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新型コロナウイルスに対するオイスカの取り組み

理事長メッセージ

未曾有の時にあたって

 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっているなか、わが国でも戦後初めて憲法上の
限られた制約下ながら緊急事態宣言が発出され、国家挙げての対応がなされています。
しかし残念ながら、まだまだ予断を許さない状況が続いています。
戦後生まれが約9割近くを占める日本ですが、この間、東日本大震災に象徴されるように
毎年各地で地震や洪水、津波などの自然災害に見舞われてきていますが、今回のように
目に見えない脅威への対応は、大多数の国民が初めて経験する事態といえます。

先ず以て、病に斃れた方々の御霊安かれと念じ、罹患者の一日も早い平癒を祈念し、
併せて身の危険を顧みず日々献身的に対処されている医療関係者をはじめ、人々の生活を
守るためにさまざまな社会インフラや生産現場を支えていただいている皆様に、
心からの感謝と敬意を表します。

  近年は科学技術の急速な発展などによってヒト、モノ、カネの流れが加速し、国際社会の
グローバル化は一挙に広がってきた感があります。私たちはこうした流れによって、確かに
多くの恩恵を受けてきていますが、逆に最近はその歪みの顕在化によって、トランプ大統領の
登場や英国のEU離脱等に象徴されるように、反グローバル化の動きも世界各地で活発化し
つつあります。そうした中での今回の新型ウイルス問題は、私たちに多くの問題提起をして
くれているのでは、と感じています。

  オイスカの創立者・中野與之助翁は、その理念の中で宇宙のことから国のあり方、人類の
生きる道など、半世紀以上も前から「今だけ、カネだけ、自分だけ」的な自己中心主義や
経済偏重の世の流れを憂い、多くの発信を行ってきました。不謹慎かもしれませんが、
今の状況は、私たちに価値観の大きな転換を求める目に見えない働きかけといえるのでは
ないか、とも感じています。

  私たちオイスカの国内外の活動現場は、内容に多少の差はありますが、それぞれ政府や
行政の指導に沿ってコロナ対策を行っています。そしていまだ収束への道筋は不明ですが、
それぞれ許される範囲の中で職員・スタッフは皆、今できることに精一杯取り組んでいます。
このような状況の中、国内外のセンターで生産される農産物が地域の人々に感謝されている
ということを聞き、スタッフの頑張りをありがたく、また心強く思っています。

  一日も早く新型コロナウイルス感染症の世界的な収束を願うとともに、その先には、
この未曾有の状態を教訓として、創立者が提唱したような価値観を一人でも多くの人々が
共有し、 持続可能な国際社会の実現に向けてさらなる一歩を踏み出していけるよう、
努めていきたいと存じます。

各方面それぞれ非常に厳しい状況ではありますが、会員各位や支援者、関係者の皆様の
健康を心より祈念いたしております。今後ともご理解・ご支援の程よろしくお願い申し上げます。


令和2年5月1日
公益財団法人オイスカ
理事長 中野 悦子