140周年およびマングローブ植林20周年を記念したものです。

     同社では、創立120周年を迎えた1999年に、記念事業の一環としてマングローブ植林プロジェクトを立ち上げ、「地球の未来にかける保険」と位置づけた取り組みを開始。100年続けることを目指し、これまでに9ヵ国で1万ha以上の植栽を行ってきました。こうした取り組みは植林地やその周辺に暮らす約141万人に裨益するとの試算結果(三菱総合研究所)を示し、防災や減災といった効果も生み出しているとしています。

     現地での植林は、NGOなどと協働して行っており、年に一度、社員ボランティアも参加しています。オイスカもプロジェクト開始当初から参画。これまでにタイやインドネシア、バングラデシュなど5ヵ国のマングローブ植林活動に対し、同社の支援を受けてきました。

     シンポジウムでは、協働するNGOからの成果報告として3団体のスタッフが登壇。オイスカからは、タイの駐在代表を務める春日智実が現地の活動についてプレゼンテーションを行いました。春日は、タイ南部のラノーン県における取り組みに触れ、活動地を世界自然遺産に登録しようと、同県を中心に動き出していることなどを紹介しました。また、ラノーン県の住民らが子どもや孫の教育など、将来に備えて積み立てていた貯金を東日本大震災後に支援金として届けてくれた事例に触れ、確実に日タイの絆が育まれているとし、社員ボランティアが地域住民と共に活動していることの意義を強調。こうした森づくりを通じた民間外交が、平和な世界をつくることにもつながっていると結びました。

    流暢な日本語で会場の質問に答えるアラハコーン

     また、同11日には、ゆうちょ財団のNGO海外援助活動助成を受けて行われる活動の報告会で、スリランカの「子供の森」計画(以下、CFP)について、現地総局事務局長のA・M・C・K・B・アラハコーンが取り組みの成果を発表しました。子どもたちが学校で植林や野菜栽培に取り組む様子のほか、地域で熱心に行っているゴミ拾いなどを通して、大人の意識変革にも大きく貢献している事例などを紹介。会場から政府の環境対策に関する質問が寄せられると、「政府の役割はルールを決めて規制をすること」と前置きし、資源活用などのルールに加えて、「ここに民間ならではの、人の心に働きかける活動を加えることが必要」とNGOの果たす役割の重要性に触れました。また、 「子どもたちはCFPの取り組みを通じて自ら行動する心を育んでいるが、それを社会に出てからも忘れることなく、地球環境のために行動できる大人になってもらうことが課題」とし、今後もCFPを軸にしながら、各種活動を推進していくことを約束しました。

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